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レーヴァティン

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第百二十五話 姫路入りその六

 姫路城に入った、すると彼はすぐに城の白い天守閣に入ってその最上階から西の方を見て共にいる仲間達に言った。
「まずは使者をだ」
「送ってっちゃな」
「備前の国人達を降していく」
「そうしていくっちゃな」
「まずはな、そしてだ」
 愛実に対して答えた。
「降らない国人達はな」
「降していくっちゃな」
「兵を送ってな」
 そのうえでというのだ。
「倒していくっちゃな」
「そうする、だが俺達は十二万だ」
 英雄は軍勢の数の話もした。
「それだけの数がいるからな」
「それでっちゃな」
「国人は千の兵を持つ者はいないな」
「もう大小の国人が何十家もあるけどな」
 それでもとだ、情報収集を担当している耕平が言ってきた。
「千も兵を持つ家はや」
「備前にはないな」
「備中、備後、美作にもな」
「安芸にはいるか」
「けど他の国にはや」
「いないか」
「そや、この四国の国人の兵は精々五百や」
 それ位だというのだ。
「そやからな」
「十二万の大軍は規格外だな」
「相手にしてみればな」
「ではこの大軍をだ」
 十二万のそれをというのだ。
「喧伝する」
「そうしつつやな」
「降れば問題ない」
「命も土地も保証するか」
「これまで通りな」
 まさにというのだ。
「そうしていく」
「そやねんな」
「これで大抵の国人は従う筈だ」
「というか五百の兵の国人に十二万のうち等が想像出来るっちゃか」
 愛実は肩を竦めさせて述べた。
「そんなのが来たと聞いたらっちゃ」
「もう既にか」
「備前の方では大騒ぎになっていないっちゃか」
「備前一国を踏み潰すとか」
「そして備中、備後、美作もっちゃ」
「それならそれでだ」
「いいっちゃか」
「そこで恐怖にかられている時にだ」
 まさにその時にというのだ。
「俺達の使者が来る」
「それで兵の数とっちゃな」
「降った条件も出す」
「これで大抵は降るっちゃな」
「そうなる、これで降らない奴は相当な馬鹿だが」
 それでもというのだ。
「そうした連中には兵を送る」
「そうしてっちゃな」
「まずは備前を掌握して」
 そうしてというのだ。
「備中、備後、美作と掌握していきな」
「安芸もっちゃな」
「あの国もだ」
「掌握するっちゃな」
「そうだ、周防と長門の掌握も進んでいる」
 幸正そして智の手によってというのだ。
「今は戦よりもな」
「そうしてだな」
「あの国に攻めていく」
 こう言ってそうしてだった。 
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