英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
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第46話
味方であるはずの第三機甲師団の奇襲を受けた第四機甲師団は完全に虚をつかれてしまった為、戦いは最初から第三機甲師団が第四機甲師団を圧していた。
~東ケルディック街道~
「ぐあっ!?」
「ががっ!?」
「くっ…………血迷ったか、第三機甲師団!」
「何故味方であるはずの俺達に攻撃を…………っ!」
「ゼクス中将閣下は何を考えておられるのだ…………っ!?」
第三機甲師団の戦車の怒涛の砲撃を受けた第四機甲師団の戦車は次々と撃破されて行き、砲撃や砲撃の余波を受けた歩兵部隊の第四機甲師団の軍人達は絶命したり、痛みに苦しみながら第三機甲師団の突然の裏切りに困惑していた。
~第四機甲師団・臨時拠点~
「味方である我らへの突然の攻撃…………これは一体何の真似だ、ゼクス中将!!直ちに攻撃を止めさせろ!」
一方その頃、クレイグ中将はゼクス中将に通信をして攻撃の停止を要求していた。
「――――――我ら”第三”はエレボニアを正す為に独裁者ギリアス・オズボーン率いる帝国政府に反旗を翻す事にした為、民達を苦しめ続ける帝国政府の指示に従う”第四”のその要請には応える事はできない。」
「な…………血迷ったか、ゼクス中将!我ら正規軍はエレボニアを侵略者から守る為の存在!確かに今回の帝国政府の人道から外れた命令は儂も本意ではないが、これもエレボニアをメンフィル・クロスベル連合の侵略から守る為の策!そして正規軍は如何なる命令であろうと帝国政府の指示に従うのが軍規だ!それを否定し、あまつさえヴァイスラント決起軍のように正規軍である貴殿らが祖国や皇帝陛下達に刃を向ければ、帝国は更に混乱に陥り、一致団結して侵略者の魔の手からエレボニアを守れなくなるのだぞ!?」
ゼクス中将の信じ難い答えに一瞬絶句したクレイグ中将は厳しい表情で反論したが
「――――――クレイグ中将。貴殿はアルフィン皇女殿下が今どこで何をされているか、そして”灰色の騎士”は何の為にかつてはトールズ士官学院生であったにも関わらず、メンフィル帝国軍の軍人として今回の戦争に参加した理由を知っているか?」
「何…………?何故そこで行方不明中のアルフィン皇女殿下とリィンが話に出てくる…………?――――――!まさか…………貴殿らの裏切りにアルフィン皇女殿下やリィンが関係しているのか!?」
ゼクス中将の問いかけに困惑した後ある事に気づいて血相を変えて声を上げた。
「アルフィン皇女殿下は現在メンフィル・クロスベル連合の元におられる。内戦で皇女殿下が潜伏していたメンフィル帝国領であるユミルが貴族連合軍に襲撃された件に対するご自身の責任を取る為に”全て”を捨てられてメンフィル帝国へと向かい、エレボニアを救う為に今回の戦争に参加した”灰色の騎士”の志を知った後、祖国を救う為に、そして”元エレボニア皇女としての最後の義務”を果たす為にも皇女殿下は”灰色の騎士”と共にギリアス・オズボーン率いる帝国政府打倒の為にもエレボニアに刃を向けたとの事だ。」
「なあ…………っ!?」
「シュバルツァー…………」
ゼクス中将から語られた驚愕の事実にクレイグ中将は絶句し、クレイグ中将の傍で通信を聞いていたナイトハルト少佐は複雑そうな表情でリィンを思い浮かべた。
「そして先程皇女殿下は通信でこう問いかけられた――――――『12年前に起こした”ハーメル”に飽き足らず、自国を繁栄させる為に”第二のハーメル”を起こそうとし、大恩ある友好国には仇で返し、そして今こうして自国の民達を苦しめている帝国政府の判断は正しいのでしょうか?』と。」
「それは……………………」
