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おぢばにおかえり

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第五十三話 おさづけの理その五

「嫌ね」
「僕先輩の水着姿見たことないですよ」
「そんなの見られたくないわよ」
 私の方もです。
「そもそもね」
「お肌見せるの嫌なんですよね」
「水泳の授業の時だって」 
 夏の体育の時のです。
「凄く嫌だったし」
「それで普段もですか」
「そうよ、水着だってね」
 持っていることは持っていますけれど。
「露出多いものじゃないから」
「ビキニとかじゃないんですか」
「ビキニだけれど」
 それでもです。
「下は半ズボンで上も大きめで」
「胸を隠してるのですか」
「ピンクでフリルが一杯付いていてね」
「可愛い感じの水着ですね」
「そういうのだから」
 持っている水着もです。
「露出多くないわよ、それでもね」
「着ると恥ずかしいですか」
「人前には出られないわ」
 だから海水浴も行かないです、プールもです。
「とてもね」
「そういえば夏もでしたね」
「そうでしょ、神戸で会ったけれど」
 あの時のことは忘れられないです、どうして会ったのか。
「それでもでしょ」
「はい、先輩プールに行こうって言われなかったですね」
「他の人にお肌見せたくないの」
 もっと言えばスタイルをです。
「男の人にはね」
「何ていうかそれって」
 阿波野君は私の言葉を聞いて考えるお顔になって言いました。 
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