緑谷出久の裏個性【ワザップ】
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
始動するワザップ
前書き
一発ネタです
小さい頃からふとした瞬間にとてつもない『スゴ味』を纏った雰囲気を醸し出している事があると言われていた。
その間の記憶が無く、気にはなっていたが医者からも異常ナシと言われ、特に日常生活での不便もなかったので放置していた。
だからあの事件が起こってしまった。僕がこの『スゴ味』の正体をもっと真剣に調べていれば何も起こらなかったのに。
その日の朝もいつもの夢を見た。数多くの子供達が悪意のある大人の流す情報で自分の大切なモノを失っている夢。子供達の怒りと絶望を感じながら目覚める。目覚めは悪いが毎度の事なのでしょうがない。今日もいつもと変わらぬ毎日が繰り返されるのだろう。と考えていた。
学校での進路希望調査の時間、雄英高校志望である事を皆の前で明かされ、その後かっちゃんに怒鳴られ更に皆に無個性を笑われ、その日は憂鬱な気分で帰宅しようとしていた。
この時は知りようがなかったが、僕の隠れた個性《ワザップ》は強い感情の発露と目の前で行われる犯罪行為に反応しその力を振るうらしく、後から考えればその現場ではすべての条件が整ってしまっていた。
大切にしている、将来の為のヒーローノートを持ちながら帰宅しようとしたその時
「話はまだ済んでねーぞデク」
かっちゃんと取り巻きの人達に絡まれてしまい、その際にヒーローノートも奪われてしまった。そのノートを見て笑うかっちゃんとその取り巻き達。
「いっ良いだろ返してよ‼︎」
そんな僕を見てかっちゃんは個性を使いノートを燃やした。
「ひどい…」
燃やしたノートを窓から投げながらかっちゃんは言う。
「一線級のトップヒーローは大抵、学生時から逸話を残してる。俺はこの平凡な私立中学から初めて!唯一の!【雄英進学者】っつー"箔"を付けたいのさ。完璧主義なわけよ。」
かっちゃんはそう言いがら笑う。
「つーわけで一応さ。雄英受けるなナードくん」
夢を持つことなんて自由じゃないか。ヒーロー志望なのにどうしてそんなに酷い事が出来るんだ。
「そんなにヒーローに就きてんなら効率良い方法あるぜ」
「来世は個性が宿ると信じて屋上からのワンチャンダイブ‼︎」
その時全ての条件が揃ってしまった。吐き気を催す邪悪を敗訴させようとワザップジョルノが目を覚ます。
「あ……を」
「何よ?」
威圧しながら睨む爆豪勝己に対しワザップ出久verジョルノは言った。
「あなたを自殺関与・同意殺人罪に加え名誉毀損罪、更に器物損壊罪で訴えます。理由はもちろんお分かりですね?」
「あ?何言ってんだ?」
戸惑う爆豪勝己を無視し更に言葉を重ねる。
「あなたが私に自殺教唆をし、ヒーローノートを破壊したからです!」
そう言いながら振り上げる右拳に反応した爆豪勝己は個性を使い反撃しようとした。
しかし軽々と避けられてしまい顔面に拳が突き刺さる。「怪力」の個性があるのかと思うほどのパワーが篭った拳は一撃で意識を奪いかねない程のダメージを身体に刻み込んだ。
(デクの癖に…)
そう思いながら相手の顔を見ると気付いてしまった。相手は一発殴っただけで終わらせる気は到底無いと。
「覚悟の準備をしておいて下さい!ちかいうちに訴えます!裁判も起こします!裁判所にも問答無用できてもらいます!!」
更に顔面に拳が突き刺さる。鼻骨が折れる。腹部に強烈な一撃を貰い嘔吐する。反撃する暇すらなく拳が叩き込まれる。
「慰謝料の準備もしておいて下さい!貴方は犯罪者です!刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!」
最早生きている事が不思議なほどタコ殴りにされそんな中、目に入ったデクの顔が見知らぬ外国人の顔に見えた。その記憶を最後に意識を落とした。
呆然とする取り巻き達。そんな取り巻き達に出久は言った。
「あなた方も共犯者です!もちろん訴えさせて頂きます!」
その瞳には、目の前にいる犯罪者達を軒並み敗訴させようという気高い黄金の精神が垣間見えた。
爆豪勝己は全身を300発以上殴られ、救急搬送されたが命に別状はなかった。しかし見下していた相手に半殺しにされたと言う事実に塞ぎ込んでいるようだ。
緑谷出久は当然学校から罰を受けた。しかし動機が動機なだけに情状酌量の余地ありと判断され半殺しにしたと言う事を考えれば極めて軽い罰に留まった。
暴行をした間の記憶がないのにどう反省すれば良いんだと考えながら反省文を書く。そしてふと思う。
(殴っている間の記憶はないけど、殴っていた金髪の誰かの顔は覚えてる。僕の個性なのか?)
実際には個性《ワザップ》シリーズの中には黄金の精神を持つ若きギャングだけでなく、その同僚数名の別バージョンもあり完全に制御不能なのだが緑谷出久はその事を知る由も無い。
緑谷出久は将来この個性に助けられたり振り回されたりするのだがそれはまた別の話。
←To Be Continued
後書き
反応あれば続くかもしれません。
ページ上へ戻る