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レーヴァティン

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第百十九話 ナイル川へその五

 それはというのだ。
「あちらにいる」
「そうだよな」
「だからだ」
「その水軍とだ」
「近いうちに戦うことになる、その時だが」
「ああ、どうして戦うかだよな」
「俺っちも戦うが」
 芳直はここで久志を見て言った。
「この三角洲を手に入れるうえで重要な戦だ」
「だから俺達もだよな」
「策があればな」
「わかってるさ、それはな」
「ならいい、ではな」
「この辺りをな」
「まずは掌握だ、そしてメンフィスからもな」
 古王国の首都であるそこからもというのだ。
「水軍、そして陸軍もな」
「来るよな」
「そちらにも備えてだ」 
 そうしてというのだ。
「戦っていくか」
「ああ、じゃあな」
「アレクサンドリアの水軍を叩いてな」
「その後はな」
「メンフィスから来てもだ」
 敵軍がというのだ。
「戦うぞ」
「そうしような、けれどな」
「最初はな」
「アレクサンドリアの水軍だな」
「そちらをどうするかだな」
「ああ、じゃあ俺達も乗り込んでな」
「敵の水軍を叩くか」
「そうしような」
 こう話してだ、そしてだった。
 久志は仲間達と共に軍船に乗り込みそうして街を幾つか攻め落としつつアレクサンドリアに近付いた、するとだった。
 アレクサンドリアから水軍が出て来た、久志はその敵を旗艦から見て自分の隣にいる芳直に対して言った。
「出て来たな」
「ああ、敵もな」
「これを機にか」
「雌雄を決するつもりの様だな」
「そうなんだな」
「このまま守っていてもな」
 それででもというのだ。
「街を攻め落とされていってな」
「そうしてか」
「次第に追い詰められていくしな、やがてはアレクサンドリアにもな」
「来られるからか」
「ここで俺達を叩いてだ」
 即ち水軍をというのだ。
「そうしてだ」
「憂いをなくそうってつもりか」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「連中もだ」
「俺達が来たのを機にしてか」
「雌雄を決しにきた」
 そうしてきたというのだ。
「ここでな」
「成程な」
「それではいいな」
「ああ、じゃあな」
「これから湖の決戦だ」
「これで勝つか負けるかでな」
「三角州の趨勢が決まる」
 この地域を久志達が手にいられるかどうかがというのだ。
「それがな」
「まさにそうなるよな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「俺達も真剣にな」
「戦うか、何ならな」
 久志は自分の腰にある剣を見た、この世界を救うと言われている剣レーヴァティンを。そのうえで言うのだった。 
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