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オズのキャプテン船長

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第一幕その九

「身体にもいいしね」
「葡萄だからね」
「そう、林檎も身体にいいけれど」
 シードルの原料のそちらもというのです。
「ワインもいいからね」
「だから飲むのね」
「そうするよ、それでね」
「ワインを飲んで」
「楽しませてもらうよ」
「そうするのね、教授は」
「串カツとご飯を食べながらね」
 是非にという口調でした。
「そうさせてもらうよ」
「何かお酒のお話になると」 
 恵梨香もここまで聞いて述べました。
「皆さん何か」
「どうしたのかな」
「大人の人は夢中になりますね」
「うん、美味しいからね」
 船長はこう恵梨香に答えました。
「だからだよ」
「それで、ですか」
「そう、その為にね」
 まさにそれが理由でというのです。
「皆お酒の話になると弾むんだよ」
「そうなんですね」
「オズの国は子供も多くて」 
 かく言う恵梨香達もトロット達もです、オズの国は可愛らしい男の子や女の子で一杯の国でもあるのです。
「食べない人も多いね」
「かかしさんも樵さんも」
「そう、けれどね」
「お酒を飲める大人の人もいて」
「つまりわし等はだよ」
「お酒が好きだからですか」
「そう、だからね」
 その為にというのです。
「お酒のお話もね」
「楽しまれるんですね」
「そうだよ」
 船長は今は牛乳を飲みつつ恵梨香にお話しました、木のコップは大きくてその中に沢山のミルクがあります。
「そして飲む時もね」
「楽しまれるんですね」
「そういうことだよ」
「そうですか、じゃあ私達もですね」
「大人になったらね」
 その時はというのです。
「楽しむよ」
「そうなんですね」
「わしは結構朝から飲むよ」
「朝からですか」
「そうもしているよ」
「朝から飲むことは」
「船が朝に港に入ると」
 そうなればというのです。
「もう自由だからね」
「お仕事が終わるからですか」
「それで仕事明けとしてだよ」
「飲まれていましたか」
「そう、入稿と停泊を終えて」 
 そしてというのです。
「その後はだよ」
「港を出て」
「そしてだよ」
 そのうえでというのです。
「居酒屋に入って飲んでいたんだ」
「そうでしたか」
「これがまたよくてね」
 朝に飲むことがです。
「秘かな楽しみだったんだ」
「そうですか」
「今はあまり船に乗らなくなって」
 船長は普段は王宮で暮らしています、トロットのお友達なので一緒に王宮の中で暮らしているのです。 
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