英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
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外伝~三人の英雄、三人の王~
~古戦場~
「ヴァイスさん!それにリセルさんにリウイ達も…………!」
「しかもシルフィアさん――――――じゃなくてリアンヌさんに加えて鉄機隊まで…………」
「セリカ様…………!それにエクリア様も…………!」
「えへへ、ご主人様達が来てくれましたから、もう安心ですね~♪」
「フフン、まさに形勢逆転じゃな!」
「いや、あんただけはその言葉に説得力が欠けると思うんだけど…………」
心強き味方の登場にエステルとティオは明るい表情を浮かべ、ヴァイス達と共に現れたセリカ達の登場にシュリとサリアが明るい表情を浮かべている中、自慢げに胸を張って答えたレシェンテにマリーニャは苦笑しながら指摘し
「リィン達も今回の制圧――――――いや、殲滅戦にやっぱり参加していたのか…………」
「ああ…………状況はモニターで見ていたけど、まさかこんな形で”彼”とも会う事になるとは思わなかったよ…………」
「まさかジョルジュ先輩が”黒の工房”の関係者だったなんて…………」
「リィンさん…………セレーネさん…………」
ロイドの問いかけに頷いたリィンは重々しい様子を纏って複雑そうな表情を浮かべたセレーネと共にゲオルグを見つめ、二人の様子をアルフィンは心配そうな表情で見つめた。
「…………”ユリーシャさん”。先程貴女はあの仮面の男も”不死者”だと言っていましたが、間違いないんですか?」
「え、ええ。それよりも何故この身の名前を…………」
ユリーシャに背を向けたまま問いかけたリィンの問いかけにユリーシャは戸惑いの表情で肯定した。
「…………久しぶりだね、リィン君、セレーネ君。まさか君達がエレボニア――――――いや、”Ⅶ組”の”敵”になるなんて、思いもしなかったよ。」
「それに関してはお互い様なのでは?――――――単刀直入に聞きます。貴方は一体いつから”黒の工房”と繋がっていたんですか?そして――――――その仮面の男は何者なんですか!?その仮面の男が”不死者”である事からして、まさか本当にその仮面の男の肉体はアイツの―――”クロウ”の遺体を利用しているんですか!?」
「「兄様…………」」
「シュバルツァー…………」
ジョルジュの問いかけに対して静かな表情で答えたリィンはジークフリードに視線を向けた後厳しい表情でジョルジュに問いかけ、リィンの様子をエリゼとエリスは辛そうな表情で、デュバリィは複雑そうな表情で見守っていた。
「……………………」
「既にジークフリードが”不死者”である事まで判明している以上、隠す意味もないね…………その問いかけに関しては否定しないとだけ言っておこう。」
「!!」
「その口ぶりですと、貴方もそちらの仮面の男の”不死者化”に関わっているようですね…………」
「外道が…………」
ジークフリードが何も語らず黙り込んでいる中静かな表情で答えたゲオルグの答えにリィンは目を見開き、シグルーンとゼルギウスは厳しい表情でゲオルグを睨んだ。
「それにしてもいずれ古巣とやり合う事になる事は想定していたけど、まさかこんな形で早速古巣とやり合う事になるなんてね。」
「それも”執行者”程の使い手が戦闘能力もない民間人の虐殺に手を貸すとは、”盟主”がいなくなった途端ただの外道の集団に堕ちたようだな。」
「おまけに”結社”を裏切った”黒の工房”やその”黒の工房”と協力関係である”鉄血宰相”とも組むとは。その様子ですと結社は随分追い詰められている状況のようですわね?」
エンネアとアイネスは厳しい表情でカンパネルラやマクバーンを睨み、デュバリィは真剣な表情でカンパネルラ達に問いかけた。
「いや、結社(僕達)の状況がそんな事になった原因の一つである君達にだけはそれを言われたくないんだけどねぇ。」
「クハハハッ!テメェが結社を抜けた上”英雄王”達と”盟主”を討った話は聞いていたが、まさかこんな所でやり合う事になるとは思わなかったぜ――――アリアンロード!」
デュバリィの指摘に対してカンパネルラは疲れた表情で答え、マクバーンは好戦的な笑みを浮かべてリアンヌを見つめた。
「その言葉そっくりそのまま、お返し致します。――――――とはいっても、貴方の相手は私ではありませんが。」
