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レーヴァティン

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第百二十話 王都攻略その二

「戦略を考えていくことだ」
「陸地のことだけじゃないか」
「地理はな、では敵が来たらな」
「その時はな」
「倒していくぞ」
「ああ、そしてメンフィスだな」
 久志は芳直に笑顔で応えた、そうしてだった。
 彼は川の上を進む水軍もその岸辺を進む陸軍も並行して進めさせた、補給は確かに楽で非常にだった。
 進軍は楽だった、途中彼等はピラミッドやスフィンクスも見た。そこに自分達の世界とこの世界の共通したものも見ていた。
 そしてスフィンクスが後ろに見えなくなった時にだった、先に送っていた水と陸の斥候達から報告があった。その報はというと。
「敵がもうか」
「はい、来ています」
「川と陸から」
「それぞれ守りを固めています」
「その数合わせて五万です」
「そうか、攻めT来なかったな」
 久志はまずはこのことについて思った。
「連中から見て川を下って来ると思ったけれどな」
「数と地の利を考えて、やな」
 美奈代が言ってきた、ここでも補給を取り仕切っている。その為軍勢の補給は困ることがない程だ。
「それでやな」
「守ってるか」
「それでこっちが近付いた時にな」
「迎え撃ってだよな」
「戦いをしてくるわ」
「そうか、それじゃあな」
「このまま進んでやな」 
 美奈代は笑って久志に応えた。
「それでやな」
「打ち破ってな」
 そしてとだ。久志は美奈代に自分も笑って答えた。
「そうしてな」
「メフィスまで行くな」
「ああ、そうしてやるな」
 こう言うのだった。
「ここは」
「そやな、ほなこのままな」
「進むな、ただ敵の陣形がな」
 久志は今斥候が出してきた地図に書かれている敵の布陣を見た、見れば川を船で堤防の様に完全にふさいでだ。
 川の両端も関所の様に塞いでいる、その左右には砂漠があるだけだ。
 その布陣を見てだ、彼は言うのだった。
もう完全にな」
「防御一辺倒やな」
「完全に関所だな」
 久志はその思ったことを述べた。
「これは」
「ほなうち等は関所破りやな」
 美奈代は久志に笑ってこう述べた。
「今からそれをするんやな」
「そうだよな。若し回り道をしてな」
「砂漠に入ったらな」
 敵の布陣の左右にあるそこの、というのだ。
「その時はな」
「駱駝騎兵や軽騎兵にな」
「砂漠のモンスターと気候にもやられてな」
「かえって厄介だからな」
「そやからな」
 それでとだ、美奈代は久志に話した。
「ここはやな」
「国定忠治さんみたいにな」
 関所破りで有名な江戸時代後期の侠客の名前も出した。
「もう正面から堂々とな」
「破るんやな」
「先頭に戦力を集中させて」
 そうしてというのだ。
「突破してやるさ」
「この場合はもうやな」
「川を遡ってるけれどな」
 即ち流れに逆らっているがというのだ。
「それでもな」
「そうしてやな」
「攻めてやるさ」
「勢いのままやな」
「ああ、そうしてな」
「メンフィスやな」
「そこに行ってやるよ、じゃあ船首及び軍の先陣にな」
 そうしたところにというのだ。
「銃や術を使える奴をこれでもかと置いてな」
「進みながらやな」
「突破するな、騎兵もな」
 その彼等もというのだ。 
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