恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第七十七話 ビリー、丈に挑みかかるのことその六
「いるだとって思ってたけれどな」
「ああ、こうしてな」
「気付いたらこっちの世界にいたんだよ」
「その辺り俺と同じだな」
丈にしてもだ。実はそうなのだった。
そして今度はだ。そのことを話すのだった。
「何で俺達こっちの世界にいるんだ?」
「それだな。俺も全くわからねえ」
「俺もだ」
ビッグベアもホア=ジャイも言うのだった。
「楽しい世界だけれどな」
「食い物は一杯あるけれどな」
「その食べ物ですけれど」
ジェイフンがその食べ物のことを話した。
「妙におかしいですよね」
「焼肉とかチヂミとか食えるってことだよな」
「はい、この時代は中国の三国時代です」
兄に対して話すジェイフンだった。
「ですが普通に食べられますし」
「炒飯とかな。唐辛子使った料理とかな」
「明らかに僕達の知っている三国時代ではないです」
それは間違いないというのだ。
「そのことが気になりますね」
「いや、それ以上にやっぱりな」
「はい、どうして僕達がこの世界に来ているかですね」
「しかも皆いるしな」
ドンファンが見てもだった。その数はかなりのものだった。
「何かおかしなことだらけだからな」
「はい、一番の謎は何故僕達がこの世界にいるのか」
「というか戻れるのかよ」
ホア=ジャイはこのことを言った。
「元の世界にな」
「どうでしょうか」
それはだ。わからないと答えるしかないジェイフンだった。
「それはどうも」
「わからないな」
ビッグベアが難しい顔で言った。
「そう言うしかないな」
「すいません」
「謝らなくていいさ」
それはいいというのだった。
「何しろどうしてここに来たのか自体がわからないからな」
「そうなりますね」
「まあ色々な奴がいて賑やかだけれどな」
丈はこのことを話した。
「とりあえずはそれを楽しむか」
「そうするか。ってそう簡単に考えていいのか?」
「あれこれ難しく考えたって仕方ないだろ」
ホア=ジャイに返すその言い方はまさに丈だった。
「だからな。このままな」
「やってくか」
「そうしようぜ」
結局そこに行き着く彼等だった。そうしてだ。
陣の中央においてはだ。リチャードとボブがだった。
ダンスを踊っていた。リチャードはギターを鳴らしボブが踊っている。それはサンバだった。兵達はそのダンスを見て言うのだった。
「へえ、それが異界のダンスか」
「いい感じだな」
「派手でな」
「ああいうのもいいよな」
「だよな」
こうだ。各勢力の兵達が仲良く言うのだった。
「最初は何するだって思ったけれどな」
「へえ、面白いじゃないか」
「俺達も踊りたくなってきたぜ」
「そうですか?」
ボブが踊りながらだ。彼等に笑顔で言うのだった。
「皆さんも踊りたくなったんですね」
「そうだな。それじゃあな」
「俺達もよかったらな」
「一緒に踊っていいか?」
こう実際に申し出る彼等だった。こうしてだった。
彼等も実際にボブと一緒にサンバを踊ってみる。それはだ。
「うん、実際にするとな」
「難しいな」
「ええと、ここをこうやって?」
「こうするのかよ」
「はい、こうです」
ボブは頭を軸に足を大きく開いて回転しながら話す。両手は組んでいる。つまり頭で回転してみせているのである。
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