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レーヴァティン

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第百三十話 北九州攻めその五

「ここはな」
「では」
「いい機会だ、ここでだ」
「敵の主力を叩き」
「優勢に立つ、そしてだ」
「その勢いで」
「九州を攻めていく」
 さらにというのだ。
「それでいいな」
「では」
「全軍出陣だ」
 英雄はまた言った。
「岩屋城に向けてな」
「それでは」
「そして飯だが」
 英雄はこちらの話もした。
「馳走をだ」
「全軍がだね」
「食うことだ、美味いものをな」
「士気を揚げる為に」
「もつ鍋もいいしだ」
 英雄はまずはこの鍋の名を出した。
「ラーメンもいい」
「ここのラーメンは豚骨だったね」
 桜子は英雄がラーメンと言ったところですぐに反応した。
「そういえば」
「そうだ、博多ラーメンだ」
「この世界でもあるしね」
「水戸にもラーメンがあったが」
「あれは美味しかったんだったね」
「実にな、そしてな」
「この博多にもあって」
 桜子はさらに話した。
「ラーメンはラーメンでも」
「水戸のものとはまた違い」
「豚骨でだ」
 スープはそれで、というのだ。白いそのスープだと。
「細い麺のな」
「あのラーメンだね」
「薬味に生姜を入れたな」
「それも出すんだね」
「明太子もある」
 こちらもというのだ。
「そうしたものをたらふく食ってな」
「英気を養って」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「岩屋城でな」
「敵に勝つね」
「それも敵軍を徹底的に叩いてな」
 そうした形でというのだ。
「勝つ」
「それじゃあ」
「今からだ」
 まさにと言うのだった。
「出陣の用意だ」
「美味いものも用意して」
「そのうえでな」
 こう言ってだった、英雄は守りの兵を置いたうえで主力に岩屋城を攻めることを決めた。そうしてだった。
 用意が出来次第大軍を率いて岩屋城に向かって進軍を開始した、その朝に彼は山芋で飯を食っていたが。
 その飯は麦飯で英雄はこんなことを言った。
「美味いな」
「麦飯といいますと」
 智がここで言ってきた。
「どうしても」
「粗末な印象があるな」
「粗食だと」
「貧乏人は麦飯を食え」
「そういった言葉もあったでござる」
 ある政治家が言ったとか言わなかったとか言われている。
 
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