永遠の行軍
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第三章
「除霊等は出来ないから」
「ちょっとな」
「やはり不向きね」
「どうもな、いや」
ここでだ、リディアは元春に話した。
「バードは除霊の歌もあるわ」
「その歌を歌って」
「それで除霊しよか」
こう言うのだった。
「ここは」
「それでいくのね」
「お二人はかなりレベルが高そうですね」
司教は二人の気配から察して話した。
「百五十を超えておられますね」
「そやで」
その通りだとだ、リディアは司教に答えた。
「それはな」
「もうそこまでのレベルになりますと」
「除霊の歌も強力でやな」
「かなりの除霊が期待出来ますね」
「そやと思うけど。ただ」
「ただ?」
「司教さんみたいな人でも」
レベル七十の彼がというのだ、これが結構以上なレベルであることはリディアもわかっている。上級の天使や悪魔に匹敵するまでだ。
「無理やと」
「どうなるか」
「どんだけ怨念の深い亡霊や」
「そら疫病やのに無理に戦場に送られたら」
元春がリディアに話した。
「怨むやろ」
「それも普段からかなり酷い領主やったみたいやし」
「そのこともあるやろし」
「それでか」
「そうやろ」
「はい、とかく怨まれている領主だったとです」
司教も二人に領主のことを話した。
「今も語り継がれています」
「それでか」
「兵士達もです」
「今も深く怨んでるんやな」
「領主も自分達も死にましたが」
それでもというのだ。
「そうでした」
「そやな、ほなな」
「お二方でもですか」
「その除霊はな」
まさにと言うのだった。
「あたしでもな」
「難しいですね」
「ああ、けどな」
リディアは考える顔になって述べた。
「ここはどないするか」
「そのことはやな」
「考えるか、絶対に除霊出来ん亡霊はおらん」
リディアは言い切った。
「そやからな」
「ここは」
「兵隊さんの亡霊を成仏させる手段がある筈や」
「そういうことやな」
「ああ、けどほんまどうにもならん君主やってんな」
このことをだ、リディアは今実感した。
「最低最悪の」
「浮気性と申し上げましたが」
また司教が話してきた。
「奥方を何人も替えてその都度前の奥方を言い掛かりをつけて」
「処刑してたか」
「姦通しただの謀反を企てた等」
「前の奥さん達をかいな」
「五人処刑しています」
「とんだ外道やな」
リディアはその話を聞いてこのことを再認識した。
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