| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

鏡合わせの如く

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

 そのうえで教団の者達が襲って来るのを待っていた、すると二人が依頼を受けて三日後にであった。
 深夜に家の壁に仕掛けてあった道具に反応があった、それで起きて見張りをしていたカブラルは寝ていたアダルジーザを起こして話した。
「来たで」
「遂にか」
「後は出来るだけ活かしてな」
「一人残らず倒すか」
「そうしてな」 
 そのうえでというのだ。
「捕まえた奴からアジトの場所を聞き出して」
「そしてや」
「アジトに入ろうな」
「それでは」
 こうした話をしてだった、二人は官邸の中で身構えた。双子も起こして家の応接間にいてもらった。そうして教団の者達との戦いに入ったが。
 カブラルは農民、アダルジーザは大工で戦闘向きの職業ではない、だが二人共星の者だけあってそれなり以上に戦えた。少なくともレベル一五〇を優に超えている二人にとってその辺りの者達なぞものの数ではなかった。
 それで教団の者達を片っ端から気絶させていったが。
 教団の者達のうち二人が双子のいる応接間にまで至った、カブラルが急行して彼等をすぐに倒そうとしたが。
 妹が術で動きを止め姉が素早い動きで教団の者達にナイフを投げて彼等を倒した、カブラルは双子の見事な連携を見て笑って言った。
「わかっていたから」
「私達が入れ替わっている」
「そのことにですか」
「黒子の位置でな」 
 見ればシャーマンの服を着ている方の右耳に黒子がありシーフの服を着ている方の左耳に黒子があった。
「それで相手を攪乱させたか」
「影武者ではないですが」
「咄嗟にはわからないですよね」
「それで、です」
「少し細工をしてみました」
 双子もこうカブラルに答えた。
「上手いったみたいですね」
「少なくとも攫われずに済みました」
「そやな、ほなこれからは捕虜を尋問するけれど」
 術で相手の脳裏を読んでだ、こうした術も存在するのだ。
「それが終わってからちょっとアジトに行ってくるわ」
「その時は私達も」
「同行させて下さい」
「二人より四人の方が強い筈ですし」
「ですから」
「そやな、しかも君等がそうして入れ替わってるとか相手は夢にも思わんし」
 このことからもだ、カブラルは考えてそうして答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