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誇り高き女騎士

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第五章

「ここはや」
「私を助けようとしたか」
「そや」
 実際に海に飛び込もうとしていた、それも二人共だ。
「戦やったら隠密にことを運ぶ時とか急ぐ時はな」
「あえてか」
「後で生き返らせてな」
 そうしてというのだ。
「ことを進めたけどな」
「今の様な状況ではか」
「そうした」
 まさにというのだ。
「あたし等はな」
「そうなのか」
「そや、しかしな」
「しかし?」
「自分相当に泳ぎが達者やな」
 重い鎧を身に着けても泳いで船まで戻って来た、それで言うのだ。
「随分と」
「だからそちらの鍛錬もだ」
「してるんか」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「これ位のことは出来る」
「そうなんやな」
「泳ぎが達者なら」
「そうしたことも出来るか」
「そのことを覚えていてくれ」
 こうしたことも話しつつだ、そしてだった。
 ライアはレベッカと共に女騎士を助けて戦い海賊達も掃討した、他の海賊達も倒していき山賊達もだった。
 倒していった、そうして遂にだった。
 全ての賊達を倒して依頼を終えてギルドから報酬と感謝の言葉を受けた後でだった、女騎士は二人に話した。
「この度は何から何まで有り難う」
「いや、こっちこそな」
 まさにとだ、ライアが応えた。
「何かとな」
「私に助けてもらったとか」
「お礼を言うわ」
 こう言うのだった。
「ほんまにな」
「そう言ってくれるか」
「そや」
 まさにというのだ。
「助けてもらったわ」
「そう言ってもらって有り難い、だが」
「だが?」
「私はこの度のことでよくわかった」
 こうライアそしてレベッカに言うのだった。
「私はまだまだ未熟、そのことをだ」
「よくわかったっていうんやな」
「そうだ、まだ修行が必要だ」
「それでか」
「貴殿達との冒険のことを忘れずだ」
 そのうえでというのだ。
「これからもだ」
「修行の旅を続けるんやな」
「そしてだ」
「やがてはやな」
「ヘッセ様のお力になれる騎士になる」
「そのこと期待してるで」
「ではな、また機会があれば会おう」
 こう言ってだった、そのうえで。
 ここで女騎士は兜を脱いだ、そうして二人に素顔を見せたが。
 赤目族のきりっとした美女だった、赤い目に豊かな金髪が眩しい。その顔で二人に言うのだった。
「その時は味方であることを願う」
「こっちこそな、けどな」
「それでもか」
「自分の顔はじめて見たけど」
「めっちゃ美人やな」
 レベッカも言ってきた。
「ほんまに」
「そうだろうか」
「その顔やったらな」
 ライアは女騎士にさらに話した。
「結婚した時も美形の子が出来るで」
「そう言ってくれるか」
「自分に似たな、それでこれからは美人騎士としてな」
「知られるというのか」
「そうなるわ」
「そうだといいがな」
 女騎士はライアの言葉に微笑んで応えた、その笑顔も実に美麗なものだった。 
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