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レーヴァティン

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第百二十四話 三国だけでなくその五

「必ずだ」
「高知もっちゃな」
「攻め落とせる、だからな」
「今はっちゃな」
「四万十川の西だ」
 そこに向かうと言ってだった。
 英雄は船団をさらに進めさせてった、そのうえで。
 四万十川西の岸辺に着いた、そしてだった。
 すぐに上陸にかかった、そこに敵もいたが。
 その数は二千程だった、英雄はその数を見てそうして言った。
「別にな」
「これといってでござるな」
「こちらは十万だ」
 この数からだ、英雄は言うのだった。
「それから見るとな」
「ものの数ではないでござるな」
「そうだ、だが」
「だがとは」
「土佐の兵は一万の筈だ」
 この数から智に言った。
「その中の二千か」
「四万十川西の総数でござるな」
「援軍はいないか、いや」
 ここでだ、英雄は言った。
「間に合わなかったか」
「今は四万十川東に二千五百の兵がおってな」
 耕平が言ってきた。
「こっちに向かってるらしい」
「俺達の動きの方が早かったか」
「どうも土佐はわい等が山を越えて来るって思ってたらしい」
「山か」
「それで山を越えてな」
 そのうえでというのだ。
「何とか来たところを地の利と城の連携を使ってな」
「戦うつもりだったか」
「その四千五百の兵でな」
「成程な」
「十万の兵にはやがて負けても」
 そうなろうとも、というのだ。
「出来るだけ苦しめて勝機を見出すつもりやったらしいな」
「そういうことか」
「それでもな」
「俺達は船を使った」
「そう来るとは思ってなくて」
 それでというのだ。
「援軍も間に合ってへんのや」
「そういうことか」
「そや、ほなな」
「ここはだな」
「十万対二千や、しかも船酔いしてる奴はおっても」
 耕平は平気な顔だ、英雄も十二人の仲間達も船酔いの者は一人もいない。
「山を越えるよりもずっと疲れてへん」
「英気もあるな」
「そやったらな」
「ここはな」
「一気に上陸してな」
 そうしてというのだ。
「さらに攻めていこうな」
「今からな」
「ではまずは大砲と術で攻める」
 船からとだ、英雄はこの戦の最初の命を出した。
「そしてだ」
「そのうえでやな」
「敵の陣を崩し数も減らしてな」
「その間にやな」
「主力を上陸させる、そしてだ」
「岸辺を制圧してな」
「そこから周辺の城を攻め落としていく」
 そうしていくというのだ。
「是非な」
「よし、ほな」
「ここから攻める」
 こう言ってだ、そのうえで。
 実際に船団から砲撃そして術での攻撃が次々に出されてだった、岸辺にいる土佐の軍勢を攻めた。するとだった。
 敵兵は次々と吹き飛ばされ陣形を乱した、最早そこにいるどころではなくなったまさにその時にだった。 
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