真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
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第9話 未来の覇王 後編
前書き
何人かの方に指摘を受けたので、それを参考に手直しをしてみました。
後、表現が変な部分があったので、自分なりに修正してみました。
秋蘭は無事、劉を招待することができたようね。
断られるかと思ったのだけど、案外、上手くいったわね。
招待を断られても、劉ヨウを追いかけて無理にでも会うつもりだったわ。
私に諦めるなんて言葉は存在しないのよ。
秋蘭の話では、劉ヨウ以外に、彼の祖父劉本が付いてきているらしい。
当初、劉本は私の招待を拒否したらしいのだけど、劉が強引に招待を受けてたそうだけど・・・。
劉ヨウがそこまでして、私の招待を受けたことが気になるわね。
祖父と母上の話をされても、私とは関係ないといったそうだし。
私の身の上を同情をしたとかなら許せないわね。
まあ、話せばわかることだわ。
秋蘭が劉ヨウ達を案内してきたようね。
「私が曹操と申します。劉本殿、劉ヨウ殿に置かれましては、突然の誘いにも関わらずにお応えいただき感謝の極みです」
「儂はこのような場所に来とうなどなかったわ!孫が行くと言う故、仕方なしじゃ!勘違いするでない!」
「曹操殿、お気悪くしないでください。お爺々様はちょっと虫の居所が悪いのです。それでは、気を取り直してあいさつさせていただきます。ご丁寧な挨拶いたみいります。こちらこそわざわざお招きいただいたこと感謝の極みです。ところで曹操殿、堅苦しい挨拶はこの辺にしませんか?」
劉ヨウは私に平然と話しかけてきた。
秋蘭から聞いていたが、彼の私への態度には、私を嘲笑する奴等から感じられるような嫌な感じは全くなかった。
「変わってらっしゃるのね、劉ヨウ殿」
つい、思っていることが口に出てしまった。
彼の祖父の態度が普通だと思うわ。
「私のこと気にならないのですか?」
「何がです?」
本当に何も思っていないのかしら。
まあ、いいわ。
「劉本殿、劉ヨウ殿、食事を用意いたしましたので、口に合うかわかりませんが、ご一緒にいかがでしょうか?」
「どんな食事か楽しみです。」
劉ヨウは本当に喜んでいる顔を見ていると、考えるのが馬鹿らしくなったわ。
彼の人となりは良くわかったわ。
「本当、変わっているわね」
私は、誰にも聞こえないように呟いていた。
あの後、私が気軽に話そうといったら、曹操も堅苦しかったのか受けてくれました。
それでも口調が若干固めでしたけど。
「どうですお口に合いましたか?」
曹操が私に聞いてきた。
「うん、おいしいです」
「そう、その割には簡素な返事のような気がするのですけど・・・」
「気にしなくていいですよ。私はあまり感情表現豊かな方じゃないから」
「そうなのですか?」
「うん!」
「劉ヨウ殿、歳はいくつなのですか?」
「今年で7歳です。ああ、後、お互い子供なんですから、『殿』と呼ぶはやめませんか?私も曹操さんと呼ばせてもらいますので」
「私達、今日あったばかりですよね。まあ、構いませんが、それじゃ劉ヨウ君とお呼びすればいいのですか?何かちょっと私らしくない気がします」
曹操は少し戸惑っているようだったけど、私のことを君付けで呼んでくれました。
曹操が私のことを「劉ヨウ君」と呼ぶと、違和感があるのですけど、ギャップ萌えというものでしょうか?
