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宝箱が一杯

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第五章

「しっかりとな」
「定めてもらう」
「そうしよか、ほなこの村では一泊して」
「そうしてですね」
「ハバナに戻ってな」
「ギルドに報告ですね」
 マルタはこのことを言った。
「そうしますね」
「ああ、旅の冒険者ということでな」
 身分を隠してとだ、こう話してだった。
 実際にインファンテはマルタと共に村の宿屋で一泊した、そのうえで次の日にハバナに戻ってギルドに依頼を果たしたと報告し。
 その確認の後でギルドから感謝の言葉と報酬を受け取った、そうしてだった。
 インファンテはマルタと共にハバナの海とビーチが見える海賊船を改造したレストランの甲板において料理を注文した、そのメニューはというと。
 米にサフランで味付けし鶏肉や野菜を入れて炒め炊きしたアロス=コン=ポージョにアボガドとパイナップルを角切りにしてオリーブ油とライムのドレッシングで和えたさらだであるワカモレ=クバーノ、牛の挽肉とトマト等の野菜を煮込んだビカディージョにカジキの肉に小麦粉をふって揚げてマリネにしたグアバのエンバナーダエスカベチェ、烏賊の烏賊墨煮込みであるカラマレス=エン=コン=カラマレスにデザートにアイスクリームというものだった。酒はラム酒でボトルのものをロックにして飲んでいる。
 そうして飲み食いを楽しみつつだ、二人で話していると。
 インファンテの手にあるものが宿った。彼はここで心の中で自分に言ってきた言葉をマルタに話した。
「これはドレイクの服や」
「キャプテン=ドレイクですか」
「あの大海賊のな」
「その服ですか」
「これは防具でな」
 それでというのだ。
「かなり防御力があって」
「それで、ですね」
「さらにや」
 インファンテは酒を飲みつつ言った、強い酒で酔いが身体の中に一気に回っていくのを実感しつつ飲んだ。
「水や雷属性の攻撃にな」
「耐性がありますか」
「そや、これはな」
 実にと言うのだ。
「かなりええな」
「そうですね、海賊の人にとっては」
「これ以上はないまでにええな」
「そうした神具ですね」
「実際にな」
 アロス=コン=ポージョを食べるマルタに応えた。 
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