夢幻水滸伝
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第百七話 若草山にてその十四
「それが一つになったのは」
「統一した人がいて」
「政としても行ったのよ」
「そういうことか」
「そうじゃないとね」
それこそとだ、アレンカールはホンワナにも話した。
「出来ないものだから」
「はい、人はです」
ウスマンはアレンカールの話を聞いて彼に応えた。
「それぞれの地域にいますと」
「それぞれの地域の色が出てね」
「独自性が形成されます」
「何でもね」
「今話しているものについても」
言語等でもというのだ。
「どうしても」
「そうでしょ、この世界は地域性があってもね」
「言語等は一つなので」
「そのことを思うと」
まさにというのだ。
「誰かが統一したとね」
「考えられますね」
「このとんでもなく広い世界を統一して何もかもを一つにした」
ウスマンは腕を組んで言った。
「そう思いますと」
「その統一した誰かはね」
「相当な人物であることは間違いないですね」
「そうでしょ」
「はい、本当に」
ウスマンは考える顔でアレンカールに答えた。
「一代の英傑と言うべきの」
「そうね、ただ」
「それが誰かでどんな人かはね」
「今の時点では」
「わかっていないわ」
こう言うのだった。
「残念ながらね」
「ほんまにそうですね」
「けれどわかっていないのは今の時点で」
それでというのだ。
「これからはね」
「わからへんですね」
「そうしたこともわかってくるかもね」
「今後はね」
「ではこの世界の歴史については」
ここで言ったのはクルマだった。
「これからですね」
「調べていきましょう」
「戦や政のかたわらで」
「というか歴史は文化で」
「だからですね」
「あたい達もしっかりとね」
「歴史は編纂していきますね」
クルマはアレンカールに確認の問いをした。
「そうですね」
「ええ、大学の歴史学科でもしてるけれど」
「それでもですね」
「政権としてもね」
歴史のことにはというのだ。
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