意外にいい気分です。
「曹操さんの歳はいくつなのです」
「劉君と同じです」
流石覇王様です。
既に、この掛け合いに順応しています。
「噂で聞いたのですが、劉ヨウ君は自分の母親を山賊から救出したそうですね。その武勇はこの陳留にも伝わっていますよ」
「先ほど、夏候淵殿からも同じことを言われました。そんなに有名なのでしょうか?」
「それは当然です。3,000人の賊を1人で滅ぼして人質を救出したというなら。その上、救い出したのが母親なら美談として広まるのは必然ではないですか。それより山賊の数が3,000人というのは本当なのですか?」
どうしたものかな。
曹操に本当のことをいっても良いのだろうか。
今後のこともあるので、曹操と仲良くしておくのもいいかもしれない。
逆に嘘を言って、曹操に嫌われるのも何だし。
「信じられないかもしれないですが本当です」
「では、どのように倒したのか教えて欲しいですね」
曹操の目が怪しい輝きを放っているように見えた。
「単に打ちのめしただけです」
「私を馬鹿にしているのですか?」
曹操は一点して、怒りに満ちた顔で私の顔を見つめ返した。
まあ、この反応が普通ですよね。
「私は曹操殿のことを気に入りました。だから、私の武がどんなものか見せて上げます。どこか人の居ない広い場所はないですか」
「どうして、そんな場所でなければいけないのです?この屋敷にも練武場があります。そこでも構わないと思うのですが」
「多分、そこで私の技を使ったら、曹操さんの屋敷が崩れますよ」
「なっ!そんな馬鹿なことがある分けないじゃないですか!」
「そんな馬鹿なことをしたから私は、山陽郡の麒麟児などと言われているのですよ」
「くっはははっは、正宗やめておけ!その小娘にお前の凄さなど到底理解できぬ!器が違うのじゃからな、ぐわはははっ!」
今までずっと不機嫌だったお爺々様が機嫌良く言ってきた。
お爺々様は曹操を侮蔑した目つきで見ていた。
「わかりました!ならば、嘘だった場合、その命で償ってもらいますがよろしいですか!」
お爺々様の発言と態度が癪に触ったのか、曹操が怖いことを言ってきます。
嘘はついていないので、私は構わないです。
ですが、「命を懸けろ」といっているわけですから、私も曹操からそれに準ずるものを貰ってもいいですよね。
「わかりました。ですが、私だけ命を懸けるのは公平ではないと思います。曹操さんも何かを懸けてくれませんか?そうですね・・・。うん!私と曹操さんで真名を交換するというのはどうでしょう」
「真名でも何でも交換してさしあげます。そのかわり覚悟しておいてくださいね」
そういう訳で、陳留から数里先にある平野にて私の武をお披露目することになりした。
お披露目をしようとしたのですが、既に、陳留の城門が閉じているので、明朝となりました。
陳留群某所ー
どこまでも平野が続いていた。
昨晩の約束を果たして貰うため、私は陳留でも人があまりこない場所に来ている。
私以外には、劉ヨウ、春蘭、秋蘭、そして劉本の5人。
結果は分かりきっているけど、付き合って上げるわ。
「正宗の趣味を疑ってしまうぞ。こんな娘の何処が良いのだ」
私の隣で、劉本がぼやいている。
別に、劉ヨウは私に惚れたなどとは一度も言っていない。
何を勘違いしているのかしら、このボケ老人は。
「劉本殿よろしいのですか?今ならあなたの孫が土下座すれば許して上げますが」
寛大な私は劉本に救いの手を差し伸べてあげた。
「ふははははっ、お主本気で言っているのか?この勝負初めから孫の勝利に決まっておろうが!」
小馬鹿にしたように、劉本は私を見下ろしながら話してきた。
癪に触るわね、この劉本の態度は何なのかしら、この自信何処からくるのかしら。
子供が山賊3,000人を殲滅するなんて出来る訳ないでしょ!
嘘に決まっているわ!
