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オズのキャプテン船長

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第五幕その十一

「あのカレーライスに生卵はね」
「驚かれたんですね」
「そうなんだよ、最初はね」
「アメリカも生卵を食べると思っていました」
「そう思った根拠は何かな」
「映画でありまして」
「ああ、あの映画だね」
 船長もお話を聞いてどの映画かわかりました。
「ボクサーの映画だね」
「はい、あのシリーズの最初の作品観て」
「朝に生卵を飲んでるね」
「何個も一気に。それで走ってますね」
「あの時にだね」
「アメリカ人もって思いましたけれど」
「それは違っていてね」
 映画でそうしたシーンがあってもというのです。
「実はね」
「アメリカでもですか」
「卵料理はよく食べるにしても」
 それでもというのです。
「生卵はね」
「食べないんですね」
「これまでお話した通りにね」
「あの映画は特別ですか」
「映画の演出もあるだろうけれどね」
「そうだったんですね」
「逆に生ものが好きな日本人はね」 
 まさにというのでした。
「カレーにまでって思ってね」
「驚かれたんですね」
「まさかと思ったからね」
「そうですか」
「けれど食べるとね」
「あれのカレー美味しいですね」
「素敵な味だよ」
 本当にというのでした。
「本当にね」
「あときつねうどん、デザートは」
 トロットはそちらのお話もしました。
「お碗が二つの善哉がアイスキャンデーね」
「アイスキャンデーですか」
「ペンギンのね」
「あのお店北極って言ってますけれど」
「ペンギンは南極よね」
「そこはなんですよね」
「それでも北極っていうのは」
 どうにもというのでした。
「矛盾してるわね」
「というか間違えている感じが」
「あと寒いところで冷たいものを食べると」 
 船長が言うにはです。
「余計に寒くなってね」
「よくないですよね」
「寒いところでは熱いものだよ」
 それを食べるといいというのです。
「そちらがいいよ」
「やっぱりそうですよね」
「これが逆だと」
 どうにもというのです。
「よくないよ」
「本当にそうですよね」
「冷たいものはね」
 具体的に言うとアイスキャンデーもです。
「暖かい場所で食べるものだよ」
「それか暑い時にですね」
「適度に体温も冷やしてくれるしね」
「身体は冷やしてはいけないですけれど」
「熱くなり過ぎても駄目だからね」
「程々がいいんですね」
「そう、体温調整の為にもね」
「暑い場所にいたりしたらですね」
「冷たいものを食べたり飲んだりすることもいいから」
 それでというのです。
「それがいいんだよ」
「じゃあ今は、ですね」
「ここは暑いからね」
 ジャングルの中です、ジャングルの中は暑いものです。
「最後はそちらもいいよ」
「アイスキャンデーも」
「善哉も出すつもりだけれど」
 それでもと言うトロットでした。
「アイスキャンデーも出すわね」
「そうしてだね」
「皆で食べましょう」
 笑顔で言ってでした、そのうえで。
 デザートも楽しみました、善哉だけでなくアイスキャンデーもとても美味しくて大阪の味がしました。 
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