悪人達がサキュバスに転生しましたが、容姿が見た事のあるキャラばかりでした
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もと兵士は、とある剣姫となる
「「「プギイィッ!プギイイイイイイイイイィッ!」」」
さすが、異世界というべきか。
目の前に化け物共がいた。
空想上の存在が、現実に存在する。
驚きだ。
もっとも驚いただけで、恐怖という感情は湧きでない。
周りを見れば、誰も恐怖を感じていないようだ。
彼ら…いや、彼女達は俺と同じ兵士だったのか?
後で聞いてみよう。
今は、この化け物共だ。
体長は2mを超え、木で作った太い棒を持っている。
顔は醜い豚。
誰かが、オークと言っていた。
服は着ておらず、素っ裸だ。
数は3匹。
オーク共は豚みたいに鳴きながら、俺達をじーっと見て笑う。
戦場で何度か見た事がある。
異性に欲情して、襲ってやろうとしている顔だ。
不快な気分になる。
敵兵なら、2度そんな気が起きないように殺す。
味方なら、馬鹿な事をしないように殴り倒す。
「「「プギイイイイイイイイイィッ!」」」
下半身のアレ。
オーク達の男の象徴が、欲情に反応してそそり立つ。
なるほど。
女性の視点から見ると、こんなにも醜悪に感じるのか。
よし、殺そう。
俺は兵士…だった。
国の為に敵兵を、数え切れない程殺した。
国を裏切った味方を、容赦なく殺した。
俺の手は血塗れだ。
だが、願いを叶える為なら…。
「「「プギイィィッ!プギイッ!」」」
煩い奴らだ。
チート能力が、武の力で良かった。
女性になってしまったが、兵士だった時のように動けるだろう。
魔力で武器を作れると聞いた。
魔力というものが理解できないが、武器が欲しいと念じてみた。
黒い靄が手に集まり、長剣になった。
バスタードソードか。
片手でも両手でも使える剣だ。
銃器が欲しかったが、贅沢は言ってられない。
あるだけマシだ。
それに…。
何故か知らないが、鎧を着ている俺に似合っている。
少々、服も鎧も露出が多いが…。
「死ね。」
オークの首を刎ねる。
凄いな。
身体が軽く、剣の重さを感じない。
力も入れてないのに、あっさりと斬れた。
これが武の力か。
「プギイイィィッ!?」
「息が臭い。黙って死ね。」
続けて、オークの首を刎ねる。
不思議な感じだ。
命を刈り取っても、何も感じない。
相手が化け物だからか?
それとも、俺も化け物になってしまったからか?
「プギギイイイイィッ!」
残りの1匹が、背を向けて逃げ出した。
逃がすか。
跳躍すると、疾風の如く速さで、オークの首を刎ねた。
恐ろしい力だ。
だが、ここでは頼りになる。
「まるで、本物のアイズ・ヴァレンシュタインみたいだ。」
赤毛をポニーテールしている少女が、俺を見て呟いた。
「誰だそれは?」
「ダンまち外伝ソードオラトリア。小説で、その物語の主人公。」
どうやら俺は、ソードなんとかの登場人物と、同じ姿をしているようだ。
他の連中もそうなのか?
その辺りも詳しく聞いてみよう。
異世界で生きる仲間として。
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