ドリトル先生と姫路城のお姫様
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第六幕その三
「流石にないと思うよ」
「靖国神社に言う人はいても」
「ここの刑部神社はいないよね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「靖国神社に言うこともそうなのかなって思うけれど」
「ここだと余計に駄目とか言われる根拠ないね」
「うん、別に知事さんや市長さんがどの神社やお寺に参拝してもいいと思うよ」
先生は皆に学識から答えました。
「僕もね」
「そうだよね」
「それでだよね」
「知事さんや市長さんが年に一度お姫様とお会いしてもね」
「それでお話を聞いてもね」
「問題ないよね」
「特に」
「その筈だよ、ただ政教分離があって」
日本国憲法のこの原則がです。
「そして妖怪とお会いしたとかね」
「流石に公では言えないね」
「今はね」
「学者さんは言えても」
「政治家の人はちょっとね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「あれこれ言えないよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「うん、日本の歴史ではね」
今は駄目でもというのです。
「しょっちゅう幽霊や妖怪のお話が出ると言ったね」
「うん、前ね」
「先生お話してくれたね」
「それも前からね」
「何かあったらよくお話してくれるね」
「とにかくそうしたお話もね」
日本ではというのです。
「多くてね」
「それでなんだ」
「政治の場でもだね」
「妖怪や幽霊のお話が多いんだ」
「今昔物語とかを読んでいるとね」
日本の古典をというのです。
「本当に幽霊や妖怪のお話が多いからね」
「そうだよね」
「京都の街自体がそうだね」
「とかく幽霊とか妖怪のお話多いよね」
「特に平安時代とか」
「このお城でも半ば公だったからね」
かつてはというのです。
「日本はかなり幽霊や妖怪に親しんでいる国だから」
「さっきお菊井戸見たしね」
「あの井戸もね」
「お菊さんが放り込まれたっていうね」
「あの井戸も」
「あのお話も伝説かも知れないけれど」
実際にそうしたことがあったのか不明にしてもというのです。
「そうした場所があったことはね」
「覚えておいていいわね」
「私達にしても」
「そういうことだね」
「そうだよ、まあ僕達はね」
皆に笑ってお話もした先生でした。
「城主様だからね」
「それじゃあね」
「お姫様にはお会い出来ないね」
「そうだよね」
「それはないね」
可能性として否定する先生でした。
「それはやっぱりね」
「城主様のことでね」
「先生はあくまで先生だからね」
「どう考えてもそれはないよね」
「先生の場合は」
「いや、そんなことを言っていたら」
トミーがどうかというお顔で先生にお話しました。
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