「だからこそ我らは決意した。祖国が衰退か滅亡する事を理解していてもなお、エレボニアを正す為に自らの手をエレボニアの兵達の血で染めた皇女殿下の為に…………そして本来はエレボニアの為にそこまでする義理がない上エレボニアの内戦が原因で故郷が、両親が傷つけられたにも関わらず、今もエレボニアの為に剣を振るう灰色の騎士の為にもギリアス・オズボーン率いる帝国政府は打倒する事を。――――――”第三”の攻撃を止めて欲しければ直ちにクロイツェン州の民達から強奪した物資をその場で置いていき、拉致した徴兵予定の男達を解放して大人しくクロイツェン州から撤退せよ。――――――それが攻撃を止める条件だ。」
クレイグ中将に条件を伝え終えたゼクス中将は通信を切った。
「ゼクス中将の考えも理解できるが、それでも…………それでも帝国政府の指示に従い、侵略者からエレボニアを守る事が我ら正規軍の役目だろう…………っ!ましてや先日のクロスベルでのヴァイスハイト皇帝達による演説のせいで、宰相閣下が提唱した『国家総動員法』がいきなり陰りを見せ、ヴァイスラント決起軍の存在のせいでエレボニアを侵略者の手から守る為に革新派も貴族派も一致団結しなければならないこの状況でそれが不可能となっている状況に加えて、正規軍自らが帝国政府に反旗を翻せば領邦軍どころか、他の正規軍まで帝国政府に反旗を翻す事でエレボニア帝国全土が内戦の時よりも遥かに酷い紛争地帯に発展してしまう恐れがある事がわからないのか…………っ!」
「中将閣下…………」
ゼクス中将が通信を切った後辛そうな表情で唇を噛み締めて両腕の拳を握りしめて身体を震わせているクレイグ中将の様子をナイトハルト少佐が心配そうな表情で見守っていたその時、二人の軍人が慌てた様子で二人に近づいて報告した。
「ほ、報告!ケルディックの民達が暴動を起こし、ケルディック内にいる兵達に攻撃を開始しました!なお、暴徒の中には第四機甲師団の者達も混じっているとの事!」
「ほ、報告!”双龍橋”方面よりメンフィル帝国軍に所属している者達が現れ、我が軍に攻撃を開始しました!その数――――――20人弱と幻獣らしき大型の魔獣、そして”灰の騎神”と銀色の”騎神”らしき機体との事!なお、襲撃者の中には”英雄王”、”空の覇者”、”戦妃”の姿もあったとの事!」
「「な――――――」」
そして二人の軍人の口から報告された信じ難い二つの報告にクレイグ中将とナイトハルト少佐は絶句した。
~ケルディック~
「ぐあっ!?」
「がっ!?」
「くっ…………落ち着け!お前達は今自分達が何をしているのか理解しているのか!?」
「隊長、発砲許可を!このままでは我らは…………っ!」
「ならん!『決して民達に危害を加えるな』という中将閣下の命は未だ変更されていないのだから、中将閣下から新たな命令があるまで発砲してはならん!」
ケルディックで物資や男達を徴収していた軍人達はそれぞれの手に武器になるものを手にしたケルディックの民達の突然の襲撃によって怯み
「ふざけるな!内戦では領邦軍が町を焼き、メンフィル・クロスベル連合との戦争ではようやく復興を始めたケルディック(この町)から物資や食料どころか、男手まで奪うなんて、エレボニアは俺達を何だと思っているんだ!?」
「もう、我慢できないわ!何が『国家総動員法』よ!?何が大義ある戦争よ!?私達の生活を考えない帝国政府なんて、貴族連合軍と同じようなものよ!」
対するケルディックの民達はそれぞれ”呪い”による瘴気を纏わせ、憎悪の表情を浮かべて軍人達を睨んでいた。
「みんな、朗報だ!メンフィル・クロスベル連合が双龍橋を制圧して、ケルディックに向かってきているらしいぞ!」
「メンフィルは”百日戦役”で占領した町をエレボニアの時よりも住みやすくしてくれたんだから、少なくても帝国政府よりはよっぽどマシな連中だ!」
「それにメンフィル・クロスベル連合にはケルディックの焼き討ちを指示したアルバレア公を捕えたあの”灰色の騎士”もいるそうだぞ!」
「なっ!?貴様ら何故メンフィル・クロスベル連合の動きを…………――――――!まさか貴様ら、メンフィル・クロスベル連合の手の者か…………っ!」
