ドリトル先生と姫路城のお姫様
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第八幕その十二
「本を読んでフィールドワークもする」
「それが大事ですね」
「特に学者ともなるとね」
「つまり先生みたいな人はですね」
「本を読んでフィールドワークもする」
「そうすべきですね」
「絶対にね、ただ安土城だけれど」
このお城のことをまた言う先生でした。
「滋賀県にあるけれど」
「それが何か」
「いや、滋賀県に今度行きたいね」
安土城のあるこの県にというのです。
「そして琵琶湖で研究したい生物がいるから」
「琵琶湖にですか」
「そう、ビワコオオナマズっている鯰がいるんだ」
「あっ、確か一メートルにもなる」
「日本最大の淡水魚でね」
「凄く貴重なお魚でしたね」
「そのお魚をね」
まさにというのです。
「調べたいんだ」
「だからですね」
「行きたいね」
その琵琶湖がある滋賀県にというのです。
「是非ね」
「生物学の研究ですね」
「それをしたいね」
「琵琶湖はただ大きいだけじゃないんですね」
「生態系も面白いからね」
「行かれたいんですね」
「そう思っているよ、あと歴史や宗教も学べるから」
滋賀県はというのです。
「安土もあったしかつては都もあったしね」
「飛鳥時代ですね」
「天武帝に攻め滅ぼされているけれどね」
そうなったにしてもというのです。
「それでもね」
「都があったことは確かですね」
「そうだよ、それに小谷城や佐和山城もあったね」
「戦国時代ですね」
「浅井長政や石田三成所縁だよ」
こうした人達に縁がある場所だというのです。
「そうした場所もあって何といっても比叡山だね」
「あのお寺ですね」
「比叡山は凄いお寺だからね」
先生は比叡山についてこうも言いました。
「長い間都を守護してきて多くの経典や書を蔵していてね」
「有名な仏教の僧侶の人を多く出している」
「日本の学問の中心でもあった場所だから」
「機会があればですね」
「行きたいね」
滋賀県にもというのです。
「三重県にもと思っているけれどね」
「そちらにもですね」
「そう、行ってね」
そしてというのです。
「学びたいね」
「そうですね、じゃあその時は」
「トミーも皆もだね」
「ご一緒出来ればいいですね」
トミーは先生ににこりと笑ってお話しました。
「そうなれば」
「そうだね、じゃあね」
「はい、滋賀県に行く時は」
「皆で行こうね」
先生も笑顔で応えました、そのうえで今は泉鏡花の論文を書くのでした。
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