レーヴァティン
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第百二十九話 博多から福岡へその五
「しかしたい」
「今はないな」
「あったとしても一時期で」
「ずっとなかったな」
「そうたい、しかし」
「この世界ではな」
「あるとよ」
その天守閣がというのだ。
「それでたい」
「そこから離れた場所まで見てな」
「対策を立てて来るたい」
つまり対応してくるというのだ。
「あの城は」
「だとするとな」
「用心して攻めることたい」
「空船を使うことも」
自分達にとって切り札であり高価なものであるそれもとだ、英雄は言った。
「考えるか」
「あれをたいか」
「そうだ、使ってだ」
「攻めるたいか」
「そうも思ったが」
「そうたいな」
双葉は英雄のその考えを聞いて考える顔になって述べた。
「それも一つの手たいが」
「それでもか」
「そこまではたい」
「思わないか」
「福岡城は確かに堅固たいが」
「多くの櫓に天守閣がありだな」
「そうたいが」
このことは事実だが、というのだ。
「空船はうち等も数える程しかないものたい」
「鉄甲船より高くついた」
買いそして製造するにはだ、今やこの浮島においてかなりの勢力を誇る英雄達ですらそうだったのだ。
「あれはな」
「だからたい」
「今はか」
「そこまではいかんと」
「そう思うか」
「だからだ」
「術の防壁もあると思うたいが」
結界によるそれがというのだ。
「それでもたい」
「今はか」
「そうしたもので攻めてたい」
「攻め落とすべきか」
「それに」
ここで双葉は英雄自身を見てこうも言った。
「うち尚の神の道具もあるたい」
「それもあるか」
「考え様によっては空船より遥かに強かとよ」
「だからか」
「そうしたものを使ってたい」
「そうしてか」
「戦っていってはどうたい」
これが紅葉の考えだった。
「どうしてもというなら」
「そうか、どちらにしろか」
「空船は今は温存しておくとよ、攻めるよりも」
「上からの物見だな」
「上から見るとたい」
そうすればというのだ。
「ほんまに丸見えとよ」
「実際にこれまでそうして使ってきたしな」
「だからたい」
それでというのだ。
「今はたい」
「空船よりも他の攻め方だな」
「それでいいとよ」
「わかった、だが神の武器を使うとな」
「力を制御せんとたいな」
「やり過ぎる、魔物を倒すのならともかく」
「軍勢と軍勢の戦だからと言うとよ」
双葉は英雄のこの言葉を察して応えた。
「ここは」
「それだ、倒した兵は蘇らせて兵に加えられても」
神の武器の圧倒的な力で倒してもというのだ。
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