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ある晴れた日に

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521部分:空に星は輝いているがその八


空に星は輝いているがその八

「にわかには信じられないけれど」
「そうよね、全く」
「北乃だからな」
「本当のところはどうなの?」
 桐生と恵美だけは真面目な顔であったがそのうちの一人である桐生が彼女に問うてきた。
「本当に純粋なお見舞い?それ」
「そうよ」
 やはり自分ではこう言うのであった。
「先生に退院してもらった時に楽しんでもらいたくてね。そうですよ先生」
「だといいけれど」
 先生も半笑いである。あまり信じてはいない顔であった。
「北乃さんってお家のことになると全然違うから」
「先生までそんなこと言うんですか?」
「悪いこと言わないから自分の胸に手を当てて考えてみるんだな」
「同意」
 しかし皆は今の野本の言葉に頷くのだった。
「今までが今までだからな」
「メイド服にナースにスチュワーデスにセーラー服にコギャル?」
 最近スタープラチナではじめたそのコスプレである。何とこれが大人気だったりするから世の中というのは訳がわからないものである。
「あと何あったっけ」
「チャイナにレースクイーンにテニスウェアにチアガールもあるわよ」
 明日夢は言うのだった。
「バドワイザーもあるし。流石に体操服とかバニーはないけれどね」
 それはないというのだった。
「ただし巫女さんに浴衣はあるわよ。執事もね」
「殆ど風俗店だよな」
「そうだよな」
 男組はそのコスチュームのラインアップを聞いて述べた。
「もう何ていうかな」
「まんまだよな」
「おかげでお店の打ち上げ二倍よ」
 明日夢は心の奥底から笑っていた。
「もうね。それが嬉しくてね」
「そりゃそうでしょうね」
「二倍になったんだから」
 なおスタープラチナは最初からかなり繁盛していたりする。それの二倍というから相当なものである。つまり大成功というわけである。
「ですから先生」
「お店に来て欲しいのね」
「はいっ」
 まさにそれなのであった。完全に本音を出してしまっていた。
「楽しみにしていますね」
「わかったわ。じゃあ退院してからね」
「はい、楽しみにしていますから」
「それじゃあカラオケダイエットってわけね」
 田淵先生がこう言うとだった。ここで皆顔を見合わせてそれぞれ言うのだった。
「いや、ダイエットは無理だろ」
「ねえ」
「絶対にね」
 こんなことを言うのには根拠があった。その根拠はというと。
「スタープラチナってお酒安いし」
「料理は美味しいし」
 何気にそちらでも評判がいいのである。
「あんなところに行ったらそれこれ」
「余計に太るわよね」
「ねえ」
「まあいいわ」
 しかし先生はそれもいいとしたのだった。結局は。
「スタープラチナにも行くから。江夏先生と一緒にね」
「御願いしますね」
「お酒飲んでいないかチェックしないといけないし」
 わざと意地悪を言ってみせたのだった。
「スタープラチナは前からそれが問題になってるからね」
「あっ、そうだったんですか」
 このことの白も切る明日夢であった。
「それは濡れ衣ですね」
「こいつまだ白を切るか」
「もうばれてるのに」
「皆飲んでませんよ。真面目に楽しくやってますよ」
「いや、もう皆わかってるから」
 明日夢の横から凛が言った。
 
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