デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十七話「復活の兆し」
「さあ、美亜さん。一緒に寝ましょう?」
風呂から上がった美九は待ちきれないとばかりに彼女の手を引き自分の部屋に連れて行く。
「美九、いくら何でも流石に一緒に寝るのは…」
「えー、【いいですよね?】」
「…そうね、いいわよ」
彼女は美九の声のままにベッドに横になる。そんな彼女を逃がさないように美九は上から覆いかぶさる。美九の頬は赤く染まりこれから行う行為を想像し興奮しているようだ。一方の彼女も可笑しいと感じつつ美九に触れられる事に快感を感じつつあった。
そして、美九は優しく甘いキスをする。彼女も親鳥から与えられる餌を啄むひな鳥の様に夢中で唇を合わせる。
やがて、美九の舌が彼女の口内に侵入し中を蹂躙し始めると彼女はそれを甘んじて受け入れされるがままとなる。
美九は口内を蹂躙すると同時に右手で彼女の胸を掴む。そしてこれから濃厚な淫行が行われようとした時であった。
「…っ!?あ、あああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
彼女は突如激しい頭痛に襲われる。両手で頭を抑えながら痛みから逃れようとベッドの上で暴れまわる。
「美亜さん!?大丈夫ですか!?」
突如暴れ始めた彼女に美九は必死に呼びかけるがその声は届かず彼女は目を見開きながらその意識を闇へと落とすのだった。
-ィ…ァ…ッ!
-ヒヒ…ッ!
-ァ、ァァァァァァッ!!!
-…いい加減諦めろ
-貴様は敗者、弱者だ。故にこうやって奪われ、支配される。我ら真の強者の前に貴様はただ蹂躙されるしかないんだよ。
-ほら、どうした?もっと啼けよ。折角の快楽も半減しちまうじゃねぇか。
-次に逃げようとしたら貴様を豚の性処理用にしてやるよ。
-全く、いい加減自分の立場を弁えてほしいな。お前は俺に負けたんだ。そして今お前の全ては俺の者だ。お前は今俺の許可の元息を吸い飯を食い心臓を動かしているんだ。分かったならさっさと淫らに腰を振れ。お前にはそれしか求めていないのだからな。
ああ、
そうだ。思い出した
何で忘れていたのだろう?
あの辛い記憶を
決して許さないと思ったあの憎悪を
再びあの日を取り戻す為に準備をしてきたのに
それを忘れるなんて
…戻らなきゃ
まだここでくじける訳にはいかないから
世界に知らしめなきゃ
鉤十字は健在だと
この世から消えたわけではないと
決して過去の遺物ではないと
さあ、再び高らかに叫ぼう
Heil Hitler!と
「美亜さん、大丈夫ですか?」
気付けば彼女は美九のベッドの上に横になっていた。そして彼女の視界いっぱいに見えるのは最近お世話になっていた美九の顔。
「…ええ、大丈夫よ」
「それは良かったです!それじゃ早速続きを」
美九はそう言って彼女の唇を奪おうとするが彼女はそれを自分の人差し指で彼女の唇を抑え微笑む。
「…ごめんなさい。今日はなんか疲れちゃったみたいだからもう休むわ」
「む~。…分かりました。なら私が添い寝してあげます」
美九は思い通りにいかなかった事で顔を膨らませるが直ぐに機嫌を直してベッドに潜り込んでくる。彼女はこれ以上の拒絶は良くないと判断し美九を止めるような事はしなかった。
明かりが消え横に美九の気配と寝息を感じながら暗い中に僅かに見える天蓋を見つめる。既に彼女の頭の中には今後の予定が作られ始めており同時に美九との関係もある程度どうするのかを決めた。
「…まずは、彼に会わないと」
彼女はそう呟くと瞼を閉じ暗闇へと意識を落としていった。
ページ上へ戻る