まあ、いいわ面白い余興と思えばいい、劉ヨウ、私に命乞いをすればいいわ。
劉ヨウ覚悟しなさい。
「春蘭、劉ヨウ君のお相手をしてあげなさい」
「はい!華琳様、あんな奴一撃にて殺して差し上げます」
「春蘭、発言には気お付けなさい。皇族の方に失礼よ!」
この子は本当に場を弁えていないわね・・・。
「申し訳ございません・・・。華琳様」
これではっきりするわね。
あなたが嘘つきだということが、がっかりだわ。
少しでも興味を持った私が馬鹿だったわね。
「貴様ーーー!貴様が劉ヨウだなーーー!」
夏侯惇は大声を張り上げて、私を威嚇してきました。
「呼び捨てですか。まあ、いいですけど。夏侯惇、手加減してあげます。私はここから一歩動きませんから、どうぞ」
私は双天戟を両手で持ち、構えました。
「貴様、私を侮辱するきかーーー!」
「侮辱していませんよ。あなたが弱いと思うから手加減をするんです」
「な、何だと、もう許さんぞーーー!死ねーーー!」
夏侯惇は盛大に切り掛かってきました。
随分大振りな太刀さばきです。
これなら直ぐ終わります。
私はぎりぎりまで、太刀を避けずに双天戟の棒の部分で、夏侯惇の横腹目掛け叩き付けました。
叩き付けられた夏侯惇は、私の左方向に吹っ飛んでいきました。
死んでいないとは思うのですが・・・。
あれ・・・、動かないですね。
手加減はしたつもりだったんですけど。
「うん?」
周囲を見ると、曹操が私のことを目を見開いて凝視しています。
お爺々様は相変わらず気分が良さそうです。
「姉者っーーーーーー!」
夏侯淵が夏侯惇に駆け寄っていっています。
若干、タイミングが遅いような気がしますが、曹操と同じ理由でしょうね。
私の武を見誤ったというところでしょう。
そもそも、あの程度で夏侯惇が勝てる訳がないです。
「姉者、姉者!ああ、良かった!意識はある」
夏侯惇は死んでいないようです。
夏侯惇が無事であることを確認すると、夏侯淵は親の仇を見るような目つきで私を睨みつけてきました。
そう言えば、夏侯淵はシスコンでしたね。
「貴様、よくも姉者をっ!」
私に向かって弓を放とうか身構えるがーーー。
「振雷・零式!」
私は彼女が矢を放つ前に「振雷・零式」を夏侯淵の立っている右側の地面を抉るように放った。
夏侯淵は「振雷・零式」の余波で、体勢を崩し、弓を落としてしまった。
技の無駄使いですね。
これで私の勝ちだと思います。
勝てる見込みなどないことがわかったでしょう。
夏侯惇が怪我しているみたいなので、怪我を治療してあげますか。
「な、何なの・・・、信じられない」
私はその光景を見ていた。
春蘭が劉ヨウに一撃で倒された。
次に、秋蘭が劉ヨウに矢を射ようとしたら、その前に光の様なものを放った。
光は秋蘭に直撃こそしなかったが、秋蘭の右側の地形は光が進んだ直線上に地面を抉っている。
あれが秋蘭に直撃してたらと思うと戦慄した。
劉ヨウの方を見ると、傷一つない。
秋蘭の矢は当たらなかったようね。
劉ヨウあなたは何者なの?
今なら分かる。
山賊を3,000人を殲滅したのも嘘ではないと思えるわ。
私は劉ヨウに恐怖を抱くと同時に、興味を更に強めた。
あの後、私は夏侯惇の容態を診たのですが、肋骨を骨折したようでした。
夏侯惇を私の力で治療して上げました。
夏侯惇を治療後、夏侯淵は私に謝罪とお礼を言ってきました。
「劉ヨウ君の掌で踊らされたようで癪ですが、約束ですから真名を交換してあげます。私の真名は華琳です。それと私の事は呼び捨てで構いません」
「じゃあ華琳も私のことを呼び捨てで呼んでくれないかな。私の真名は正宗」
「私もま、正宗君のことを呼び捨てで呼ぶのですか?」
華琳は私の申し出に戸惑ったようでした。
「うん!」
「皇族の方を呼び捨ては不味いと思います」
「まあ、いいですよ。無理強いするのも何ですし」
華琳が困った様子だったので、無理強いするのは悪いと想い諦めました。
曹操と真名の交換をしました。
夏侯惇、夏侯淵とも真名の交換をしました。
「夏侯惇、夏侯淵殿。お二人は何故、私と真名の交換をしようと思ったのです?」
「華琳様が真名を交換したからだ!それとお前は私を倒した、それで十分だ!」
相変わらず夏侯惇の偉そうな態度はなんなんだろう。
一応、私は皇族なんだけど、馬鹿じゃないのだろうか。
私は気にしないですけど。
「私も同じです。姉者を治療してくださった恩人に真名を預けるには当然です」
夏侯淵は相変わらず理知的な人ですね。
できれば、将来、私の副官になってくれないでしょうか?
考えるだけ無駄でした。
そういう訳で、華琳、春蘭、秋蘭の3人と友誼を結べました。
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