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原作(オリジナル)の主人公、略してオリ主

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第08話 高町なのは最初の挨拶 前編なの(高町なのは@6歳)

 
前書き
 
何故かやたらとノリが良いクラスになった。

<注:>
この項にて、作者の意図に反する形(錯誤)により、不適切な表現を掲載してしまっておりました。
慎んで、表現を改めさせていただきます。誠に申し訳御座いません。これからはより丁寧な推敲を心がけます。
サイト運営者の肥前のポチ様、利用者の皆様方へ不快の念を抱かせてしまったことを改めてお詫びさせていただきます。
ご迷惑をおかけしてあい済みませんでした。 -12.07.26-

 

 
 入学式開会宣言、校長式辞、PTA会長の祝辞、同窓会代表の祝辞、祝電披露、在校生歓迎の言葉、新入生入学挨拶、新入生保護者挨拶、閉会宣言・・・・・・怒涛の社交辞令ラッシュに耐えた新兵達は今、教室へ戻り担任の到着を待っている。
保育園&幼稚園時代からの友人と再会し会話に花を咲かせる者、読書に勤しむ者、見知った顔はおらず、さりとて周囲の人間にも上手く話しかけられず挙動不審になっている者、、、十人十色の時間を新兵達は過ごしているようだ。
無論、我らがなのはさんはぼっち組であり挙動不審組に所属している。読者の期待を裏切らぬ安定のなのはさんである。子どもあつかいしないで(笑)

 そして今、そんなぼっち組どもへの福音をもたらす御使いが1年1組の教室へ到着した。担任の先生である。
大山ノブ子、花も恥らう2じぅペケ歳。彼女が鳴らすオリエンテーション《自己紹介》開始の鐘こそが福音。
与えられたアピールタイムを精一杯活用し、クラスメートの関心を引くことこそが友人獲得の第一歩となるのだ。
果たしてなのはさんは効率的で効果的な時間の運用が出来るのだろうか?うん、無茶振り?無理ゲー?なの破産?まあそう言わずに、まずは様子を見てみよう。


「私の名前は月村すずかです。趣味は読書と音楽鑑賞です。これから1年間よろしくお願いします。」


 早速自己紹介が始まったようである。どうやら出席番号順ではなく、現在生徒達が思い思いに座っている席のまま、右端の生徒から順に自己紹介を行い、その後に席替えまで敢行するようだ。
これは、既に大山教師の中では受け持つ生徒の顔と名前が一致しているということか。流石は私立の教師、なかなか有能である――そういえば、入学式の時も国歌斉唱で起立を拒否するアホは居なかった。おっと・・・


「アリサ・バニングスよ。将来の夢は企業経営者。皆さんとは、有益なお付き合いが出来ることを願ってますわ。」


 この時、大山教師はorz状態になっていた。自分の薄給とアリサの将来の収入を想像して比較してしまったのだろうか?
貴女も一教師としては、十分な額を貰っていると思うのだが。
――そうこうしているうちに我らがなのはさんの自己紹介タイムがやってきたようだ。


「あの、なのははなのはなの。」


 Oh... すずか嬢、アリサ嬢の自己紹介と比べると、おつむの残念さが際立t、ゲフンゲフン、年齢相応で可愛らしい・・・そんな出だしのお言葉である。
やはり、なのはさんも相当緊張しているのだろう。実際、表情からも凄まじい焦りが感じられる。というか、既に半分涙目になっている。
そんななのはさんは助けを求めるかのように――実際求めているのだろう――キョロキョロと周囲を見回し、アリサ・バニングス嬢と目を合わせた。 ――合わせてしまった。(後日のアリサ嬢の言)
そして、ハッと素晴らしい言葉《アイディア》が閃いたような顔をするなのはさん。一体何を仰るつもりなのだろうか?


「な、なのははアリサちゃんとお友達になりたいの。アリサちゃん、なのはとお友達になってください!」


目に涙を浮かべ、プルプルと体を震わせながら真っ赤な顔で唐突にそう言い放ったなのはさん。さながら、愛の告白である。
本人的にははやてちゃんの時のO☆MO☆RA☆SHIメモリーが半ばトラウマと化しているので、ただ単に必死なだけなのだが・・・
ともあれ、そんななのはさんの大胆極まりないアプローチに、アリサ嬢のツンとした澄まし顔は0コンマ1秒と保たずに崩壊させられた。
小学一年生のポーカーフェイスなぞ、所詮そんなもんである。


「んなっ、なっ、なっ、あ、あんた、いきなり何を言ってるのよ!
 じょ、状況を考えなさいよ!!」


荒々しく席を立ち、テンプレ的ツンデレ回答をするアリサ。素直になれないのもわかるが、お前が素直にならないとヤバイ状況だと気付いて欲しい。
既になのはの涙目に気付いた周囲の席の子らはキョドり始めたり、担任へSOS信号(・・・ ― ― ― ・・・)を送り始めたりしている。寺カオス。
そして大山教師は可愛い小動物を見守るような目でニコニコ《あらあらウフフ》していた。こんな担任で大丈夫か?