「あん…………!?それは一体どういう意味だ…………!?」
そしてリアンヌの言葉を聞いたマクバーンが不満げな表情を浮かべたその時
「―――お前の相手は俺達がする事になっている。」
「リアンヌと戦いたければ、まずは私達を倒す事ね。――――――とはいっても”神”でもない貴方では私達はともかく、セリカには絶対勝てないでしょうけど。」
「愚かな野望に手を貸し、民達の虐殺に手を貸す”罪人”よ、貴方の罪は軍神の神官騎士が私が裁きます。」
セリカ、サティア、ロカがそれぞれ前に出てマクバーンの相手をする事を宣言し
「セリカ様、私達も!」
「主の敵は私達の敵。どうかお覚悟を。」
「セリカ…………敵…………わたしたち…………敵…………覚悟する…………」
それを見たシュリも他の使徒達と共にセリカ達の元にかけつけ、シュリ達に続くようにリタとナベリウスもセリカ達の元にかけつけた。
「幾ら相手が執行者のNo.Ⅰでリアンヌさんと並ぶ使い手だろうと、相手が悪すぎましたね。」
「ハハッ、最強には最強をぶつけるってか?」
その様子を見たティオは静かな笑みを浮かべ、ランディは口元に笑みを浮かべた。
「ちょっ、勘弁してよ…………!ただでさえ、不味すぎる面子が揃っているのに、”鋼の聖女”すらも歯牙にもかけない”嵐の剣神”が相手とか、幾らマクバーンでも相手が悪すぎるよ…………!」
「こら、No.0!マスターへの侮辱は許しませんわよ!」
セリカ達がマクバーンの相手をする事を知ったカンパネルラは表情を青ざめさせ、デュバリィは厳しい表情でカンパネルラに指摘し、それを聞いたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて脱力した。
「ほう?って事はテメェがクロスベルでアリアンロードに圧勝したとかいう”嵐の剣神”とやらか。クハハハッ!もしその話が本当なら”光の剣匠”以上に楽しめそうだなあ!」
一方マクバーンは興味ありげな表情を浮かべた後”火焔魔人”となり、更に異空間から魔剣アングバールを取り出した!
「ちょっ、何なのあの姿と剣は!?」
「”火焔魔人”は彼自身の”異能”によるもので、彼が持つ剣――――――”魔剣アングバール”は”ケルンバイター”と同じ”盟主”が彼に授けた”外の理”で作られた魔剣だ。」
「ええっ!?それじゃああの人が持っている魔剣は以前レーヴェさんが持っていた魔剣と同じものなの!?」
マクバーンの変わりように驚いているエステルの疑問に答えたヨシュアの説明を聞いたミントは驚き
(フン、なんじゃもう一人の”結社最強”とはいっても、リアンヌ程ではないだの。その程度の”力”等、よくて”下級魔神”クラスだの。)
ハイシェラはつまらなさそうな表情でマクバーンを見つめていた。
「おのれ…………っ!今頃北の猟兵達に襲撃されているクロスベルを無視してまで、何故このような過剰戦力でアルスターの民達を護る!?」
「フッ、別にクロスベルを無視している訳ではないのだが?」
「迎撃戦の際にクロスベルに密入国をしてクロスベルの郊外やジオフロントに潜伏した猟兵達の居場所は全てこちらで把握しています。そしてアルスターの民達を護送する”特務支援課”が”古戦場”に入ったあたりで既にギュランドロス皇帝陛下率いるクロスベル帝国軍がクロスベル警備隊やクロスベル警察の一課、そして遊撃士協会と共に猟兵達の”制圧戦”を開始しました。」
「ちなみに、その制圧戦には我らメンフィルも協力している。――――――ファーミシルス率いるメンフィル軍がな。」
「そ、そんな…………!?それでは今頃仲間達が…………!」
「くっ…………それもよりにもよって”空の覇者”まで投入するとは、何故ただの猟兵である我らの制圧の為だけにそこまで”本気”になる…………!?」
怒りの表情で声を上げたアルベリヒの問いかけにヴァイスは嘲笑し、リセルとリウイの話を聞いた北の猟兵達は仲間が窮地の状態に陥っている事に表情を青ざめさせたり、唇を噛み締め
「内戦の際にメンフィル帝国領であるユミルを襲撃しておきながら、ぬけぬけとよくもそのような戯言が言えるものじゃな!メンフィル帝国領であるユミルを襲撃した時点でお前達”北の猟兵”はメンフィルの報復対象じゃ!北の猟兵共はいずれ根絶やしにしてくれる!覚悟するがいい!」
北の猟兵達の言葉に対してリフィアが怒りの表情で指摘した。
