レーヴァティン
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第百十七話 西の端へその三
術を使う魔道部隊は双葉、斥候は淳二、治療は源三、獣部隊は留奈そして砲兵は自ら率いたがマリオに出陣の時に言った。
「内政頼むな」
「南岸のですね」
「ああ、早速な」
「カルタゴを軸として」
「南岸の内政をしていきたいからな」
ヌミディアを降して少し落ち着いたからだというのだ。
「俺達は攻めるけれどな」
「私はカルタゴに留まり」
「そしてな」
「南岸の内政をですね」
「頼むな、それで留守を守る軍勢はな」
今度はジュゼッペに対して言った。
「頼むな」
「それでは」
「俺達は総出で行くからな」
見れば美奈代や清音も幕僚として参加している。
「留守はな」
「任せてくれますか」
「我等に」
「ああ、お前等ならな」
間違いない、そうした言葉だった。
「大丈夫だからな、東で何かあってもな」
「今はですね」
「動かないことですね」
「ああ、兵も少ないしな」
カルタゴに残す彼等はというのだ、水軍は芳直が率いて出港しようとしている。
「迂闊にはな」
「兵を出さずに」
「カルタゴを守ってくれよ」
「その近辺の諸都市や村々も」
「出来たらな、ただ死守するのはな」
絶対に守るべき場所はというのだ。
「やっぱりな」
「カルタゴですね」
「ああ、だからな」
「そのことは念頭に置いて」
「そのうえでな」
「留守を、ですね」
「守ってくれよ」
こうジュゼッペに言うのだった。
「しっかりとな」
「それでは」
「それで政はな」
久志はマリオにも言った。
「これまで通りな」
「はい、内政をですね」
「頼むな、街の城壁もな」
こちらもというのだ。
「耐魔属性も備えさせてな」
「改築を、ですね」
「してくれよ、このカルタゴも三重の城壁があってな」
それがカルタゴの守りの要だ。
「城壁破っても農園あってな」
「守りはかなりのものですね」
「難攻不落って言っていい位だしな」
「そうそうなことでは攻め落とせないですね」
「ああ、だからしっかり守ってるとな」
それでというのだ。
「大丈夫だろ」
「はい、それはです」
ジュゼッペがまた答えた。
「ここに残る兵で守っていれば」
「充分に守れるよな」
「かなりの数の軍勢が来ても」
「だからな」
それでというのだ。
「しっかり守ってな」
「攻めない」
「そうしてくれよ」
「それでは」
「まあ東の諸勢力で降る勢力はな」
久志はそうした勢力も出る可能性も考えて話した。
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