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星河の覇皇

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第七十二部第二章 アウトカースト政府その三

「どうにもですね」
「いるだけですね」
「パーティーには出席しますが」
「ただいるだけで」
「そもそもマウリア政府も我々はあまり意識していません」
「お客さん扱いですね」
「部屋住みの」
 大使館の規模もマンションの一室程度であったりする。
「やはり各国政府間のやり取りが多忙で」
「何もすることがないですね」
「これといって」
「こうした顔を会わせて話をする位です」
 今現在の様にだ。
「時々でも」
「留守番と言われるだけあり」
「本当にただいるだけですね」
「基本マウリア語が理解出来たらいいですし」
 読み書きが出来ればだ、トークもであるがだ。
「面接はほぼ合格で」
「採用試験もない」
「そうしたものですから」
「我々も他に仕事がなく」
「マウリア人相手のガイドもありましたが」
 しかしだったのだ。
「給料はいいですし」
「まあ受けてみたってことですね」
「そしてそのうえで、ですね」
「今ここにいますね」
「そうですね」 
 それが実情だ、とかく各国のマウリア大使は重視されていない。外交官の閑職とさえみなされていない程だ。
「ですから」
「ここでこうして、ですね」
「食事をしつつ情報交換をしても」
「普通はこれといって話すことはないですね」
「そうですね」
「中華料理は美味いにしても」 
 この店の料理はというのだ。
「話すことはそれ位で」
「これまでは世間話でしたね」
「それ位でした」
「しかしアウトカースト層ですね」
「彼等の政府があった」
「しかもかなりです」 
 彼等のその政府がというのだ。
「しっかりしていますね」
「尚且つ主席は切れ者だとか」
「ジャバル主席ですね」
「まだ二十代というのに」 
 国家元首になるにはあまりにも若いがだ、アメリカの歴史上若い大統領と言われたケネディにしても四十代だった。
「一国の代表となり」
「しかも辣腕家だとか」
「これはすぐに本国に連絡しないと」
「彼等についてわかっていることを全て」
「そうしないといけないですね」
「久し振りの仕事ですね」
 大使の一人が笑ってこんなことを言った、海鮮麺を食べつつ。
「全く以て」
「そうですね、今は大使館にいてもです」
 普通に大使の官邸兼となっている、六大国の様な国々でも大使館の他は領事館が幾つかあるといった程度である。
「何もすることがなく」
「新聞で情報を収集してです」
「その新聞をありのまま本国に送るだけで」
 新聞をそのままファックスでだ。
「後は自由時間」
「電話番ですね
「それに過ぎませんでしたが」
「しかしですね」
「今は違いますね」
「アウトカースト層政府のことを知らせないと」
「是非共」
 彼等のそれぞれの祖国にだ。 
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