「だ、駄目なの?」


最早なのはの涙腺は決壊寸前。しかし、決壊寸前ということはまだ決壊してないということである。
明らかに、はやての時より我慢強くなっているなのはさん。なのはさんも日々成長しているのだ。


「べっ、別に駄目なんて言ってないでしょ!
 ・・・あ、あんたがどうしても友達になりたいみたいだから友達になってあげるわよ!!
 感謝しなさいよね。ふ、ふ、ふん。」


そして近年稀に見る超絶的上から目線でなのはの友達オファーを受諾するアリサ。
しかし、誰から見ても――涙をこらえるのに必死だったなのはから見てすら――凄まじく嬉しそうな表情を浮かべているのだが、アリサ本人はポーカーフェイス(笑)を保っているつもりである。
最後に吐いた悪態も、悪態というより鼻歌のような何かにしか聞こえなかったのだが、知らぬは当人ばかりなり。
ともあれ、そんな真っ直ぐな反応を見てなのはさんが喜ばないわけがない。


「あっ・・・うん・・・・・・うん!よろしくね!アリサちゃん!!」


満面の笑みで、なのはさんはアリサにそう返した。ついでに涙も少し溢れていたが、これは嬉し涙だからセーフである。
そんななのはさんのエンジェルスマイルに直撃されたアリサは耳まで真っ赤になり、机にダイブして顔を隠した。ツンデレ級航空母艦アリサ、轟沈。
実に微笑ましく、感動的な一連の流れであった。大山教師はガッツポーズをしていた。(オイ



 ――そんな光景を見せられて、俺も、と影響を受けたのだろうか。はたまた生来のノリの良さであろうか。
ともあれ、なのはさんの次の子の自己紹介はなかなかにユニークであった。


「俺の名前は山田直樹。そして隣の席のお前!名前は何て言うんだ?俺と友達になろうぜ!!」


 その後、山田君の軽いノリに触発されたのか、連鎖的に「友達になろうぜ!」な自己紹介が始まった。
もはや自己紹介の名を借りた別のナニカであるが、ぼっち組の大幅削減に貢献したのは事実なわけで・・・・・・

ちなみに、山田くんが言うところの「隣の席のお前」は、神崎晶子さんという名前の女子生徒だった。山田直樹、1年1組公認の勇者の名である。




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 波乱含みのオリエンテーションも終わり、1年1組の生徒達は三々五々に帰宅を始めて・・・いなかった。
公認《オフィシャル》勇者、山田直樹が放課後サッカー大会の開催を宣言したためである。
それに素早く反応した周囲の生徒――なのはさんとか、なのはさんとか、あとなのはさんとか――が賛意と参加を表明。
またもや自己紹介の時のような連鎖反応が発生し、クラスの大半の生徒が参加する運びとなったのである。1年1組、ノリが良すぎないか?

 しかし、大半の生徒が、ということは参加しない子もいるということである。それは一体どんな生徒なのであろうか?
――何を隠そう、その生徒とは月村すずか嬢であった。自己紹介《友達になろうぜ!》の際にも、無関心を装い、孤高を貫いた筋金入りの御嬢様《ミレディ》である。
そして現在の月村すずか嬢はマイペースに帰宅の準備を終わらせ、小さな背中に孤独と寂寥と哀愁をプンプン漂わせながら教室より離脱しつつあった。
そんな哀★戦士の存在になど全く気付く素振りを見せず、公園で開催される運びとなったサッカー大会へ思いを馳せるなのはさん。つ、使えねえ、、、役立たず、穀潰しとしか言い様がないふざけた転生者である。

 もっとも、なのはさんは現時点で既にほとんど全ての前世記憶を失ってしまっていたのだ。『シナリオ』のことすら一部の例外を除けば高貴に言及されでもしない限りろくに思い出せないご覧の有様。
この事実に関して八神雷電と藤原高貴は考察の段階を終え、有力な仮説を立てるに至って――そしてそれは正鵠を射て――いたのだが、、、ともあれ、肝要なのは、なのはさんには既にそこら辺の小学一年生とほとんど変わらない基礎スペックしかないという一事である。いや、むしろ早生まれな分だけそこらの小学一年生にも劣るスペックでしかない。
幼い精神と体に宿った世界を根底から揺るがしかねない異能の力・・・それが高町なのはの現状であり、藤原高貴の苦悩のほぼ全てであり、無窮の次元世界において最高クラスの頭脳を持つ八神雷電をして「最悪の不発弾」と言うよりない現実《リアル》であった。

