首無し女の言葉
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第一章
首無し女の言葉
ジマール=ファラーとウングラニ=ホンワナは今はファラーの神託でソマリアのモガジシオに来ていた、ファラーは街に入るとホンワナと共に街のギルドに入って旅の冒険者だと素性を隠してそのうえで依頼の一つを見てホンワナに言った。
「この依頼ですね」
「そうか」
「はい、首無し女の亡霊を成仏させる」
「近頃このモガジシオの街を夜な夜な徘徊している」
「怪しいことこの上ないですが」
それでもとだ、ファラーは言うのだった。
「この依頼がです」
「あんたの神託やな」
「そう思いますさかい」
それ故にというのだ。
「受けようと思ってます」
「わかった、ほなな」
それならとだ、ホンワナも同意して頷いた。そうしてだった。
二人で共にだった、ギルドの事務員に依頼を受けると言ってだった。
首無し女のことを調べだした、すると調べると奇怪なことがわかった。
「おかしいことはです」
「どんな僧侶や神官、そうした職業のモンが成仏させようとしてもな」
「ディスペルで」
呪われた魂を解放しようとしてもというのだ。
「そうしようとしてもです」
「効果がない」
「このことがです」
どうにもというのだ。
「気になりますね」
「アンデットに効果がある術も一切効果がない」
「術への耐性の強いモンスターでしょうか」
「その可能性があるか」
ホンワナは天狗族の顔をいぶかしめさせてゴーストであるファラーに言った。
「その実は」
「首無しのモンスターといいますと」
どうしてもとだ、ファラーは言った。二人は今は街の図書館で様々な情報を手に入れてつつ話しているのだ。首無し女のそれを。
「どうしてもです」
「アンデットと思うな」
「私もです」
ファラー自身もというのだ。
「そう考えていましたが」
「それがやな」
「違うかも知れませんね」
「ほなどうする」
「この場合は」
ファラーの目が光った、ゴーストであるから肉体はなく透けた身体のその目がそうなった。尚ゴーストでもものは持てるので今は新聞を持ってそれでその首無し女のことをしっかりと調べているのだ。
「ご本人に聞きましょう」
「首無し女自身に」
「そうしてです」
そのうえでというのだ。
「事情を確かめましょう」
「事情を聞きたいならこの場合はか」
「本人に聞けばいいでしょう」
「思い切った考えやな」
「鉱山にいますと即断即決です」
「それが必要やからか」
「はい、まさに即座にです」
こうホンワナに言うのだ。
「その中では」
「さもないとやな」
「鉱山は落盤等事故も多いので」
それでというのだ。
「危険が多いので」
「迷わんか」
「はい、では」
「今夜にもか」
「首無し女に会いましょう」
「よし、ほなな」
ホンワナはファラーのその考えに頷いた、そうしてだった。彼と行動を共にすることにした。それでだった。
ファラーはこの夜ホンワナと共に夜の街を歩き首無し女を探した、女のことが話題になっていて夜に出歩く者はいなくなっていた。
このことについてだ、ファラーは夜の街を見回りつつホンワナに話した。
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