レーヴァティン
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第百三十話 北九州攻めその十
「後がかなり楽だ」
「まあな、しかし」
「しかし。どうした」
「いや、筑前を完全に掌握してそれからな」
耕平はさらに話した。
「兵を二手に分けるつもりやったが」
「その前にだな」
「でかい戦になるとかな」
「当初の考えとは違うな」
「そうなったな」
「それは当然だ、戦ならな」
これならというのだ。
「やはり敵がいる」
「敵の動きもあるな」
「それでや」
「こちらの動きも変わるな」
「敵には敵の考えがある」
英雄は強い声で話した。
「戦の場の状況もだ」
「その都度変わるな」
「兵法書を読んでいてもな」
「兵法書の通りになるか」
「そうも限らない」
戦は常に状況が変わっていき臨機応変の対応が重要だというのだ、英雄はこの世界の戦でそれがわかってきたのだ。
それでだ、彼はまた言うのだった。
「だからこの度もな」
「敵が岩屋城に攻め寄せてきた」
「ならばだ」
「兵はまずは分けずに」
「こちらの主力を以てだ」
「叩く様にしたな」
「そうだ、それでは兵を進める」
その岩屋城までというのだ、こう話してだった。
英雄は士気の高い兵達を率いて軍勢を岩屋城まで勧めた、すると城はかなり攻められ落城まで幾許もない状況だった。
それでだ、英雄はその状況を見て言った。
「間に合ったな、だが」
「かなりまずいね」
桜子もその城の状況を見て言った。
「城にいたのは千人もいなくてね」
「それで五万の大軍に攻められるとな」
「どうしてもね」
「普通は攻め落とされる」
「実際あたし達があと一日でも遅れていたら」
その時はというのだ。
「もうね」
「城は落ちていたな」
「そうなっていたよ」
「そうだな、兵の士気が低いとな」
「間に合わなかったね」
「そうした状況だった、だが」
それでもとだ、英雄は桜子に話した。
「間に合ったことは間に合った」
「それならだね」
「ここでだ」
「攻めるね」
「そしてここでだ」
英雄は桜子にもこう話した。
「徹底的にだ」
「叩くね」
「そして敵の兵の数と勢いを徹底的に殺してな」
「以後の戦にだね」
「有利に立つ」
その様にするというのだ。
「ここはな」
「じゃあね」
「全軍攻撃開始だ」
英雄はもう決めていた、そのうえで支持を出した。そうしてだった。
彼は自ら馬を駆り敵に進み兵達も後に続いた、まだ城を攻めていた敵軍は彼等への応対が遅れた。それでだった。
英雄達の軍勢は敵にまずはだった。
駆けながら鉄砲を放った、峰夫はその兵達の采配を執りつつ英雄に語った。
「ここは」
「そうだ、まずはな」
「鉄砲でありますな」
「やはり最初はな」
「鉄砲でありますね」
「直接干戈を交えるよりな」
それよりもというのだ。
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