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老ソーサラーの恋

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第四章

「そらな」
「七十でもか」
「二十三歳年下やぞ」
「普通二十離れてたらな」
「めっちゃ年上になるやろ」
「確かにな」
「それでや」
 こうママニに話した。
「この人から見たらな」
「若い人か」
「その人を好きになったってことや」
「相手も一人になっておるしのう」
 ソーサラーは二人にさらに言った。
「では断られたらその時でじゃ」
「今からですか」
「行って来る」
 ママニにこう言ってだった、ソーサラーは家の扉を叩いた、その結果はハッピーエンドで彼は新たな伴侶とビルニンコニで新たな暮らしを営むことになった。
 婚姻届けは村での話を終えてソーサラーが新たな妻と共に二人の護衛を受けてビルニンコニに戻ってからすぐに役所に出されてソーサラーは届を出してから家に帰って二人に護衛のお礼の言葉と報酬を受け取った。
 その後でママニはビークに共に街を歩く中で言った。
「確かに恋愛は何歳でもってな」
「言うたな」
「この世界でもな、しかしな」
「自分がこの目で見ることはやな」
「思わんかった、まして九十過ぎてな」
「恋愛とかはか」
「ちょっとな」
 そこまではというのだ。
「思わってなかった」
「そやってんな」
「九十いうたらな」
「正確には九十三歳やな」
「もう寿命やしな」
 それが感じられる年齢だからだというのだ。
「人によっても」
「それでやな」
「流石に枯れてると思ってたわ」
 九十を超えると、というのだ。
「ほんまに」
「あの人金銭欲もなかったしな」
「なくなってたな、それで性欲の方も」
「どう見てもやな」
「なかったさかい」
「もっと言えばなくなってたな」
「それでもやねんな」
 ママニはまた言った。
「ああしてな」
「恋愛はやな」
「するねんな」
「自分で老いらくのって言うてたしな」
「ああ、ほんま今回はな」
「勉強になったか」
「一つ知ったわ」
 こうビークに言うのだった。
「人はそれこそな」
「幾つになってもやな」
「九十超えても」
「恋愛はするな」
「人は何歳でも恋愛する」
「自分が言うた言葉やな」
「そのことを実際に見て」
 そうしてというのだ。
「よおわかったわ」
「そういうことやな」
「そや、ただな」
「ただ?」
「あの人気前よかったさかい」
 ママニは今度は金の話をはじめた。
「もうな」
「それでやな」
「お金かなりあるさかい」
「それでやな」
「これで美味いもん食べに行こうか」
「とはいっても自分そんなに高い店行かんやろ」
 あまり派手な贅沢を好まないママニの気質からだ、ビークは問うた。 
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