「―――さてと、予想以上の”獲物”も釣れた事は僥倖だ。これを機会にエレボニアとの戦争が本格化する前にエレボニアの内戦でのように裏で暗躍する予定の協力者共は根こそぎ刈り取ってやろう。――――――アル、パティルナ、エイダ、リューン!」
大剣を鞘から抜いたヴァイスは大剣を掲げて声を上げてアル達の名を呼び
「了解しました。――――――これより猟兵団”北の猟兵”並びにその協力者、関係者達の”殲滅”を開始します。クロスベル帝国軍、戦闘開始!」
「さあ、今度は自分達が生き残る為なら”何をしても許されると”勘違いしているノーザンブリアのバカ共にクロスベル(あたし)達に手を出せばどうなるかたっぷり思い知らせてやるよ、野郎共――――――ッ!」
「全く何故妾までこんな事を…………――――――クロスベル帝国軍、とっとと殲滅して、クロスベルに帰還するぞ!」
「ケガをしたらわたくしが回復してさしあげますから、遠慮せず突撃しろですのっ!!」
「オオオオオォォォォォ――――――ッ!!」
ヴァイスに名を呼ばれたアル、パティルナ、エイフェリア、リューンはクロスベル帝国軍に号令をかけて北の猟兵達に襲い掛かり
「こちらもだ、プリネ!」
「はい、お父様!――――――メンフィル帝国軍、戦闘開始!クロスベル帝国軍と協力して北の猟兵達を殲滅しなさい!」
「今こそ、メンフィルの”怒り”、”北の猟兵”達に思い知らせなさい!」
「メンフィルの同胞であるユミルを襲った挙句”第二のハーメル”を生まれさせる事に加担した奴らに慈悲は必要ない。決して一人も生かすな!」
「オオオオオォォォォォ――――――ッ!」
「キャハッ♪エヴリーヌもたっぷりと遊ぼうっと!」
「ハハハハハッ!久方ぶりの殲滅戦、大いに楽しませてもらうぞ!」
「う、うわあああああああ――――――ッ!?」
更にリウイに名を呼ばれたプリネはツーヤとレーヴェと共にメンフィル帝国軍に号令をかけて北の猟兵達に襲い掛かり、プリネ達の傍にいたエヴリーヌとリフィアの傍に自分から現れたディアーネはそれぞれ凶悪な笑みを浮かべて北の猟兵達に襲い掛かるメンフィル・クロスベル連合軍と共に北の猟兵達に襲い掛かり始め、それを見た北の猟兵達は悲鳴を上げた!
「さて…………俺達も行くぞ、リセル!」
「はい、ヴァイス様!」
「俺達もヴァイス達に続くぞ、イリーナ、ペテレーネ、エクリア!」
「「「はいっ!」」」
そしてヴァイス達とリウイ達もそれぞれ戦場に向かい、メンフィル・クロスベル連合軍と共に猟兵達との戦いを繰り広げ始めた。
「リィン、俺達はどうする!?その様子だとあのジークフリードとかいう仮面野郎やゲオルグとかいう奴に用があるんだろう!?」
「ええ!まずは無力化して捕縛し、戦闘後に尋問します!ステラ!君は兵達と共にバスを護衛するロイド達の加勢をしてくれ!エリス、アルフィン、アルティナはステラ達と共にロイド達の加勢を頼む!」
戦いが繰り広げ始められている中フォルデに判断を訊ねられたリィンはステラ達に指示をし
「「はいっ!」」
「了解しました…………!」
「――――――」
「わかりました!――――――リィン隊はこれよりバスの護衛に回ります!状況開始!」
「イエス・マム!!」
リィンの指示に頷いたステラ、エリス、アルフィン、アルティナは兵達と共にバスを護衛する為にバスへと向かった。
「エリゼ、セレーネ、フォルデ先輩は俺と共に黒の工房の関係者――――――”黒のアルベリヒ”達の制圧をするぞ!」
「「はいっ!」」
「おう!」
そしてリィンはエリゼ、セレーネ、フォルデと共にアルベリヒ達の元へと向かってアルベリヒ達と対峙した。
「貴様は宰相閣下の息子でありながら宰相閣下にとって想定外の行動ばかりをし続ける忌々しき灰の起動者…………!」
アルベリヒは自分達と対峙したリィン達を見ると怒りの表情でリィンを睨み
「その口ぶりだとあんたはオズボーン宰相の考えている計画についても詳しく知っていそうだな…………そちらの”蒼のジークフリード”、そしてジョルジュ先輩共々制圧して、後で色々と詳しい話を聞かせてもらう!」
「宰相閣下の駒に過ぎない愚者が生意気な…………!」
「たったそれだけの戦力で、僕達を抑えられると思うなんて、随分と甘く見られたものだね。」
リィンの宣言に表情を歪めたアルベリヒと淡々とした表情で呟いたゲオルグはそれぞれ自身の背後にミリアムやアルティナのような戦術殻を出現させた!
