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渾沌の死

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第二章

「そうだろうか」
「そうだ、貴殿に会いに来た」
「共にこの世を治める者としてな」
「一体どういった者かしりたくてな」
「会いに来た」
「そうなのか、ではもてなさせてもらおう」
 それならとだ、渾沌は応えてだった。
 二人をふんだんにもてなした、それで二人は渾沌に言った。
「いや、ここまでもてなしてくれるとは」
「悪いな」
 酒に馳走を楽しんでだ、二人は渾沌に述べた。
「会いに来ただけだというのに」
「ここまでしてくれるとはな」
「まことに悪い」
「有り難い」
「何、ここに誰か来ることは稀だ」
 渾沌は二人に心から語った。
「だからいい、私も貴殿達が来てくれて嬉しい」
「だからもてなしてくれるのか」
「ここまでしてくれるのか」
「そうだ、また来てほしい」
 これが渾沌の返事だった、だが。
 二人は渾沌のもてなしに恩義を感じた、それで二人で話した。
「中帝はそう言うがな」
「篤くもてなしてくれたのは事実だ」
「このもてなしには報いないとな」
「それは当然のことだ」
「ではだ」
「ここはどうするかだ」
 こうしたことを話した、そしてだった。
 二人は渾沌へのおもてなしへのお礼は何かとすることをきめた、それは何かというと。
「心で見て聞いて嗅いでいるというが」
「そして話してくるが」
「直接ではない」
「それでは不便だろう」
「我々は直接見聞きして話している」
「そして食べている」
 そうしたことと比べると、というのだ。
「まことにだ」
「実に味気ない筈だ」
「では決まりだな」
「我等の返礼はな」
 こうしてだった、南帝と北帝は渾沌のもてなしへのお礼に何をするかを決めた。そうしてそのうえでだった。
 渾沌のところに行ってだ、二人で話した。
「もてなしへのお礼は当然のことだ」
「だから貴殿にお礼がしたい」
「是非共な」
「そうしたい」
「だから私は別に」
 渾沌はこう二人に返した。
「そうしたことは」
「いやいや、受け取ってくれ」
「我々もそれでは礼儀知らず、恩知らずになる」
「それはそれぞれの地を治める天帝としてよくない」
「だからここは頼む」
「そこまで言うのなら」
 それならとだ、渾沌も頷いた。そうして二人に答えた。
「私もそのお礼を受けよう」
「ではな」
「これからそうさせてもらう」
 こう話してだ、そしてだった。
 二人は早速だ、渾沌に宴のもてなしの返礼をした。それは何かというと。
 まずは片目だった、渾沌の顔にそれを入れて言った。
「どうだ、見えるか」
「よく見える」
「成程」
 その片目でものを直接見つつだ、渾沌は二人に答えた。
「これは直接見るということか」
「そうだ、どうだろうか」
「どんな感じだろうか」
「これは面白い、これまでも見ていたが」
 心でだ、そうしていたというのだ。
「だがこれもいい」
「気に入ってくれた様だな」
「それは何よりだ」
 二人も頷いた、それでだった。 
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