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ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士

作者:涙カノ
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=81話=勇者の道標

 
前書き
生存ー報告ー

今回、添削等行っておりません。
誤字等ありましたらご連絡ください。 

 
 
「というわけでわたしが来たよ、喜べリっくん」

「喜べ……って何キャラだよお前」

 バァァンと音を響かせ、音を立てた先に彼女はいた。扉を開き、1歩、また一歩と踏み込んでくる彼女に一言。

「何キャラだといわれたら、答えてあげるが世の情」

「せめてもう1人ともう1匹連れてきなさいよ」

「ぶー、パパ世代のネタなのにー……」

 ふらふらーっとその少女はユカによっていき、豊満な胸へとダイブする。ケットシーとしては規格外なユカの胸部は、胸当て程度では収まりきらないほどの大きさ、密度を持っている。

「ひゃっ……もう、こっちでも一緒じゃない」

「こっちとリアルじゃちょっと違うんだよー……ふふぁあ」

 彼女はユージーン将軍の副将として戦闘から事務、政治に携わってきたプレイヤーであるサウス。旧ALOではなかなかに難しい立ち位置の身の振り方をしていた。
 種族間の争いもシビアなものではなくなった新ALOでは、ゲームとして楽しめるものになってきたためこうやって俺たちフリーなプレイヤーと一緒に遊ぶことも多い。

「マンダ―の方はほったらかしでいいの?」

「昔みたいに、いろいろと口を挟まなくてもよくなってきたんだよ。おかげで今まで中にいた人も散らばったからわたしもこうやってユカちゃんの頼み事に気軽にこれるようになったの」

「それはお疲れ様。……というか、政治にも口出すって多趣味ねぇ……」

 力はパワー、で通っていたサラマンダーのなかでトップ層にいただけあって、女だから、学生だからなどで舐めるような実力ではない。サラマンダーの兵士うん百人対サウス一人という戦闘訓練すらも余裕、だとか幾度の襲撃にも無傷で撃退し生還、逆に敵から目的を吐かせることすらも容易に行った、などの噂は今でもはびこっている。

「ゲームだし、こっちじゃなきゃ味わえない責任とか味わってた方が面白いしねー……こうやってユカちゃんのたわわを味わいたいけど」

「んぅ……どれだけ押し付けてくるのよ……んっ、ぁっ……」

 ただでさえケットシーにしては豊満な、いやALOプレイヤー全体を通しても大きな胸部を持つユカに同性特権と言わんばかりか顔を胸に沈めてその触感、暖かさを堪能している。そして、サウスもユカよりも背丈は低いが、全体のスタイルは出ているところは出ており、動きやすいよう引き締まっているところは引き締まっている。出ている胸部や腹部はユカに負けず劣らず主張しており、シルエットからはっきりとサウスというプレイヤーを主張させている。

「んぅー……やっぱユカちゃんのいいよね」

「リアルでもすぐに抱き着いてくるじゃない……」

 むにゅう……と二人の豊満な山が重なり、お互いの胸のが反発し谷間がゆがみ、つぶれる。

「……」

 きもちいいって……ひゃっ!?」

「この揉み心地とか撫で心地とか……リっくんはわかるよね」

 2人の胸がムニムニと密接しながら形を変え、さらにいびつな山と谷を作り上げている。

 目の前で普通に可愛い女子と、気になる女子が戯れている姿をそのまま無視するわけにもいかないし、かといってまじまじと見つめていいものでもないだろう。などと考えて頑張って目をそらすも二人の豊満な胸部からは目をそらしきれず、ついその部位を目に焼きつけてしまう。

「……ノーコメントでお願いします」

「ちゃっかり興味津々にこっち見てこないでよ」

「仕方なくない!?というか目の前で繰り広げられてる俺の……」

「でも眼福でしょ」

「……そりゃ眼福だけどさ」

「うっわーリッくんー」

「……ぁんだよ。……俺は、俺は悪くねぇ」

「見世物じゃないわよ、スケベ」

「だったら混ぜ……俺のいないところでやって!?」

「うーん……じゃあ、リっくんにはログアウトしてもらおうか」

「ひどくね!?」

「……とまぁ、リクヤいじりもここまでにしといて……とりあえず、サウスにも説明するわね」

「はーい」

「訴訟も辞さない」

 コホン、と一つ。 
 ユカが仕入れてきたクエスト内容は、ざっくりといえば伝説級クラスの武器入手クエストだ。ゲーム内の順位付けではかつて黒の剣士が振るった伝説のエクスキャリバーや、ユージーン将軍の代名詞ともいえる魔剣グラム等には劣るが実質的な性能では勝るとも劣らない代物……という噂。

