おぢばにおかえり
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第五十三話 おさづけの理その二十
「それで阿波野君が一緒になったって」
「よかったですか」
「一人で行くよりはね」
今は素直にこう思っています。
「安全だし何よりも寂しくないし」
「いいんですね」
「ええ、じゃあ寮までお願いね」
「そうさせてもらいます、そういえば」
私の方を見てこうも言ってきました。
「僕入学してから先輩と一緒によく歩いてますね」
「そうね、それはね」
「嬉しいですね」
「嬉しいの?」
「はい、とても」
妙に嬉しそうに言ってきました。
「やっぱりいいですね」
「何がいいのよ、それ会った時から言ってるけれど」
「実際に嬉しいですから」
「それで言うの?」
「そうですよ」
「本当に変な子ね、けれど女の子はやっぱり夜道一人で歩くものじゃないわね」
このことは今の商店街の寂しさから実感しました、こんなところで何かあったらそれこそと思いまして。
「本当に」
「ですから白石さんも言ってくれたんですね」
「そうね、じゃあこれから機会があったらね」
「先輩のボディーガードにですね」
「お願い出来る?」
阿波野君にお顔を向けて尋ねました。
「これからもね」
「はい、先輩の為でしたら」
いつもよりも真剣な調子での返事でした。
「是非共」
「それじゃあね」
「先輩に何かあったら」
本当にいつも以上に真剣なお顔での返事でした。
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