そこにケルディックに一般人として潜伏していたメンフィル帝国軍の諜報関係者が緊急通信で予め受けた指示――――――『万が一ケルディックの民達が暴動を起こした際は、民達を更に煽る』という指示を実行して、ケルディックの民達を更に煽り、それを見て煽っている人物達が何者であるかを察した軍人は厳しい表情を浮かべた。
「がふっ!?」
「ぐあっ!?」
するとその時軍人達の一部が味方であるはずの軍人達を銃撃して絶命させ
「なっ!?お前達、何で味方である俺達に攻撃を…………!?」
「俺は元々ケルディック(この町)の出身で、故郷を守る為に軍に入隊したのに、その故郷にこんな仕打ちをするお前達は俺の敵だ!」
「私は中将閣下に失望した!正規軍はエレボニアを、民達を守る為の誇り高き存在!それを自分達の手で最大限に汚し、貴族連合軍よりも外道な事をするくらいならば、ヴァイスラント決起軍に寝返った方がよっぽどマシだ!」
味方であるはずの軍人達を攻撃した軍人達はケルディックの民達同様、”呪い”による瘴気を纏った軍人達は自分達にとっての敵であり、かつては仲間であった軍人達を睨んでいた。
「俺達ノ町ヲ守ル為ニ敵は殺セ…………」
「帝国政府ハ私達ノ敵ヨ…………!」
「帝国政府ノ言イナリノ正規軍ヲ殺セ――――――ッ!」
そして呪いの瘴気を纏ったケルディックの民達や軍人達は正規軍に襲い掛かり
「う、うわああああああっ!?」
「た、隊長、迎撃許可を…………!」
「くっ…………止むを得ん…………!ただし、民達もそうだが血迷った仲間達の命は決して奪わないように気絶に留めるのだ!お前は中将閣下のこのことを伝え、指示を仰いでくれ!」
「ハッ!」
襲い掛かれた軍人達は迎撃態勢を取り、暴徒と化したケルディックの民達や自分達の仲間であった正規軍の軍人達との戦闘を開始した。
~東ケルディック街道~
「ええい、何をしている!?敵は少数の上、メンフィルの総大将や上層部を討ち取り、メンフィル・クロスベル連合に大打撃を与える好機なんだぞ!?」
「そ、そうは言っても…………!」
「戦車どころか機甲兵を生身で蹂躙するとか、何なんだよあの連中は…………!?」
「ば、化物…………!」
一方リウイ達の襲撃に対して迎撃の指揮をしていた部隊長の言葉に対して軍人達は恐怖の表情でリウイ達を見つめた。
「吹き飛べ――――――ウィンディング!!」
「いくわよ~♪――――――五段斬り!!」
「我が連接剣、とくと味わいなさい!」
「バ、バカな…………生身で”ヘクトル”を――――――うああああああっ!?」
「ぎゃあああああっ!?」
「がふっ!?」
リウイの紅き魔剣に嵐を纏わせた魔法剣は機甲兵の中でも”ゴライアス”に次ぐ重量級であるヘクトルを吹き飛ばすと共に操縦席にいる軍人を魔法剣を放った際に発生した無数の風の刃で切り裂いて絶命させ、カーリアンは剣技でドラッケンごと操縦席にいる軍人をバラバラにして絶命させ、ファーミシルスは連接剣を伸ばしてシュピーゲルの操縦席にいる軍人の胸を貫いて絶命させ
「――――――我が呼びかけに応え、空より来たれ――――――大隕石召喚!!」
「アーライナ様、我らの敵に裁きの神炎を――――――メル=ステリナル!!」
後方で魔術を発動したエクリアは空より無数の巨大な隕石を降らせて戦車や機甲兵を圧し潰し、ペテレーネは最高位の火炎魔術を発動させて戦車や機甲兵ごと軍人達を焼き尽くして絶命させた。
「ハハハハッ!脆い!脆すぎるぞ!我を楽しませる為に、もっと必死になるがいい!」
「アハハハッ!機甲兵だろうと戦車だろうとそんなガラクタを使えば、私達メンフィルに対抗できると思っている時点で大間違いよ!」
「キャハハハハッ!み~んな、残らず殺してあげる!」
「うふふ、プライドをボロボロにされた以前のクロスベルでの合同演習なんて”よっぽどマシ”と思う程のメンフィルの”力”、とくと味わいなさい♪」
「ぎゃあああああっ!?」
