ゾンビにならなかったドラゴン
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第二章
「防毒マスクか」
「これ着けてな」
見ればザリガニの種類の甲殻人のものと象人のものの二つ、まさに自分達のものの棒毒マスクだった。
「行こうか」
「段々匂いが強くなってきてるしな」
「そやからな」
「これ以上臭くなるとな」
「モンスターとの戦闘どころやないな」
「そやからな」
それが為にというのだ、
「ここはや」
「防毒マスク被って」
「そうしていこうな」
もう遠くのドラゴンの骸が見えていた、見れば近くに街がある。ここまで匂っていることから街の苦労は一目瞭然だった。
その街を救う為にもだった、クルマはウスマンと共にドラゴンの骸に近付いた。流石に防毒マスクをしていると匂いは気にならない。
だがそれでもだった、防毒マスクはお世辞にも着けていて快適なものではなく二人共このことには不快に思っていた。だが悪臭を嗅ぐよりはましだと思いつつ。
マスクを着けたまま先に進んでいた、すると。
ジャイアントフライやキャリオンクローラー等屍に群がる獣やそういったモンスター達が出て来た、肥喰らいや粘液獣といった不潔なモンスター達までいる。
しかもモンスターとしてのゾンビやスケルトン等様々なアンデット達もいた、クルマはそういったモンスター達も見て言った。
「陰陽師はああいった連中にも強い」
「アンデット達にもやな」
「そのことが幸いしそうやな」
「そやな、ほなここはやな」
「それがしがメインでいってええな」
戦闘はというのだ。
「そうしてええな」
「ああ、頼むわ」
これがウスマンの返事だった、そうしてだった。
クルマは自分が先に出て獣やモンスター達を倒していった、ウスマンはそのサポートに回って共に戦った。
ドラゴンの骸に行くともうアンデットモンスター達が占領し要塞の様になっていた、ドラゴンの鱗は硬度を保ったままで鋼鉄の壁に匹敵するものであった。
それでだ、クルマはウスマンに話した。
「ドラゴンの口から中に入ってな」
「そうしてやな」
「中にいるアンデット達倒してくか、そして」
「中からやな」
「ドラゴンの骸燃やすか」
「死体は燃やすってことやな」
「アンデット達を掃討してからな」
それが済んでからというのだ、こう話してだった。
クルマはウスマンと共にドラゴンの口から身体の中に入っていった、腐った身体の中は迷宮になっており複雑な状況になっていた。
二人はその中でモンスター達を倒していきその胃の中では多くのアイテムを手に入れもした、モンスター特にアンデット達は多く。
それで二人も苦労したが何とかモンスター達を掃討した、そうしてだった。
二人はまずはドラゴンの身体の中の隅から隅まで油を撒いた、この時クルマはウスマンにこんなことを言った。
「爆発溶かさせずにな」
「純粋に燃やすな」
「そや、ガスも充満してるが」
屍から出ているものであることは言うまでもない。
「このガスは錬金術の術で相殺して」
「燃やした時に引火して爆発せん様にせんとな」
「若し爆発すれば」
屍から出ているガスに引火してだ。
「街に危害が及びかねん」
「そやからやな」
「ガスは消して」
錬金術師の術でというのだ。
「そうしてや」
「そのうえでやな」
「燃やすで」
「わかったわ」
ウスマンも同意して頷く、そうしてだった。
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