「うーん、失敗しそうなインフレ感」

「謳い文句だけなら新規取り込みにはちょうどいいんじゃない?」

 ただ……と、ユカが言葉を切りピコピコと操作を続ける。爽快な音を立ていくつかウィンドウが可視化され、俺たちも見れるように。そこにはいくつか切り取られたスクリーンショット。殴り書きされたようなメモがいくつも散らばっており、その一つをサウスは手に取り読み上げる。

「なになに……?水晶に……宿ら……。これを、暗く……乾い……めること……?なにこれ」

「それでも一応メモのまとめよ、まとめ……そもそも法則性見つけるのにも割と時間かかってるし。……そもそも、コストにこのクエストが見合ってるかどうかってレベルらしいわよ」

 そりゃそうだ、とサウスはうなづく。仮に新規取り込みのためにクエストを用意したとして、この暗号が解読、クエスト攻略が開始される場合参加できるのは、今までいたプレイヤー。新規のためにクエストを用意したとして、参加できるユーザーはいったいどれほどいることやら。
 さらにALOは発行されるクエスト、武具等システムから発生するもの人間の手での操作はされていない。すべてSAOを管理していたカーディナルと呼ばれるシステムによって発行、管理がされている。よって、クエストによっては世界を滅ぼすものすら……。

「……それで、ユカちゃん。リっくん復帰直後にこれを持ってきた理由は?」

「確かに。ついさっき誘われたばかりだよ俺」

 古参プレイヤーから現役プレイヤーまでさじを投げかけているような代物を俺が久方ぶりにログインしても何も力になれるとは思えないのだが。

「まぁ、そうなるわよね……このクエスト発行時期がこの間の大型アプデの直後なのよ」

「……あー、なるほど。TAが実装されてバランス調整とかいろいろ走った」

「そうそれ。……ってことで、復帰がてらもしかたら引っかかるものがあるかなーっとも思ってね。なかったらなかったで他のクエでもいいし」

 大型アップデートとして入ったTAの実装。これによってSAOで扱っていたほぼ全てのものが実装されたことになり、それに伴うクエストの追加が行われた。その中にはかつてのSAO……アインクラッドでクリアしたこともあるクエストも含まれており、SAOサバイバーはもちろん、SAOという環境に夢見ていたプレイヤーが競い合う場が作られるほどだ。
 だが、新しい環境が作られる割に俺はSAOのような強制された環境じゃないせいか、VRそのものから離れてしまっている。
 一応、ログインはしているもののやることといえば課題だったりヘルスケアだったり……。一般的なプレイヤーと比べて戦う機会も減り、利用目的も変わりつつある。
 そんなVRMMOというものがよくわからなくなった俺をユカが気にしてクエストをいろいろと見繕ってくれたのだろう。