「ぐぎゃあああああっ!?」
それぞれ飛行手段を持つディアーネ、セオビット、エヴリーヌ、レンは縦横無尽に飛び回って多くの軍人達を殺害し、4人が通り過ぎた後には大地を自分達の血で真っ赤に染めた軍人達の遺体が倒れていた。
「フハハハハハ――――――ッ!自らの手で民を苦しめる”焦土作戦”という愚行を行った貴様らのその愚かさ、余が裁いてやろう――――――ルン=アウエラ!!」
「うあああああああああっ!?」
リフィアは魔術師でありながら、後方にいるペテレーネやエクリアと違い、自ら最前線に出て最高位の純粋属性魔術を放って機甲兵や戦車達ごと軍人達を滅し
「クソ――――――ッ!よくも仲間を…………!」
「この化物が――――――ッ!」
それを見た機甲兵を操縦する軍人達が左右からリフィアに襲い掛かった。
「下がれ――――――この御方は貴様らのような下郎如きが近づいていい御方ではない――――――断臥昇天!!」
「そして殿下へのその不敬な発言、自らの死を以て償いなさい――――――旋月槍!!」
「な…………あ……………………っ!?」
「がふっ!?」
しかしリフィアの傍でリフィアを守るゼルギウスは機甲兵を一刀両断し、ゼルギウスのようにぺガサスを駆ってリフィアに近づく敵を警戒していたシグルーンはペガサスと共に凄まじい速さで襲い掛かって薙ぎ払いを放って操縦席にいる軍人ごと機甲兵のヘッドを一閃してそれぞれ軍人達を絶命させた。
「クソ――――――ッ!何で当たらないんだ!?」
「何なんだよ、奴等は!?」
プリネ達を砲撃していた戦車達だったが、それぞれ超人的な身体能力があるプリネ達には襲い掛かる砲弾が見えていた為易々と回避しながら戦車達との距離を一気に詰めて技を放った。
「剣よ、舞いなさい――――――月影剣舞!!」
「神速!鳳凰剣舞!!」
「我が剣は夢幻の如し!!」
「ぐああああああっ!?」
「があああああああっ!?」
プリネとツーヤは舞うような動きで、レーヴェは流れるような動きによる乱舞技でそれぞれ戦車を破壊して戦車の中にいる軍人達を絶命させた。
「超!ねこパ~ンチ!!」
「ガッ!?」
一方プリネ達の近くで戦っているペルルは強烈な打撃をドラッケンに叩き込んでドラッケンを怯ませ
「――――――!」
「ぁ――――――」
その隙を逃さないパラスケヴァスは機甲兵と同等の大きさである自分の身体に見合う巨大な槌を振り下ろしてドラッケンを粉砕し、操縦席にいる軍人を無残な姿で絶命させ
「我が美しき魔力、その身に刻む事を光栄に思うがいい――――――タキオンの爆発!!」
「精霊女王であるこの私に裁かれる事を光栄に思いなさい――――――タキオンの爆発!!」
「「ぐぎゃあああああああっ!?」」
アムドシアスとフィニリィはそれぞれヘクトルやシュピーゲルに、対象を中心に魔力爆発を起こす高位純粋属性魔術を放って機甲兵達と操縦席にいる軍人達を抹殺した。
「下がれ―――弧月一閃!!」
「喰らうがいい――――――アルティウムセイバー!!」
「ぐああああああっ!?」
「がああああああっ!?」
ヴァリマールとアルグレオンはそれぞれのクラフトで機甲兵達を一閃して操縦席にいる軍人達も絶命させ
「くっ…………血迷ったか、”灰色の騎士”!」
「エリオット坊ちゃんの同期生であり、そしてトールズの士官学生でもある貴様が何故坊ちゃんや”Ⅶ組”を裏切ってこのような所業を…………!」
「しかも”騎神”らしき機体がもう一体メンフィルにいるとか、一体どうなっているんだ!?」
「我ら正規軍が守るエレボニアに侵略者になったのであれば、例えエリオット坊ちゃんの同期生であろうと容赦はせん!撃て――――――ッ!」
その様子を見ていた戦車を操縦する軍人達は内戦では味方であるはずだったリィンの裏切りや新たな”騎神”であるアルグレオンの登場という様々な出来事で戸惑っていたがすぐに切り替えて砲口をヴァリマールやアルグレオンに向けた。
「骨まで焼き尽くしてあげる――――――メル=ステリナル。」
