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ヘタリア大帝国

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TURN25 アフリカ戦線その三

「ではです」
「ではって?」
「あの、息が苦しいので」
 胸に埋もれているせいだ。ムッチリーニのその豊かな胸に。
「できれば」
「えっ、苦しいって」
「とにかくです」
 レーティアは言う。苦しいその中で。
「あの、今はですね」
「どうしたの?本当に」
「息が苦しいですから」
 また言うレーティアだった。
「少し離れて下さい」
「あっ、それじゃあ」
「とにかくです。ここに来られたのなら」
 レーティアは素早く政治の話に移った。ムッチリーニが来ているその機会を見逃さなかったのだ。
 それですぐにその話に入る。レーティアはこうムッチリーニに話した。
「両国の経済関係ですが」
「通商条約を結んでるわよね」
「そちらさえよければです」
 こう前置きしてから話すレーティアだった。
「通貨同盟を結びませんか」
「そうね。それじゃあね」
「はい、それに両国の交流をより活発化させましょう」
「観光旅行もよね」
「今は戦争中ですが戦後はです」 
 何気にイタリンにも行きたいレーティアだった。
「お互いの国境も緩やかにしていきましょう」
「そうしましょう。それじゃあね」
「はい、では」
 二人は和気藹々として経済や交流の話をした。そのレーティアを見てだ。
 グレシアは何故から。にんまりとしてこうイタリアに言うのだった。
「ねえイタちゃん」
「あっグレシアさんどうしたの?」
「今のレーティアもいいよね」
「そうだね。何かね」
 イタリアもグレシアのその言葉に頷く。
「いい感じだよね」
「姉と妹って感じでね」
 まさにそのままだった。
「いい感じね」
「ううん、総帥が最初にファンシズムを出したけれどね」
「ムッチリーニさんがお姉さんでね」
「それでレーティアさんがだよね」
「そう、妹なのよ」
「何かレーティアさん総帥に抱き締められて困ってたけれど」
「それがまたいいのよ」 
 そのにんまりとした顔での言葉だ。
「困ってる感じのレーティアもまたね」
「ひょっとしてグレシアさんって」
「何かしら」
「あっちの気があるとか?」
「百合?」
「それかエスとか」
「うふふ、どうかしらね」
 今度は目を輝かせて言うグレシアだった。
「けれどああした困ってるレーティアを見るのもいいわね」
「それってやっぱり」
「あの娘を見出したのは私だから」
 このことはまさにその通りだった。レーティアの政治家として、そしてアイドルとしての天才的な資質を見出したのは他ならぬグレシアだったのだ。 
 そしてそれ故にだ。グレシアはレーティアをこう言うのだった。
「人類史上最大の天才でしかもよ」
「宇宙一の美少女なんだね」
「こんなチートな娘いないでしょ」
「何か凄いね。確かに俺もレーティアさん嫌いじゃないけれど」
 むしろ好きな方だ。やはりイタリアは女の子が好きだ。
 だがその彼をもってしてもだ。グレシアはというと。
 
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