 閑話休題。
スクープ!役立たずのなのはさんに代わってすずか嬢を気遣うエンジェルが1年1組の教室には存在した!!其は誰ぞや?
それは、アリサ・バニングス嬢だ。1年1組に唯一残った天然記念物級エリートぼっちを気遣う、心優しき金髪ツンデレ洋ロリ。まさに天使。
もっともアリサのこれは、なのはさんのおかげでぼっち組をいち早く脱したことによる心の余裕がなせる業でもあるのかも知れない。
『シナリオ』においては、ぼっち組《負け犬》同士の微妙な距離感が、仲良くなりたい子に意地悪をするという歪んだ行為《好意》につながったのだろう。


「ちょっとあんた!何勝手に帰ろうとしてるのよ!!
 あんた一人だけ参加しないなんて許されないんだからねっ!」

「私はいいよ。。。」

「何が良いのよ?!私は参加しなさい、って言ってるのよ!
 参加するわね?参加するでしょ?はい、決定。じゃ、2時にxx公園に来なさい。
 来なかったらただじゃ済まさないからね!」


こ、心優しき・・・こ、心の余裕・・・・・・ちょっと、早く誰かフォローしてあげテ!


「あ、あの・・・なのはも、すずかちゃんと一緒に遊びたいな。
 すずかちゃんは、サッカー嫌い?
 た、楽しいよ?サッカー。あ、なのはのポジションは右サイドバックなの。
 なのははおーばーらっぷが上手いってコウくんによく褒められるんだ。にゃはは。」


どうやら、アリサとすずかの言い争い?に気付いたなのはさんがフォローに入ったようである。――あなたが、真の天使でしたか。・・・明らかにオーバーラップの意味がわかってなさそうなのはこの際問題ではない。
そして、そんな気遣わしげな――すずかとアリサの顔色をキョロキョロと窺っている――なのはさんをチラリと一瞥したすずか嬢は、無言で首を縦に振り、参加オファーの受諾を表明した。
3人の間にホッとしたような空気が流れる。ちなみに、アリサ嬢が一番ホッとした様な顔をしていたりする。ツンデレの鑑である。


 気の強そうな子――アリサ――はともかく、この気弱そうな子――なのは――は、夜の一族《バケモノ》の身体能力《チカラ》を見れば、すぐに私を恐れ、離れていくに違いない・・・そしてなのはの友人のアリサもそれに従って離れていくだろう。。。どうせ拒絶されるのなら、早い方が良いよね。。。。

そんなネガティブ丸出しの考えに基づくオファーの受諾だったりしたのだが、なのはさんとアリサがそんなすずかの心情を知るはずもなく。
微妙な温度差を内部に抱え、1年1組の児童達は放課後のサッカータイムへ突入するのであった。


 
 

 
後書き
 
最初、某マヴラヴの幼馴染カップルを「リア充爆発しろ@小学生夫婦だよ」にキャラ壊変してぶっこんだら、なのはさんの足が粉砕されるリョナ展開になったんだぜ・・・
足を抱えながら泣いてO☆MO☆RA☆SHIするなのはさんと、それを見て冷笑しながら追い詰めにかかるヤンデレSUMIKA・・・・・・収拾がつかなくなってボツに。
だって、なのはさんの心が折られちゃったんだもん。いきなりなのはさんが登校拒否ルートとかもうどうするんだよっていうwww
モブキャラを考えるのが難しいからと安易に他作品キャラをネタにしてはいけない、拙はそう学習したのでござる。


>「我の名前は鑑純夏。非才の身ながら、北辰一刀流薙刀術皆伝の名乗りを許されている。座右の銘は、千日の稽古を鍛とし万日の稽古を練とす、だ。
> 己が力を持て余している者、日々の生活に刺激が感じられない者などは、我にかかってくるが良い。
> この鑑純夏は何時、なんどき、誰の挑戦でも受ける。。。
>
> ――ああ、愛しているものはタケルちゃんの全て。殺したいほど嫌いなものはタケルちゃんに手を出すバカ女。
> 我が薙刀の錆になりたい自殺志願者以外はタケルちゃんに近付かないことを推奨する。
> こんなところだな。」

これがSUMIKAさんの自己紹介でした。
作者の中ではなのはさんとの熱いバトル展開の末に友情が成立する予定だったのだが、何故かSUMIKAさんがなのはさんを一方的にタケルちゃんに手を出すバカ女認定して、何の武器も持たないなのはさんに不意打ちをかまし足を粉砕。バトル展開(笑)
ガチ目前へ迫った死の恐怖にガクブル状態のなのはさんが某竹林のニート姫が如く「コウくん、コウくん、たすけてコウくん」のインターセプトスペルを発動したことで、SUMIKAさんが勘違いに気付いて何とか命拾い。
しかし、足の骨と心をポッキリ折られたなのはさんは病院で超鬱自閉モードに突入。
退院後には登校拒否を発動し、コウくんと同じ学校じゃなきゃヤダヤダヤダ!と駄々をこねて転校ってところでボツにした。
うん、どう考えてもなのはさんにヤンデレ地雷を回避して友情成立なんて無理ゲーだった。新たなトラウマを植えつけただけだった。

結論:アリサたんマジ天使。



 
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