聖神官の謎
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第七章
「実は」
「やっぱりそやな」
「はい、秘かに人間の娘として降臨し」
「そしてやな」
「神殿で我等の主フライヤ神にお仕えしています」
「ワルキューレはフライヤの従神でもあるな」
サンチェスはこのことも指摘した。
「オーディンに仕えているワルキューレもおれば」
「私はフライヤ神にお仕えするワルキューレで」
それでというのだ。
「今はその様にして」
「この世界におるか」
「この世界を見守る為に」
「そやってんな」
「お二人のことは最初からわかっていました」
今度は女神官の方から二人に笑みを浮かべて言ってきた。
「この世界を救う星の方々と」
「そのこともやな」
「最初から。ではこの世界を」
「ああ、絶対にな」
サンチェスは女神官に笑顔で約束した、そうして彼女と共に神殿に帰り老人から報酬と感謝の言葉を受け取り女神官と笑顔で別れ神殿を後にした。
その後でサンチェスはガルパンと共に仕事を終えた祝いに街の居酒屋に入った、そこでだった。
羊肉を塩茹でにしたもの。幾つものジャガイモを茹でてバターを乗せたもの、大きなソーセージ、様々な野菜を入れたシチュー、猪肉のグリル、山の様に積まれた既に殻を剥いたゆで卵にデザートとして林檎や葡萄や梨の果物の盛り合わせに酒に赤ワインを注文してだった。
豪快に飲み食いをはじめた、その中で。
サンチェスの手にあるものが宿り心の中で言葉が言って来た、サンチェスはその言葉をそのままガルパンに話した。
「ジョニー=アップルシードの林檎や」
「アメリカに林檎を広めたという」
「その人の林檎で食べてもすぐに新しい林檎が出て」
そうしてというのだ。
「食べるとあらゆる状態が回復する、口に林檎を付けただけで」
まさにそれだけでというのだ。
「魂がそうしてもな」
「復活出来ますか」
「そうした神具や」
ゆで卵を食べるガルパンに話した。
「これは」
「また凄い神具ですね」
「そして僕自身神託を適えて」
サンチェスは羊肉にかぶりつきつつ心の中でまだ言ってくる言葉をそのままガルパンに対して話した。
「全体的に一回り強くなったわ」
「そうもなったんですか」
「そや、ほなこの力で世界を救う為に」
「その為にも」
「ここで飲んで食べて」
そうしてというのだった。
「次の場所に行こうな」
「わかりました」
「そういうことでな」
サンチェスは笑顔でこう言って大きなコップの中のワインを飲みほした、豪快に飲んだそれは瞬く間に身体の中に滲みていった。
聖神官の謎 完
2019・8・30
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