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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第五幕その二

「登ろうね」
「それじゃあね」
「それとね」
「それと?」
「うん、皆時代劇も観るね」
 先生は皆にこうも尋ねました。
「日本のね」
「あっ、このお城出ますね」
 トミーが最初に気付きました。
「そういえば」
「徳川吉宗さんが主人公のね」
「あのかなり続いた時代劇ですね」
「あの時代劇ではね」
 まさにというのです。
「姫路城が出ているね」
「そうでしたね」
「本当は江戸城の筈だけれど」 
 幕府の将軍様だからです、将軍様は江戸城にいてそこから政治を執っていたのです。今は東京と呼ばれているその場所から。
「姫路城だったね」
「このお城を江戸城だということにしてですね」
「撮っていたんだ」
「そうでしたね」
「これは外国人にはわからないね」
 先生は笑って言いました。
「このお城を江戸城と言ってもね」
「今で言う皇居ですね」
「そう言ってもね」
「そうですよね」
「けれどね」
「それを、ですね」
「あえてね」 
 その時代劇の中ではというのです。
「そういうことにしていたんだ」
「時代劇ではそうしたことも多いですね」
「歌舞伎からだからね」
「時代を変えて名前を変えても」
「そういうことにするね」
「忠臣蔵もですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「姫路城もね」
「あの時代劇ではですね」
「エジンベアの宮殿をバッキンガム宮殿ということにする様なものだけれど」
 イギリスではこうなるというのです。
「そこをね」
「あえてして」
「撮影して放送していたけれど」
「それが、ですね」
「また奇麗でね」
「いいってことになったんですね」
「姫路城はそこまで奇麗だからね」
 それ故にというのです。
「好評だったんだ」
「かなり長いシリーズでしたけれど」
「そうなったんだよ」
「そうですか」
「うん、こうして観てみてもね」
 まさにとです、先生はお城の中の石垣や壁、櫓等を見回しつつさらにお話しました。先生も楽しんでいる目になっています。
「そうなった理由がわかるよ」
「姫路城はね」
 ポリネシアもうっとりとしています。
「この世にあるとは思えない位だからね」
「そこまで奇麗だからね」
 ホワイティはオシツオサレツの背中から言いました。
「だからね」
「世界には色々な場所があるけれど」
 それでもと言うトートーでした。
「姫路城はそうした場所の一つだね」
「この世にあるけれどこの世にあるとは思えない」
 ダブダブもこう考えています。
「そんな場所ね」
「そうだよね」
 ジップはダブダブの言葉に頷きました。
「僕達何度も来てるけれど」
「来て観て回る度に思うよ」
 ガブガブも珍しく食べもの以外のことに関心を向けています。 
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