レーヴァティン
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第百十六話 騎馬民族平定その五
「その時に来てか」
「攻めてきますね」
「この度は」
「明け方、夜が明けるその時に」
「夜が終わった時に」
「その時がな」
まさにとだ、久志は言った。
「一番気が抜けるからな」
「夜襲を警戒していてですね」
「その夜がやっと終われば」
「その時はですね」
「一番気が抜けますね」
「そしてその時こそ」
「攻め時だな、じゃあな」
明け方と聞いてだ、久志はあらためて言った。
「今は警戒をしつつもな」
「休んでいいですか」
「交代で」
「そうしていいですか」
「ああ、お前等も今は休んでくれ」
戻って来た斥候達にだ、久志はこうも言った。
「いいな」
「そしてですね」
「そのうえで」
「明け方にはですね」
「我等も」
「戦ってくれよ、敵はな」
それこそというのだ。
「来るからな」
「左様ですね」
「明け方にこそ」
「だからですね」
「その時に備えて」
「我々も」
「休んでくれよ、しかし夜襲よりもな」
つまり今の様な時に攻めるよりもというのだ。
「本当にな」
「明け方ね」
留奈も言ってきた。
「厄介な時は」
「全くですね」
「その時に攻められますと」
「一番厄介ですね」
「夜が終わるその時が」
「本当に気が抜けてな」
それにというのだ、久志はまた斥候達と話した。
「一番疲れも出るよな」
「夜襲を警戒して夜の間気を張り」
「起きてもいてです」
「ようやくそれが終わると思い」
「疲れもですね」
「本当に出るな、けれどな」
その時に敵が来るとわかっていればというのだ、敵の動きを読んで。
「こっちも考えてるんだよ」
「そうね、完全な戦術もないし」
また留奈が応えた。
「攻める時にしても」
「明け方でもな」
「対処の仕方があるわね」
「先にわかっていたらな」
まさにそれに尽きた。
「戦えてな」
「勝てるわね」
「それをしてやるさ、敵が来たら」
明け方にというのだ。
「いきなり返り討ちにしてな」
「機先を制して」
「それからな」
「倒していくわね」
「鉄砲に大砲にな」
「手榴弾もね」
「使うな、弓矢も騎馬隊もな」
そうしたものもというのだ。
「使ってな」
「いきなり倒すわね」
「そうしてやるな、敵は明け方に来て」
そしてというのだ。
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