「……なんか、あざっす」

「私が一声かけないとすぐ辞めちゃうんだからアンタは」

「んなことないって。テニスもテイルズもずっと好きだし」

「それ以外はすぐ飽きるじゃない。……みんな、最近来ないリクヤのこと何かしら気にかけてるんだから」

「……ん。ありがと」

「…………えーっと、邪魔?」

「「なぜ!?」」

 ポリポリとお菓子をかじりながらメニューを開いて、いつでもログアウトは可能だという意思を含ませ、にやにやとしているサウス。こやつめ、完全に面白がっている。

「ん、んっ……!と、とにかくリクヤ。なんかない?」

「うーん……あれ、かなぁ?」

 ごまかし方が下手な二人をさらに笑うサウスをしり目に本題へ。ヒント、というか現状ある情報はサウスの読み上げたまとめ情報のみ。

「1つ。……針状物質の混入した水晶に深海の中に満ちる月光の光を宿らせる。これを、暗く深く乾いた街に埋めること」

「2つ。世界樹に火山の活力を注ぐこと」

 指を1つ2つとたてながら、はるか昔に攻略した情報を思い出し二人に共有する。あくまで俺の推測とクエスト内容があっていれば、の話だが。

「……世界樹っていうのは」

「ここ、だろうねー……ダンジョンの塊ではあるからクエに対応したダンジョン1つ増えてても、ね」

 ALOの中心である世界樹ユグドラシルの周りにはダンジョンやフィールドがいくつも転がっている。いや、数多の中に唯一存在するのが主要都市アルン、といった方が正しいか。旧ALOでプレイヤー全員がゴールとしていた世界樹の頂上からはたまた、邪神の住まう地ヨツンヘイムのような数も種類も多くのダンジョンが存在する。

「だとしても、火山につながりそうなところあるかしら」

「普通に火山となると……マンダー領にある、あそこかなぁ……?ただ、アイテムとして持ってこれないし、持ってこれたとしてもマグマとかだと燃えるよね」

「それに関しては火山そのものじゃなくて、火山のエネルギーだから……あるんだったらそれくらいの威力を持つ魔法でもいいんじゃないかな」

 火山が噴火するレベルのソードスキル、魔法等を妖精の体で発動できるのなら。サウス曰く、命名にこそ「マグマ」は使われているものの実際のそれとは火力も範囲も大きく劣るものしか確認されてないとのこと。

「誰かが開発したオリジナルソードスキル……OSSのシステムを除いてだけど」

 ALOが旧ALOと新ALOと分けて呼ばれるようになった大型アップデートの際に追加されたコンテンツの1つがサウスの口に出した『オリジナル・ソードスキル(OSS)』。自身の理想の動きをソードスキルとして記録して使用できるもの。聞くだけなら「ぼくのかんがえたさいきょうのそーどすきる」が作成できそうなものだが、使用難易度はシビアにもほどがある。OSSとして認定されるためには、かのギネスもびっくりな唯一性、速度、練度、回数……もう考えたくないレベルの条件が必要となる。
 通常プレイでは、普通のソードスキルでも十分な火力がありわざわざOSSに手を出す人間は廃プレイヤーか変人しかいない。が、サウスの上官であるユージーン将軍は魔剣グラムから繰り出される両手剣8連撃ソードスキルを生み出したらしい。

「ユーさんすごいでしょ」

「……同じ大剣使いとして戦ってみたいっす。サウスパイセンどうにかして」

「ま、11連撃とかふざけたものもあるらしいけど……ただ、OSSは開発者か継承者しか扱えないじゃない」

「いや、俺のも推測でしかないけどね。……ってことは……なるほどね、あの武器かぁ……あの武器もALO実装されてるの、すごくない!?」

「リっくん?」

「リクヤー、一人で興奮されてもわからないわよ」

「ああ、ごめんごめん。……うーん、今俺が言ったのが正しいのなら、だけどさ」

 ユカの淹れた飲み物を口に含みながら興奮を抑える。相変わらず、飲食物に手を出すと腕がポンコツになるのはなぜだろうか。とまぁ、それは置いておいて。おそらく、このクエストで手に入る武器の総称は『輝ける光器』が正しいだろう。
 いつかの勇者のため、賢人武人が作り出し与えた武具。多くの勇者がそれを封印し、再び世界に危機が現れた時転生した自身が身にまとう輝ける力。
 と、すると最初にユカが言っていた伝説級武具に匹敵というのもも眉唾ではないかもしれない。人と精霊の手によって、勇者のみ扱えるようチューンアップされた業物。

「……その勇者様専用武具ってわけね」

「ほかのキャラには装備できないからね。さらに、勇者……ディセンダーっていうんだけどさ。いわゆるジョブシステムだから、ジョブごとにレディアント……今回の武具があるんだよね」

 レディアント武具ゲットのため、クエストをクリアしストーリーを攻略しキャラの絡みを見てきた幼少期を思い出す。と、顔を上げるとニマニマといえばニヤニヤといえばいいのか笑っている二人の顔が。