「「――――――」」
「ミリアムさんやアルティナさんのような戦術殻…………!」
「しかも”黒のアルベリヒ”の戦術殻は今までの戦術殻と比べると”格”が違うようね…………」
二人が出現させた戦術殻を見たセレーネは驚き、エリゼは警戒の表情でアルベリヒの背後にいる一際大きい戦術殻を見つめた。
「”ナグルファル”―――それが僕の戦術殻の名前さ。性能も二人のと比べると若干上さ。―――最も、”彼”が扱う戦術殻と比べれば、どれも比較対象にならないだろうけどね。」
「”ゾア=バロール”―――久々の稼働テストに付き合ってもらおう。」
「――――――生憎ながら貴様の相手は余達だ、黒のアルベリヒ!」
アルベリヒがゲオルグの後に戦術殻についての説明をするとゼルギウス、シグルーン、リフィアがその場にかけつけた!
「ゼルギウス将軍閣下!シグルーン副長!」
「それにリフィアまで…………お二人とも、敵将の前にリフィアを連れてくるのは止めて欲しいのですが…………」
リフィア達の登場にリィンは驚き、目を丸くしたエリゼは疲れた表情でゼルギウス達に指摘した。
「フハハハハッ!下僕共ばかりに活躍はさせんぞ!メンフィルの次代の女帝として、今回の戦の”総大将”である貴様は余が直々に相手をしてやろう!」
「想定外如きが生意気な事を…………!」
「ふふっ、殿下の性格をよくわかっている貴女もそれは無理な事である事はわかっているでしょう?」
「それにこちらの制止を振り切って独断で行動されるよりはよほどマシだ。それと我々以外にもお前達に加勢する者がいるようだぞ?」
「え…………それは一体…………」
リフィアが高笑いしながら答え、リフィアの言葉を聞いたアルベリヒは怒りの表情を浮かべ、エリゼの指摘にシグルーンと共に苦笑しながら答えたゼルギウスの指摘にセレーネが呆けたその時
「――――――シュバルツァー、アルフヘイム!」
「デュ、デュバリィさん!?どうして俺達の加勢に…………というかサンドロット卿達とは行動を別にして大丈夫なんですか?」
デュバリィがかけつけてリィン達と共にジークフリードとゲオルグと対峙し、デュバリィの登場に驚いたリィンはデュバリィに訊ねた。
「マスターからは既に許可は取っていますから心配無用です。――――――”黒の工房”には内戦の件で一杯食わされてしまいましたから、その”借り”を返す為に仕方なく加勢してあげますわ!ありがたく思いやがりなさい!」
「ハハ…………何はともあれ、加勢、ありがとうございます。」
デュバリィの答えに仲間達が冷や汗をかいている中リィンは苦笑しながら答えた。
「クク…………灰の起動者に”守護の剣聖”、”現代の鉄騎隊”の”筆頭”ならば、少しは楽しめそうだな。」
一方ジークフリードは口元に笑みを浮かべた後自身の得物である二丁拳銃を構えた。
「その武装は確か”蒼の騎士”のもう一つの得物である…………」
「二丁拳銃…………そんな所までクロウさんと一緒だなんて…………」
ジークフリードの得物を見たデュバリィは真剣な表情を浮かべ、セレーネは複雑そうな表情をし
「…………っ!来い、メサイア!――――――戦術リンク・オン!メンフィル帝国軍所属リィン・シュバルツァー以下6名、これより”蒼のジークフリード”並びに”銅のゲオルグ”の制圧を開始する!みんな、行くぞっ!」
「おおっ!」
辛そうな表情で唇を噛み締めたリィンはすぐに気を取り直してメサイアを召喚し、そして仲間達に号令をかけてリィンはデュバリィ、セレーネはメサイア、エリゼはフォルデとそれぞれ戦術リンクを組んでジークフリードとナグルファルを操るゲオルグとの戦闘を開始し
「さあ、”第二のハーメル”を作ろうとした愚か者に”裁き”を与えてやるぞ、余の”守護神”と”守護騎士”よ!次代の女帝たる余が最も信頼する余の騎士たる力、存分に振るうのじゃ!」
「「仰せのままに(イエス)、我が主!!」」
リフィアはゼルギウスとシグルーンに号令をかけてゾア=バロール操るアルベリヒとの戦闘を開始した!
