ティギーおばさんのお話Ⅱ
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第三章
おばさんはそのチーズをすぐに手に取って包みを開いてでした。食べはじめました。そうしてチーズを食べながらご主人に言いました。
「今回は許してあげるわね」
「いや、たまたまね」
ご主人はまた奥さんに言います。そうしながら奥さんの隣の席に座って自分で紅茶をカップの中に淹れます。
そして紅茶を一口飲んでです、また言うのでした。
「安かったから」
「それで買ってきただけなの」
「奥さんが好きだしね、子供達の分もあるよ」
「あの子達の分も買ってきてくれたの」
「そうだよ、家族だからね」
このことは当然だというのです。
「買ってきたよ」
「そうしたのね」
「僕の分も買ったしね」
「じゃあ皆で食べられるわね」
「そうだよ、後で皆でも食べようね」
「それじゃあね」
おばさんは笑顔で応えました。
「今はもう食べるのを止めて」
「後でだね」
「皆で食べるわ」
「晩ご飯の時にでもね」
「そうしましょう」
「あとお餅だけれど」
お父さんはそちらのお話もしました。
「ついたのは君だし」
「どうしたの?」
「まだこねてないよね」
「そのまま置いて後で切るつもりだけれど」
「ああ、切ると石みたいに硬いから」
「その硬さがいいんじゃない」
「いや、それはね」
ご主人は自分の奥さんに答えました。
「あまりにも硬くて包丁傷めるから」
「切るのに使ったら」
「だから駄目だよ、今のうちに粉をつけて小さくこねた方がいいよ」
「それじゃあ」
「いや、奥さんがついたから」
それでというのです。
「僕がこねるよ」
「そうしてくれるの」
「そうだよ、だから奥さんはね」
「休んでいていいのね」
「そうしていてね」
「じゃあね」
「うん、一杯飲んですぐにこねるよ」
こう言って実際にでした、ご主人は紅茶を一杯飲んでからお餅をこねました、そうして家族皆で彫弩よい大きさで硬くなったお餅を食べて美味しい思いをしました。
ティギーおばさんのお話 完
2019・6・2
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