舞踏病
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第一章
舞踏病
サミー=ガルパンとスティーブ=サンチェスは今はガルパンの神託で地下世界のディストという街に来ていた。
そこでガルパンは街を見てサンチェスに言った。
「ここはもう」
「おかしいな」
「そうでっせ」
こうサンチェスに話した。
「誰がどう見ても」
「何か踊ってる人達が結構おるな」
「あの踊りは」
まさにというのだ。
「普通の踊りやなくて」
「貴方はダンサーだから余計にわかるな」
「はい、おいらっちはダンサーだけあって」
ガルパンは剽軽な身振り手振りを入れてサンチェスに話した。
「もうこうしたことは」
「専門家でな」
「そやさかい」
それ故にというのだ。
「あれはどの踊りでもない」
「おかしなことやな」
「ひょっとして」
首を傾げさせつつだ、ガルパンはこうも言った。
「病気ちゃいます」
「病気というと」
「舞踏病ちゃいますか」
「舞踏病って」
「あの有名な」
「かつてイタリアとかで流行した」
「あれちゃいますか」
こうサンチェスに話した。
「ひょっとして」
「あの病気こっちの世界でもあるんやな」
「そうみたいです」
「こっちの世界だけの病気も多いけど」
無論彼等が起きた世界にある病気もある、伝染病なら天然痘やペスト、コレラや梅毒等だ。そしてこの世界にはないが起きた世界にはある病気も存在している。
「舞踏病はかいな」
「こっちの世界にもあるんですな」
「そうみたいやな、そういえば」
サンチェスは考える顔になりガルパンに話した。
「舞踏病の原因は」
「小麦に付いた黴のせいで」
「それかストレスとか」
「両方の説が言われてるな」
「実際はどうか」
「そのことは」
「おらっちはそこまで知りませんが」
それでもというのだ。
「絶対に原因があります」
「病気になるにはな」
「原因のない病気はあるか」
「それはないやろ」
「そやさかい」
それでというのだ。
「多分このこと冒険者ギルドにも話がいってますし」
「それでやな」
「おらっちの神託かも知れませんし」
「ギルドの依頼で話があれば」
「なくても見過ごせへんですよね」
「それはな」
その通りだとだ、サンチェスも頷いた。
「舞踏病は死に至る病気やっちゅうし」
「ここは依頼のあるなしに関わらず」
「解決しましょう」
「絶対にな」
こうしたことも話してだった、そのうえで。
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