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ある晴れた日に

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630部分:桜の枝を揺さぶってその八


桜の枝を揺さぶってその八

「本当にただの友達なんだから」
「それも高校に入ってから知り合ったし」
「あっ、それは違うわね」
 明日夢はここで自分の言葉を訂正させた。
「前から知ってたわ」
「そうそう、中学校の時からね」
「塾も一緒だったっけ」
「確かね」
 明日夢と凛はここで顔を見合わせて言い合う。
「私と茜は塾じゃ三組だったけれど」
「私達は皆四組だったのよ」
 二人と五人であった。この場合は。
「それで恵美は塾には通ってなくて」
「未晴は一組でね」
「安橋はその時から孤高っぽかったんだな」
 佐々がそれを聞いて言った。
「塾には通ってなかったのか」
「そういうの好きじゃないから」
 その恵美からの返事である。
「だから家で勉強してなのよ」
「それであそこまでか」
「やっぱり凄いな」
「だよな」
 野茂と坪本、坂上がそれぞれそれを聞いて述べた。
「まあこの五人はな」
「この学校入学したのもやっぱり竹林頼りか?」
「五人共四組って何なんだよ」
「七組あるうちの四組なんだけれど」
 静華が男組にむっとした顔で反論する。
「それだとそんなに滅茶苦茶悪くないでしょ」
「そうだよ。うちだってそれなりに頑張ってたんだぜ」
「咲だってね」
 春華と咲もそこはムキになっていた。
「今だってよ。ちゃんとやってよ」
「赤点は取ってないから」
「そうかよ。しかし竹林って一組だったのかよ」
 野本はそれを聞いてそのうえでこう言うのだった。
「それだともっといい学校行けたんじゃねえのか?」
「私達と同じ学校にしてくれたのよ」
 奈々瀬がここで言う。
「私達にね」
「流石は未晴ね」
 茜はそれを聞いて素直に賞賛の言葉を出した。
「頭の悪い友達に合わせて」
「頭が悪いってのは余計よ」
 また静華がむくれた顔で言葉を返す。
「だから私達だって真面目に勉強したんだから」
「じゃあ竹林に勉強教えてもらわなかったのか?」
「いや、それはまあ」
「それはね、ちょっとね」
「何て言うかね」
「だよなあ」
「かなり」
 今の野本の突っ込みには静華だけでなく五人全員が視線を逸らしてあらぬ方向を向いた。あからさまに過去を認める動作であった。
「ほら、未晴って優しくてね」
「言われなくても親切に来てくれて」
「要点とかも教えてくれるし」
「テスト前はノート貸してくれてな」
「だから。まあ」
「やっぱりそうじゃねえかよ」
 野本は呆れながらまた五人に返した。
「俺を見習え俺を、テスト勉強なんかしねえぞ」
「それ自慢できるの?」
 彼の右にいた桐生が速攻で突っ込みを入れた。
「だから毎回赤点スレスレか赤点なんだ」
「卒業できりゃいいんだよ」
 こう言って悪びれない彼だった。
「こいつマネージャーにしてダンサー兼ミュージシャンとしてやってくからな」
「僕何も言ってないけれど」
 勝手にマネージャーにされた従兄弟もすぐに言葉を返した。
 
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