レーヴァティン
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第百二十四話 三国だけでなくその二
英雄は軍勢を松山城に集結させてだった、水軍も港にそうさせた。そしてその集結が終わってからだ。
英雄は松山城の天守閣から陸の軍勢そして遠くの港にある船達を見てだった、そうして言うのだった。
「集結したな、ではだ」
「それならでありますな」
峰夫が英雄に後ろから言ってきた、十二人全員が今は松山城にいるのだ。
「これより」
「陸の軍勢が乗り込んでな」
船にというのだ。
「そしてだ」
「土佐でありますな」
「出来れば四万十川西もな」
こちらもというのだ。
「戦でなくな」
「使者を送ってでありますな」
「そうして降してだ」
そのうえでというのだ。
「そのまま拠点にしたかったが」
「それが理想でありますな」
「だがな」
土佐攻めの戦略の理想、それがとだ。英雄は今はいささか苦い色を声に含ませてそのうえで峰夫に対して語った。
「あの国は領主が完全に治めている」
「土佐一国を」
「だからな」
「四万十川西にしても」
「忠誠心の高い城主ばかりでだ」
そのせいでというのだ。
「使者を送りはしたが」
「誰も降らなかったであります」
「だからだ」
「この度は仕方ないでありますな」
「戦だ、陸からは山が邪魔だ」
実は越えて進むことは出来る、だがそれでは時間がかかりしかも兵達が疲れてしまう。兵糧も時間がかかる分消費してしまうからだ。英雄はこの度は水路を選びそこから攻めることにしたということなのだ。
「湖を進んでな」
「四万十川西の南、湖岸に来て」
「そして上陸してな」
「城々を攻め落としていくでありますな」
「そうする、土佐は全体で兵は一万だ」
これだけいるというのだ。
「それで四万十川西にいるのは多くて二千だ」
「二千対十万ではであります」
「何でもない、ただ問題は」
戦には勝てる、だがそれでもというのだ。
「兵糧と武具だ」
「それでありますな」
「攻め落として拠点に出来るが」
しかしというのだ。
「十万の兵の補給はな」
「かなりのものであります」
「これまでは瀬戸内を船で直接送っていたが」
「これからは」
「松山に送り」
その兵糧をというのだ。
「そこから水路でだ」
「四万十川西に送りでありますか」
「そうして補給を行う」
十万の将兵の兵糧そして武具のというのだ。
「そのうえでな」
「戦っていくでありますな」
「そうする」
まさにというのだ。
「船で運べばな」
「多くのものを一度に運べるであります」
「しかも山道を通るより容易だ」
「そのこともあるであります」
「これはかなりいける、既に伊代の海賊達も引き込んだ」
「あの者達に船達の護衛もさせる」
「そうもする」
この際悪質なならず者と言う他ない海賊達は片っ端から征伐し殲滅してしまっている。やはり悪人達は容赦しないのが英雄達のやり方ということだ。
「そうしてだ」
「水路からでありますな」
「土佐は攻めていこう」
「それでは」
「西を主に攻めるが」
土佐のとだ、英雄はさらに言った。
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