「こ、これが”本物の戦場”…………ロ、ロイド先輩、あたし達はどうすればいいんですか!?」
一方初めて体感する”本物の戦場”に呆然としたユウナは混乱した様子でロイドに訊ね
「俺達の目的はあくまでバスの護衛だ!猟兵達の制圧は局長――――――ヴァイスハイト皇帝達に任せれて俺達はバスの護衛に専念するんだ!」
「は、はい…………!」
ロイドの指示を聞くと我に返って武装を構えて周囲を警戒した。
「ハハ、こんな状況になっても”戦場の空気”に流されずにアルスターの連中の護衛に徹するとはいい判断だ。さすがはランドルフがリーダーを任せた男といった所か?」
「アハハ、実際その人、警察なのに以前シャーリィみたいな小娘相手に容赦のない連携攻撃を仕掛けるくらい判断力はいいよ!」
するとその時ルトガー達”西風の旅団”とシャーリィとガレス、そして二人に率いられた”赤い星座”専用の軍用犬であるクーガー達”赤い星座”がバスを護衛するロイド達やエステル達と対峙した。
「”西風の旅団”と”赤い星座”…………!」
「二大猟兵団の団長、隊長クラスが揃いぶみですか…………」
「シャーリィ、オッサン!テメェら、自分達の状況がわかっていて、こっちに仕掛けるとか何考えてやがるんだ!?どう考えても今回の戦い、テメェらの”負け”だろうが!?」
ルトガー達と対峙したヨシュアは真剣な表情で声を上げ、ティオは警戒の表情でルトガー達を見つめ、ランディは厳しい表情でルトガー達に問いかけた。
「俺達の目的はあくまで”アルスターの民達の殲滅”。北の猟兵達がどうなろうとこちらにとっては関係ない。」
「ま、大佐に世話になっておきながらノーザンブリアの連中を見殺しにするのは悪いとは思っているけど、これも”依頼”やからな。依頼主やその関係者は自分達がヤバくなったら自分達だけで撤退するくらいはできるやろ。それにアルスターの連中を殲滅できれば、結果的にはノーザンブリアの連中も依頼を達成した事になるしな。」
「”赤い星座”がクロスベルで受けた屈辱、ここで返させてもらう…………!」
「上等じゃない!全員纏めてぶっ飛ばしてあげるわ!」
レオニダスとゼノの後に答えた憎悪が込められたガレスの宣言に対してエステルは真剣な表情で声を上げて答えた。
「――――――私達も加勢致します!」
「ステラさん…………!それにアルティナちゃんやエリスさん、アルフィン殿下達まで…………!」
そこにステラ達リィン隊が駆け付け、それを見たエリィは明るい表情を浮かべ
「――――――”戦場”とはいえ、戦う手段も持たない民達を狙う非道な事は私達も許せません。私達も加勢させて頂きます。」
「あ、シルフィアさ――――――じゃなくてリアンヌさん!」
「それに”鉄機隊”の方々まで…………」
「サンドロット卿達まで加勢してくださるなんて、心強いです。」
「あれ?よく見たら”神速”だっけ?その人だけ、いないけどどこに行ったの~?」
更にリアンヌ達鉄機隊もその場に駆け付け、リアンヌ達の登場にミントは嬉しそうな表情を浮かべ、セティとエリナは明るい表情を浮かべ、デュバリィがいない事に気づいたシャマーラは不思議そうな表情で訊ねた。
「フフ、デュバリィは”灰色の騎士”達に加勢しているわ。」
「かつて我らは刃を交えたが今は共に戦う”戦友”。そして力無き民達を虐殺しようとする非道はマスターから薫陶を受けた我ら”鉄機隊”も許せない所業だ。マスター共々我らも其方達と共に二大猟兵団と刃を交えさせてもらおう、”特務支援課”、遊撃士協会!」
「助かります…………!」
シャマーラの疑問に答えたエンネアの後に答えたアイネスの言葉にロイドは明るい表情を浮かべ
「――――――そちらの魔神殿と黒衣の剣士殿、そしてフェミリンス殿。お三方は私と共に”猟兵王”の相手をして頂いても構いませんか?」
