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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第十幕その二

 ですがここで、でした。先生は少し苦笑いになってこうも言いました。
「イギリス人にカルボナーラが生み出せるか」
「ナポリタンとかね」
「そう言われるとね」
「よく食べものは駄目って言われるけれど」
「実際に僕達も来日してから美味しいもの一杯食べてるしね」
「このカルボナーラだってね」
「そう思うと」
 本当にと言うのでした。
「残念だね」
「文学でも紅茶とかビスケットとかね」
「何か質素な感じなんだよね」
「作者さんの好みにしても」
「それでもね」
「うん、ルイス=キャロルさんとかね」
 この人はといいますと。
「凄く質素だったそうだし」
「本当に紅茶とビスケットだけだったとかね」
「一回の食事がね」
「半端じゃなく質素だね」
「今の僕達からしてみれば想像も出来ないよ」
「修道僧の人でもそんなに質素じゃないかも」
「イギリスはあらゆる文化が花咲いた国だよ」
 イギリス人として先生も嬉しく思っていることです。
「文学、科学、医学、生物学とね」
「そうなんだよね」
「ニュートンさんも出たしね」
「シェークスピアさんにコナン=ドイルさん」
「医学はジェンナーさん」
「凄い人が一杯出たね」
「イギリス文学たるやね」
 まさにと言う先生でした。
「純文学、戦記、推理、詩、童話。ファンタジーも生まれたしね」
「ホーンブロワー提督なんか素敵だよね」
「あの人の格好よさときたら」
「ホームズさんも渋いし」
「指輪物語もハリーポッターもいいわ」
「イギリス文学は先生も大好きよね」
「そう、どの国にも負けていないよ」
 それだけのものがあるとです、先生はカルボナーラを楽しみつつ言うのでした。
「文学はね」
「けれどお料理になると」
「どうにもね」
「世界中から言われる位で」
「ぱっとしないどころじゃなくて」
「駄目出しばかりでね」
「最近軍隊の食事がよくなってきたというけれど」
 それでもという口調の先生でした。
「どうなのかな」
「いや、どうかな」
「軍隊も実はじゃないかしら」
 チープサイドの家族は先生のお話を聞いてもどうかというお顔でした。
「美味しくない?」
「そうじゃないかな」
「海軍は美味しいって聞くけれど」
 トートーはこのお話は知っています。
「実際どうかな」
「海上自衛隊は美味しいそうね」
 ポリネシアは日本のテレビのことから言いました。
「紹介されているのを観ると」
「カレーライスとかね」
 ダブダブは海上自衛隊の象徴とも言えるお料理を出しました。
「観ていても美味しそうね」
「実際に自衛隊の基地で食べても美味しいし」
 こう言ったのは老馬でした。
「いいよね」
「そうそう、他のお料理もいいし」
 ホワイティも言います。
「素敵だよね」
「けれどイギリスはどうか」
「僕達がずっといた国は」
 オシツオサレツは他の生きものと違いアフリカ出身でこう言うのです。 
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