真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
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プロローグ それは突然に
ここは何処?
私は誰?
「林正太郎。29歳の独身サラリーマンなのですが・・・」
「私・・・テンパってます!」
どこまでも見渡す限り真っ白な空間が続いています。
上を見上げると空は青じゃなくて雲も何もない真っ白です。
気づいたときにはここにいたのですが・・・
何でこんな変なところにいるのでしょうか?
「ああっ!これはゆ・・・夢だ・・・夢に違いない!そうだよ・・・そうだよ夢だよな・・・」
「死んだことに気づいていないようですね。林さん」
突然、後から女性の声が聞こえたので、驚いて振り向くと、そこには妙齢な女性が立っていました。
「申し遅れましたね。私は神様です」
「はぁ・・・」
「あなたは死んだのですよ。 林さん」
「死んだ?」
意味が分からず聞きかえしました。
「ええ、あなたは死んだのです。でも、わかります。突然のことで動揺されているのですね・・・。心配なさらないでください。誰でもいつかは通る道です」
女性は慈愛に満ちた笑顔で私に語りかけてきた。
「何いっているんですか?現にここにこうしているじゃないですか!」
「ここはあなたが今までいた現世とは違います。現世と霊界の狭間です」
「あなたように自分の死を自覚できない人は少なくありません・・・」
そういうと女性は手を自身の前に出すと、映像らしきものが投影された。
どうゆう原理か分からないが・・・。
映像は見覚えのある背広を着た首なし死体でした。
私の動揺はピークに達しました。
「こ・・・これ・・・私の背広です・・・。頭がない」
「ええ・・・あなたです。残念ですが手の施しようはないでしょう」
女性は哀しそうな顔で私の顔を見つめていた。
そんな私は死んだのか?
死んだ・・・。
「はは・・・悪い冗談ですよね・・・」
「いえ、あなたの死は事実です」
私の意識は暗転しました。
私はあれからしばらくして意識をとりもどしました。
そしてあの女性から説明を受けました。
彼女は神様であること。
私は泥酔運転手にトラックで跳ねられ死亡したらしいこと。
私の死は定められた死ではなくエラーだったこと。
なんでも私とは別の人が死ぬ予定だったらしい。
なら、生き返らしてくれといったのですが無理だそうです。
一度、執行された事象を戻すことはできないそうです。
悲惨な現実を突きつけられて落ち込んでいる私に、神様は提案を出してきました。
それは外史という人の強い想念がつくり出した世界に転生するというものです。
その転生先は三国志をベースにした「真・恋姫無双」というゲームの世界だそうです。
「えっ、マジ!」
つい私は聞き返してしまいました。
ゲームの世界に転生できること自体に疑問を抱いてしました。
「そんなことで悩んじゃいけませんよ。神様ですから」
そういう訳で私は「真・恋姫無双」に転生することになりました。
ただ、不安です。
転生後の私は「劉ヨウ」という武将です。
私は三国志好きなので知っているのですが、明らかに不幸街道まっしぐらです。
私の未来は孫策に倒されて逃亡先で病没ー
「あの、神様・・・。劉ヨウに転生って何かの罰ゲームですか?私が死んだのって、神様の事故でしたよね!」
神様のあまりの仕打ちにキレてしまいました。
「ほらほら、怒らないでください。申し訳ないですが空いている体が彼だけなのです。それに簡単に死なないように願い事を3つ叶えて上げます」
私は神様に促されるままに3つの願い事を叶えてもらいました。
1つ、「龍狼伝」の「黄尸虎」の能力と武器が欲しい。
2つ、「ルナ ~ハーモニー オブ シルバースター~」の「主人公アレス」が使用する「青竜の癒し」の能力が欲しい。
3つ、あらゆることを知る能力が欲しい。
神様から願い毎について一部を修正すると言われました。
1つ目の「黄尸虎」の能力のうち、呪われた鎧は物騒なので除外だそうです。
私もあんな気持ち悪い鎧はいらないです。
代わりに体を鋼鉄のように固くできるそうです。
ただし、連続稼動時間は6時間の制限があるそうです。
6時間経過後はこの能力は失われますが、この能力を使用した時間と等価時間の睡眠を取れば能力を回復できるとのことです。
武器である「 双天戟」は俺が5歳になったときに神様が届けにくるそうです。
次に3つ目の願いはアバウトすぎるので、神様から手の平に乗る位の水色の透明な玉をもらいました。
「これ何?」と不思議そうに玉を見ていると神様から説明を受けました。
この玉の中に私が死亡した時点のその世界の全ての情報を記憶してあるそうです。
欲しい情報を念じれば私にそれを見せてくれるらしいです。
このボールは私以外には見えないし触れないそうです。
3つの願い事を叶えて貰った私は今後のことを考えていると・・・
「それじゃ願い事も決めたことですし、転生をしましょうか?林さん、来世で幸せになってくださいね」
唐突に神様は笑顔で私に声を掛けてきた。
私の足下に穴が開いたかと思うと私はその穴に真っ逆さまに落ちました。
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