「「「「ぐぎゃああああああああああああああああっ!?」」」」
するとその時女性の声が戦場に響いた後ヴァリマールとアルグレオンに砲口を向けていた戦車達が突如発生した最高位の火炎魔術による業火に呑み込まれ、炎が消えるとそこには業火によってドロドロに溶かされた戦車の成れの果てと骨まで焼き尽くされて”灰”と化した絶命した軍人達が現れた後、所々に起こっている戦闘の衝撃によって灰となった絶命した軍人達は跡形もなくなった。
「なっ!?一体何が起こったのだ!?」
「耐火もされている戦車を溶かすなんて、何なんだよ、あの炎は!?」
「炎が発生する前に女の声が聞こえたが…………まさかあれが異世界の”魔術”とやらか!?」
それを見たまだ無事な戦車や機甲兵を操縦する軍人達は驚いていた。するとその時軍人達の前に転位魔術によってベルフェゴール達が現れ
「な、何なんだ貴様らは!?」
「何もないところに突然人が…………!?」
「まさか先程の炎は貴様らの仕業か!?」
ベルフェゴール達の登場に軍人達は驚いた後すぐにベルフェゴール達を睨んだ。
「特別実習や内戦でもリィン様とセレーネさんがお世話になったとはいえ、リィン様達が覚悟を決められた以上、私もリィン様達と共に貴方達を討つ覚悟を決めました。――――――どうかお覚悟を。」
「能天使ユリーシャ、我が女神と我が主の為にこれより正義を執行致します!」
「――――――これも私達の未来の為に必要な事。”慈悲”を司る女神として、せめてもの”慈悲”に一瞬で終わらせてあげるわ。」
「うふふ、アイドスは女神らしいセリフを言ったんだから、ここは空気を読んで”魔神”である私は”魔神らしいセリフ”を言うべきよね。――――――という訳で”虫ケラ如き”が私達に刃を向けた事による後悔、魂まで刻み込んであげるわ♪」
メサイア、ユリーシャ、アイドスはそれぞれ決意の表情で武装を構え、ベルフェゴールは不敵な笑みを浮かべて宣言した。
「くっ…………精強な帝国正規軍の中でも”最強”と名高い”第四”を舐めるな!総員、まずはあの女共を殲滅せよ――――――」
そしてベルフェゴールの宣言に唇を噛み締めた小隊長が指示を出したその時
「闇よ、切り裂け――――――斬闇!!」
「輝け、星の十字架――――――スタークロス!!」
「枢孔――――――身妖舞!!」
「え――――――」
「ぐああああああっ!?」
「な――――――」
メサイアは呪いの力を込めた魔法剣で戦車を一閃し、ユリーシャは上空より星の光による十字架を落として炸裂させて戦車を破壊し、アイドスは高速剣による無数の斬撃をヘクトルに叩き込んでヘクトルをバラバラにしてそれぞれ操縦する軍人達を一瞬で絶命させた!
「え。」
「消えなさい――――――レイ=ルーン。」
一瞬で自分の部下達が殺害された事に驚きのあまり小隊長が呆けた声を出して固まったその時ベルフェゴールが片手から極太の純粋属性の魔力集束エネルギーをシュピーゲルを操縦する小隊長へと放ち
「女神よ――――――」
それを見た小隊長が祈りの言葉を口にすると、ベルフェゴールが放ったエネルギーはシュピーゲルを飲み込み、エネルギーが消えるとボディと操縦席があるヘッドを操縦者である小隊長ごと消滅させられたシュピーゲルの腕や足が地面に落ちた。
少数相手に”軍”が蹂躙されるという”戦術の常識”を覆すメンフィルの”非常識な強さ”に第四機甲師団は蹂躙され続けた――――――
後書き
次回は久しぶりの一対一による騎神戦です。なお、ヴァリマールの相手となる騎神、もしくは機甲兵による騎神戦のBGMは閃シリーズの”The Decisive Collision”、”Blue Destination”、”七の相克 -EXCELLION KRIEG-”のどれかだと思ってください(もう、この時点で答えを言っているような気が(汗))
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