誇り高き女騎士
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第二章
「ヒルデガルト=フォン=シューデンブルグである」
「シューデンブルグさんっていうと」
ライアはその名前を聞いて言った。
「欧州の人か」
「バイエルンで代々伯爵家だ」
「バイエルン、ドイツやな」
「その家の長女でありご当主は兄上が継がれる」
「それであんたは」
「我が主君ヘッセ様に全てを捧げている」
欧州の神星の一人であり五騎星の中でも中心人物と言っていい彼のというのだ。
「この度ヘッセ様のお許しを頂いて己をより高める為にだ」
「冒険者になったか」
「武者修行に出ている」
「それでやな」
「このガーナまで来た、それでだが」
「それで?」
「私は暑くはない」
その全身完全武装の言葉で言うのだった、声は上品なソプラノだ。ソプラノといっても低めのドラマティックである。
「この装備でもな」
「術でもかかってるか」
「それでだ」
その為にとだ、女騎士は答えた。
「これは家に代々伝わる氷の鎧だ」
「それかいな」
「氷の盾、氷の兜と氷の籠手だ」
「完全装備やな」
「そして剣はデモンスレイヤーだ」
悪魔系に強いこの剣だというのだ。
「これも弩当家に代々伝わる」
「そうしたもんやな」
「父上が私がアフリカに行くとお聞きして授けて下さった」
「防御力があってしかもアフリカの暑さにも耐えられる」
「そうした防具ということでな」
「そして武器も奮発したんやな」
「如何にも、そして私自身騎士の職業にあり」
女騎士はそちらの話もした。
「剣も格闘も術もだ」
「どれもやな」
「修行を怠っていない」
そうだというのだ。
「だからだ」
「それでか」
「腕のことも気にしないでくれ、だが依頼の参加者は三人か」
女騎士はここで今自分と話しているライアだけでなくレベッカも見て話した。
「少ないな」
「実はガーナの北の鉱山にモンスターが大発生してな」
ライアがいぶかしむ女騎士に話した。
「そっちに皆いったんや」
「そうなのか」
「冒険者はな、軍隊は軍隊で今は巨人軍に向かってて警察もな」
「その巨人軍とやらにか」
「向かっててな」
それでというのだ。
「山賊や海賊まではな」
「手が回っていないか」
「こうしたこともあるわ、けど三人なら三人でな」
「私はこれまでドラゴンを一人で倒したこともある」
女騎士はライアに胸を張って自身の武勲も話した。
「だからだ」
「安心してええか」
「自信がある、では共に行こう」
こう言ってだった、ライアとレベッカは女騎士と共にアクラ近郊の山賊や海賊の征伐にかかった。三人だけだったが警察や軍隊から地図や山賊や海賊達だけでなく周辺に出没するモンスター達のことも聞いてだった。
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