魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第二百二十八話
オリジナルコア、予備の量産コア、番外コア、FA:G、量子展開ないし召喚したそれらを全てフレームアーキテクトやガイノイド、アルディとリムシィのボディに突っ込み、怪我人の手当てに回した。
腕を失っていた楯無に関しては吸血鬼の血で治療したが、止血は出来たものの腕が生えてくることはなかった。
時間がたっていたせいだろうか?
そして。
「楯無、何をしてたら腕を失うなんて事になったんだ?」
和室で、楯無と俺が向き合っていた。
「テメェらの尻拭いだよ坊主」
「俺達の見通しの甘さを責めるのは後にしてくれ。
たかだか後方部隊への追撃だけで、『更識』が満身創痍になるとは思えない」
「…………そうだな。後方部隊だけならな!」
ガン! と楯無がテーブルを叩いた。
「ISだ」
「IS? バカな。FTの粛清部隊と支援部隊のIS六機はスコールとオータムが全滅させたはずだ!
それに今北海道には自衛隊の対露部隊以外にISは存在しない!」
例えハイドモードでも量産コアならばカンファレンスのモニタリングからは逃れられない。
「じゃぁ俺達が戦ったアレはなんだったんだ?
まさかFTがISと同等のパワードスーツを作ったとでも?」
「あり得ない。ISは数々の異世界技術の集合体だ。
そんなのコピーできるはずがない」
四進法DNAプログラミングはコピーできるかもしれないが、ユニオンコアの技術はコピーできるはずがない。
「チッ…。じゃぁ何なんだありゃぁ…」
「わからない。特徴は?」
「赤いISだった。全身に緑のクリスタルを嵌め込んでいたな」
「ふむ……鎧…」
アイアンマンみたいなのかな?
「IS………さっきはそう言ったが、ISみてーなメカメカしい感じはしなかった。
やけに有機的だったな」
ISではなく、ISに匹敵しうる物…。
それでいて有機的な鎧…。
「まさか怪異か?」
それならば楯無の腕が再生しない理由も説明がつく。
吸血鬼の力は俺の魔法より優先度が高かった。
時を遡って閲覧した情報を元に行う再生よりも上の筈の吸血鬼の血による治療。
それが行われないのは、時間経過以外の要因があるから。
例えば、物理的な腕だけでなく霊体も持っていかれた、とか。
「おいおい、俺達が妖怪にやられたってか?」
「それ以外に考えられない」
「クソっ…」
楯無が天を仰いだ。
「問題は、FTの過激派が妖怪もしくは妖怪遣いを手懐けている状況か…。
おい坊主。なんか霊験あらたかな御札でもねぇのか?」
「そういうのは箒に頼んでくれ。アイツついに人間やめたから。
今じゃぁ神使の一人…いや一柱みたいな者だ。
それに吸血鬼の俺が作ったら呪いのアイテムになっちまうぞ。
ま、今のお前なら使えるだろうが」
吸血鬼の血で治したということは、楯無が僅かながら俺由来の吸血鬼性を帯びているということだ。
俺が作った御札等でも使えるだろう。
まぁ、臥煙がエピソードかコタンジェントでも送って寄越しかねんからやらんが。
「マジックアイテムは箒に頼むとして、怪異とある程度やりあえるような武器くらいは渡す事を約束しよう。
レーザーガンとかの装備だ」
「有り難く貰うぜ」
「さすがに魔法系装備は渡せんが、部隊員に気功の指導くらいはしよう」
楯無が負傷していた実動部隊の面々に交戦した相手がオカルティックな存在であること、対抗手段を教えることを説明し、実動部隊40人全員に気功を教えた(そのせいで夕飯を食べ損ねた)。
勝手な考察だが、気功は神話時代への回帰を示す能力だと考えている。
それに専門科連中が気功(霊力)を使っている事はわかっている。
つまりは人として怪異と対等に渡り合うには気功は必須。
例の鎧に対抗はできなくとも、自衛はできるだろうという考えだ。
そして楯無の頼みで刀奈達にも教えることになり、箒に頼んだのだが…。
「おいこらアバズレども」
刀奈の私室にて。
「誰がアバズレよ」
「一夏ひどい」
ベッドの上、枕側に更識姉妹が、足元側に俺が座っている。
「お前らだよお前ら。なんで箒にやらせねぇんだ?」
何故か箒じゃなくて俺がやることになった。
本人達の希望だとか。
本音? 虚さんにはしたないってしばかれたらしい。
「貴方の方が上手いって箒ちゃんが言ってたからよ」
「どっちも変わらねぇんだがなぁ」
むしろ俺がやるのはあんまり良くない可能性もある。
吸血鬼のエネルギーはプラスかマイナスで言えばマイナスだ。
つまり良くないものだ。
「あのなぁ、吸血鬼のエネルギーっていうのは陰陽で言えば陰のエネルギーなんだぞ?」
「いいじゃん。闇の力とか憧れる。それにお父さん達にもやったんでしょ?」
「まぁ…そうだが」
「じゃぁ私達にもしてくれるよね?」
引く気は無いようだ…。
「なんなの? お前ら俺の事好きなの?」
「まぁ、かわいいし」
「からかったら楽しいし」
もうやだコイツら…。
「そうかよ。じゃぁ脱いで背中見せるか首筋差し出せ」
「あらぁ? 吸血鬼サマはおねーさんの体を御所望?」
「簪ー」
「ん」
簪が背を向けて、着ている服を脱いでいく。
「ねぇ、感想は?」
「え?」
「だから、感想。私の体の」
「綺麗だと思うよ? スラッとしてていいスタイルだと思う」
「そ」
「それに、窓から入る月光が一層引き立てる。
まるで狙ったような月明かりだな」
近づいて、簪の白い肌に両手で触れる。
「いいよ。一夏」
「心臓は肉体に血液を送るポンプであり霊体の中心だ」
簪に俺の気を流し込む。
動いていなかった簪の気が、俺の気に押されて回りだす。
中心から末端へ、末端から中心へ。
「あったかい。一夏に抱かれてるみたい」
「まぁ、俺の存在の一部がお前の中に有るわけで」
「一夏は私を感じる?」
「いや。お前の中にはまだ溢れる程のエネルギーは無い」
目を瞑り、囲い火蜂のような事にならないように集中する。
が、刀奈に後ろから抱きつかれた。
まぁ、視えてたから驚きはしなかったが。
というか何故脱いでる?
「ねぇ、お姉さんは無視?」
「…………………わかったよ」
簪から片手を離す。
その手を刀奈に渡す。
「ほら」
「………………ありがと」
刀奈が俺の手を自分の心臓の上に置く。
そちらにも気を流し込む。
ゆっくりと、優しく。
30分もそうしている内に、二人とも寝息を発て始めた。
「お休み」
二人を寝かせ、部屋を後にした。
「あらあらウフフ…」
「ぴぃっ!?」
後ろ手に刀奈の部屋のドアを閉めた瞬間、朱美さんの声が聞こえた。
「刀奈の部屋で何をしていたのかしら?」
「え? あ、えっと…」
「言わなくても良いわ。ええ、いいですとも…」
シャリィィィィン……と朱美さんが小刀を抜いた。
「死になさいこの色情魔!」
「にゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
結局この鬼ごっこは楯無が止めるまで続いた。
いやまさかキスで黙らせるとは…。
漢だな楯無。
後書き
あ、敵の正体わかっても秘密にしててくださいね。
正直この敵については「あまり」掘り下げるつもりはありません。
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