ヒトデの災い
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第二章
「これはな」
「相当なもんやな」
「そうした話やしな」
「皆さん宜しいでしょうか」
今回の件の責任者である人魚族の四十代の男である市長のフランシスコ=ガブエルが一同に拡声器で言ってきた。
「今回は皆さんにヒトデ退治をしてもらいますが」
「ヒトデといってもモンスター達です」
市長の横にいる中佐の海軍の軍服を着たトロールの男も言ってきた。
「オオヒトデや人食いヒトデ。オニヒトデといった連中です」
「どれも結構強いな」
「ああ、海のモンスターの中ではな」
「それが大発生してるか」
「それは確かにやばいな」
冒険者達は中佐の話を聞いて言った。
「だからギルドに依頼出してか」
「俺達を集めたか」
「そうだったんだな」
「それでも足りないと見て軍隊も呼んだか」
「そういうことか」
「ヒトデは決して切断しないで下さい」
今度は市長が言ってきた。
「中核を切ったり突いたりするか術で倒して下さい」
「どうして切断したら駄目なんですか?」
若いホビットの冒険者が市長に尋ねた。
「何か理由があるんですか?」
「切断するとそこから新しい身体が出て来ます」
市長はその冒険者にすぐに答えた。
「それでヒトデが増えてしまいます」
「だからですか」
「はい、絶対にです」
それでというのだ。
「切断しないで下さい」
「ヒトデの生命力は相当なものです」
中佐もあらためて話した。
「断ち切るのは今お話した通り逆効果なので」
「絶対に断ち切らずにか」
「中核を攻撃したりか」
「それか術か」
「そうして攻撃しないと駄目か」
「そこは気をつけて下さい」
中佐も言うことだった、そしてその話を聞いてだった。
シルビーナはファラにこのことを言った。
「私は知ってるから」
「あたいもやで」
ファラも笑って返した。
「ヒトデのことはな」
「知ってるんやね」
「この話は学園の水族館で聞けるやろ」
自分達が起きた世界で通っている八条学園の中にある水族館の話もした。
「それこそ」
「それで私知ってるけれど」
「あたいもや、最初聞いてびっくりしたけどな」
「それでもやな」
「ヒトデのことは知ってる」
このことは自治実だというのだ。
「そやからな」
「ヒトデの倒し方もやな」
「もうわかってる、そやからな」
それでというのだ。
「安心してや」
「ヒトデ退治に行くか」
「旅の冒険者としてな」
「ああ、やっていこうな」
シルビーナはファラのその言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
二人は他の冒険者そして軍人達と共に海に出た。そのうえで舐めると水中でも呼吸が出来るキャンデを配られるとそれを二人共口に含み。
それから海の中に飛び込んだ、すると他の冒険や軍人達も続いた。その状況を見てシルビーナはこんなことを言った。
「はじまるな」
「これからな」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「この辺りの魚食い尽くすってなるとな」
「相当な数やな」
ファラも頷くことだった。
「市が募集した位の」
「冒険者も軍人も動員してやし」
「一体どんな数や」
ヒトデの数はとだ、二人で話してだった。
他の冒険者や軍人達と共に海の底に降り立った、すると海底だけでなく海中にもヒトデのモンスター達が出て来た。
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