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レーヴァティン

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第百二十八話 博多からその八

「また蘇を食おう」
「そうするっちゃな」
「元々チーズも好きだしな」
 これは起きた世界でのことだ、英雄はチーズも好きでワインを飲む時はよく食べて楽しんでいるのだ。
「だからな」
「それでっちゃな」
「また食いたい、だが日本の料理も時代によってな」
「随分変わってるっちゃな」
「奈良時代はそうしたものでな」
 この世界の奈良で食べられるものでというのだ。
「江戸時代の料理もな」
「あるっちゃな」
「俺達が思う和食はその時代の料理だが」 
 江戸時代のというのだ。
「しかしだ」
「日本の料理も時代によって違うっちゃ」
「まさにな」
「明治時代になると」
 幸正も言ってきた。
「洋食も入るからな」
「あれもだな」
「あれも美味いしな」
「定着したな、我が国に」
「美味いしな」
「洋食もな」
「本来のあちらの料理とは違うが」
 カレーライスにしてもハンバーグにしても豚カツにしてもだ、洋食は欧州の人達から見ると日本料理の一つのジャンルであり自分達の料理ではない。
「それでもな」
「美味くな」
「そしてだ」
「我が国に定着した」
「そうなったな」
「そしてこちらもいいな」
「起きた世界ではな」
 そこではとだ、幸正は飲みつつ話した。
「よく食っている」
「好きなメニューは何だ」
「海老フライだ」
 幸正は英雄に一言で答えた。
「こちらだ」
「それか」
「あとコロッケも好きだ」
 こちらもというのだ。
「我はな」
「そうだな、しかし」
「この世界ではないからな」
「西の浮島にはそうした料理はあるが」
 それでもというのだ。
「洋食とは違っても」
「ああした料理はだな」
「この浮島にはない」
 どうしてもというのだ。
「残念だがな」
「だから起きた世界でだ」
「そうした料理は楽しんでいるか」
「そうしている、そしてこの浮島ではな」
 この世界ではというのだ。
「和食を楽しんでいる」
「この世界はこの世界でだな」
「そうしている、その世界にあるものを楽しむ」
 幸正は日本酒、清酒のそれを飲みつつ述べた。
「今もな」
「そうだな」
「そしてだが」
 幸正はさらに言った。
「今夜は飲むか」
「二日酔いにはなるな」
 飲んでもとだ、英雄はそこは中尉した。
「明日は出陣だ」
「だからだな」
「二日酔いでは采配に支障が出る」
「それはわかっている」
 幸正にしてもだった。
「よくな」
「ではだ」
「わかっている、酒は飲むが」
「飲み過ぎないな」
「程々で止めてな」
「そうしてな」
「明日は戦う」
 英雄に確かな声で言葉を返した、そうして今は酒を飲んだ。そして料理も酒も楽しんだその後でだった。 
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