「構いませんわ。」
「フフ、あんな男、私とジェダルだけでも十分だけど、ま、別にいいよ。」
「あの中で唯一”格”が違う敵を相手にするには妥当な面子だな。…………リリカ達はエステル達に加勢しろ。それとユリーシャは俺の代わりにリリカを守れ。」
リアンヌに名指しされたフェミリンス、フルーレティと共に同意したジェダルはリリカ達に指示をし
「はいっ!ジェダルも気を付けてください…………!」
「アハハ…………魔神と女神がいるんだから、むしろ敵の方を心配するべきなんじゃないかな~…………」
「了解しました!リリカはこの身が必ず守りますので、どうか異世界であるこの世界にて存分に武勇を振るってください、我が主!」
指示をされて頷いた後に声をかけたリリカの言葉にフィアは冷や汗をかいて苦笑し、ユリーシャはジェダルの指示に力強く頷いた後ジェダルに激励の言葉を送り、リアンヌ達はルトガーと対峙した。
「リィン隊は赤い星座の軍用犬の排除を!エリスさん、アルフィンさん、アルティナさんは私と共にロイドさん達の加勢を!」
「イエス・マム!!」
「わかりましたわ!」
「はいっ!」
「了解しました。」
「フム、ならば我らは”ブレイサーオブブレイサー”達を加勢するか、エンネア。」
「ええ!」
それぞれに指示を出したステラはエリス、アルフィン、アルティナと共にロイド達と共にシャーリィとガレスと対峙し、それを見たアイネスとエンネアはエステル達と共にゼノとレオニダスと対峙した。
「特務支援課並びにその協力者一同…………」
「同じく遊撃士協会並びにその協力者一同…………」
「「これより敵勢力の制圧を開始する!みんな、行くぞ(わよ)っ!!」」
そしてロイドとエステルはそれぞれ力強い号令をかけ
「おおっ!!」
仲間達は二人の号令に力強く答えた後戦闘を開始した!
今ここに!どんな暗闇をも照らす太陽のような明るさを持ってさまざまな”絆”を結ぶリベールの英雄カシウス・ブライトの娘にして空の女神エイドスの子孫である”ブレイサーオブブレイサー”――――――エステル・ファラ・サウリン・ブライト!
亡き兄の正義の意志と不屈の闘志を受け継ぎし”正義の継承者”――――――ロイド・バニングス!
本来の運命とは全く異なる運命を歩み、自らの剣と新たなる絆を持って”上”を目指すエレボニアの英雄”灰色の騎士”――――――リィン・シュバルツァー!
改変されし運命によって生まれ変わった愛妻イリーナと心から信頼する家臣、家族と共に”光と闇の共存”を目指す半魔神の英雄王たる”闇王”――――――リウイ・マーシルン!
かつてメルキア中興の祖となり、生まれ変わった後もかつて結んだ”絆”と共に再び”覇道”を歩むことを決意した”簒奪王”――――――ヴァイスハイト・ツェリンダー!
未だ誰も足を踏み入れる事ができていない”黒の抗”の最奥をリリカと共に目指す古今無双の戦人にして後にグラセスタの”王”に成り上がる”迎撃王”――――――ジェダル・シュヴァルカ!
数奇な運命によってゼムリア大陸の三人の”英雄”達とディル=リフィーナの”成り上がり”で”王”となる三人の”王”達が共闘する史上初の戦いが始まった――――――!
後書き
というわけで様々な場所で戦いが始まりましたが実際に書く戦いはリィン達とジェダル達だけです。他のメンツは人数多いし、後めんどくさいので(オイッ!)というかルトガーはマジでご愁傷様としかいいようがない(笑)なんせ戦うメンツが揃いも揃ってエウシュリーキャラの中でも実力がトップレベルのキャラ達ばかりですからwwなお、次回の戦闘BGMもVERITAの”覇道”だと思ってください♪
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