「ここまで読み通りの反応されると、いい感じにハメれて気持ちいわねー」

「頑張ったかいがありましたなぁ、ユカさん」

「頑張ってはないわよー……さ、それじゃリクヤもやる気満々だし、リクヤ復帰イベントもといレディアントイベ……いくわよ!」

「うぐぅ……お、おぅ!」

「おー!」
 _________

 針状物質の混入した水晶に深海の中に満ちる月光の光を宿らせる』をクリアしないことには次のクエストフラグもたたないだろうし、仮に順番を間違えた時、この世界樹がどうなるかわかったものではない。

「針状物質……は、そんな珍しいものでもないね。鉱石だと思うからリズべぇに話してみればすぐに用意できると思うよ」

「深海……には1つ心当たりがあるわね。というか、サウスも知ってるでしょ」

「あー、アスナちゃんとかサッちゃんと話してたアレかー」

「なにそれ」

 アスナとキリトの娘……のような存在であるAI「ユイ」が言った一言

「私、クジラを見てみたいです」

 その言葉を皮切りに始まったALOクジラ大捜査。キリアス夫妻やシリカリズ、サチ、クラインエギルなど錚々たるメンバーによって、クジラ型モンスターが出現する地域やクエストが探し回られ、そのうちの1つにクエスト実行中に、クジラに乗れるという噂が。まぁ、誰とは言わないが親バカか何か、板が荒らしに荒らされたのはまた別の話。
 アスナとサチたちが話していた内容は、このクエストに一緒に挑んでみないか、ということだ。

「そのクエストでどうやら深海に行くようだし、神殿なんてダンジョンが乱雑にあっても、とは思うから」

「そー、だね。いい線いってそう……でも、深海に行くって……リッくんのゲームでもどうやって行ったの?」

「時代的には中世だから……」

 ゲームの中では、ゲーム内の王国から支給された潜水服によって常に酸素を送られ深海神殿までたどり着いた。ただ、そのパーティメンバーの1人は息を止めようとしていつの間にか寝ていたらしいが。ただ、今回ユイのお願いについていくとするならウンディーネなアスナがいるため、そんなゴテゴテな装備を用意する必要はない。

「なら問題なく行けそうね。可愛い妹のわがままには、私たち3人も参加ってことでいい?」

「いーよー、日程も結構開いてるから調整できると思うし」

「ならアスナに話しとくわねー」

「あのー……口挟んでアレなんだ……アレなんですけども……」

 話はトントンと進み、ユカはアスナへメールを送ろうとキーボードを叩こうとし、サウスは自身のスケジュールを確認中。レディアントを手に入れられるかはともかく、第一関門はあとはなるようになるところまで行ったかのように見えた。

「……泳げないっす」

「えっ」

「あっ」

 ただ一つ。問題点を除けば。 
 

 
後書き
おっぱいって最高だよな!!


去年……1年半前くらいの話となりますが、ソードアート・オンラインとテイルズ・オブ・ザ・レイズのコラボイベントがありましたね。皆様はどの程度課金をし、どの程度ガチャ勝利となったのでしょうか。
やってない?だったら今から始めよう、テイルズ・オブ・ザ・レイズ!ぶっちゃけバンナムフェス今年開催したおかげで今後もバンナム作品と絡みやすいぞ、テイルズ!
さて、私はアスナベルベットとキリトジューダスが出るまでリセマラをしました。ぶっちゃけあの正妻様に関しては好きなんよ、ベルベットはずるい。ただ欲を言えばもうちょっとベルベットに浸食されたアスナを見てみたかったです。



雑談は置いておいて没ネタや今回のストーリーに関してでも
アスナとユカをここで口げんかさせるつもりでした。
しかし、今まで似ている部分等かけず落ちも内容もなかったので今後に生かしたいです。

あと急遽生えてきたリクヤ君カナヅチ設定
今まではストーリーを駆け抜けるため個人個人の問題にはほぼ触れていませんから、こういう日常で触れるのもありかなと思い、ちょっと考えてたものを入れています。
ユカにももちろん弱点はあります、というか弱点の倉庫では……?

とまぁ久しぶりなので話したいこといっぱい書きましたがこの程度で

以上、よろしくお願いいたします。 
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