ヘタリア大帝国
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TURN24 バトルオブエイリスその八
「潜水艦も使っているが」
「数が足りないわね」
「エルミーがいない」
彼女は日本に送った。だからだった。
「高速機動部隊も今送ったからな」
「どうしたものかしら、ここは」
「何とか持ち堪えるしかない」
今度はレーティアがこう言う番だった。
「そうする」
「わかったわ。ただ」
「陣形に綻びが生じてきたな」
ドクツ軍にだ。それがだった。
「そして数では最初から劣勢だ」
「まずいわね、本当に」
レーティアもグレシアも危惧を感じていたその時だ。セーラは自ら前線に立ちそのうえで戦っていた。そして彼女のその姿を見てだ。
エイリス軍の士気がさらにあがっていた。勝機が見えてきたこともそれをあげていた。
「女王陛下と共に!」
「勝利を!」
こう叫びながらビームを、ミサイルを放つ。
そして何よりも航空機を。エルザはその航空機の動きを見ながらイギリス妹に言った。
「ドクツ軍は航空母艦を持っていないのね」
「そうですね。開発も製造も行っていない様です」
「レーティア=アドルフは空母は好きではないのかしら」
「そうかも知れませんね」
イギリス妹も言う。
「むしろ。ビームやミサイルに重点を見て」
「航空機にはなのね」
「ではないでしょうか」
「誰にも嗜好があるからね」
「彼女の場合はですか」
「そうかも知れないわね」
空母、ひいては航空機を使わないというのだ。
「けれどそれならそれでね」
「はい、こちらは航空機を使えばいいですね」
「そうしましょう」
こうイギリス妹と話してだ。エルザは航空母艦から航空機をここぞとばかりに放った。それで空からの攻撃手段も護りもないドクツ軍を攻めた。
それでドクツ軍はさらに損害を受けた。それを見てだ。
ロレンスは己の乗艦、騎士提督のその専用艦からだ。こう言った。
「今だ、全艦私に続け!」
「突撃ですか」
「今こそ」
「敵陣を一気に切り裂く!」
その為にだ。突撃を行うというのだ。
「そして戦局を決める。わかったな」
「了解です、それでは!」
「今ここで!」
「エクスカリバー発動!」
ロレンスはその腰にある剣を抜いた。そしてだ。
その剣を前に突き出し今高らかに叫んだ。
「エイリスに勝利を!」
ロレンスの艦隊が綻びを出しはじめ航空機の攻撃でダメージを受けていたドクツ軍に斬り込んだ。そして一気にドクツ軍のその陣を突破した。
それを見てだ。セーラも負傷しながらも玉座から立ち上がり言った。
「全軍総攻撃!今こそ好機です!」
「ああ、行くか!」
イギリスが最初に応えそのうえでだ。
エイリス軍はロレンスの突撃で穴ができたドクツ軍を一気に攻めた。しかしだ。
ドクツ軍はそれでも陣形を守っていた。彼等もしぶとかった。
だがここでだ。レーティアは言うのだった。
「これ以上の戦闘は無理だ」
「撤退するの?」
「そうだ。無念だがな」
実際に苦々しい顔でだ。レーティアがグレシアに答えた。
「海驢作戦は一時中止だ。撤退する」
「そう。それじゃあね」
「無念だ。だが仕方がない」
苦渋に満ちた顔だがそれでもだった。
レーティアはこの判断を下した。そうしてだった。
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