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まずすべきこと

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第一章

               まずすべきこと
 バビロニアの王ハンムラビは即位してすぐにだ、廷臣達に言った。
「アッシリアと結んでだ」
「そしてですか」
「そのうえで、ですか」
「アッシリアとは戦わない」
「そうされますか」
「そうだ、あの国は強い」 
 アッシリア、この国はというのだ。
「かなり強い、それでだ」
「戦いを避けますか」
「そうしますか」
「今は」
「それを避けますか」
「そうだ、避けてだ」
 そのうえでというのだ。
「今は力を蓄えるのだ」
「政治ですか」
「それを行い」
「畑や街を整えるのですね」
「そうだ、間違ってもアッシリアと戦ってはならない」
 それは何としても避けるというのだった。
「いいな」
「わかりました、ではです」
「すぐにアッシリアに使者を送りましょう」
「そしてあの国と結び」
「そのうえで」
「畑を増やしてだ」 
 領内のチグリス=ユーフラテス川とその支流に面しているそこにというのだ。
「そうしてだ」
「街もですね」
「そちらも整えますね」
「今は」
「戦よりも」
「無論軍は整える」
 王は厳粛な声で話した。
「しかし攻めぬ」
「国を守りますか」
「領内を」
「それに務めますか」
「そうせよ、後は城壁をだ」
 街を囲み守っているそれをというのだ。
「整え堀も深くせよ」
「とかく守りに徹しますか」
「今はその様にする」
「戦を選ばず」
「そちらに」
「そうしていく」
 こう言って実際にだった、ハンムラビ王はアッシリアと結びこの強大な北の軍事大国と戦うことを避けそちらからの憂いをなくすと共にだった。
 畑や街を整え増やし軍も整え街の城壁は壊れているものは修繕し高く厚くして堀も深く広いものにしていった。だが攻めることはだった。
 控えた、そうするとだった。
 都であるバビロンを中心として国は力をつけて他の国より強いものになった。ここで彼はさらにだった。
 法を整えた、それで言うのだった。
「ではだ」
「はい、これからですね」
「今からですね」
「遂にですな」
「ここは」
「そうだ、まずは南だ」
 北のアッシリアではなく、というのだ。
「いいな」
「ラルサですか」
「あの国を攻めていきますか」
「その様にしていきますか」
「攻める時はだ」
 王の言葉は威厳があり厳粛だった、それは王のものに相応しいものだった。
「多くの敵を攻めないことだ」
「絞るのですね」
「特定の敵に」
「あらゆる敵ではなく」
「敵を絞り」
「そこに軍勢を集中させますか」
「そうする、だからラルサだ」
 南のこの国だというのだ、こう言ってだった。 
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